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復活できる場所、南相馬。

2024年2月に実施された「南相馬大学生インターン型体験プログラム」に参加しました、臼杵ふたばです。
現在はお茶の水女子大学に通っている学部4年生です(プログラム時は3年生)。



南相馬に訪問するのは2回目で、どちらも大学のゼミの友人である柴尾さんに紹介いただいて参加しました。柴尾さんは、以前MYSHでインターンをされていたそうです。
ちなみに、彼女は今回、プログラムの企画を中心となってしていたそう!
(すごい!そして誘ってくれてありがとう!)

今回は、2月6日(火)から9日(金)まで、3泊4日で開催されたプログラムでしたが、私は別の活動の関係で、7日(水)から9日(金)まで2泊3日で参加させていただきました。

小高駅舎の様子。
南相馬市小高区に滞在し、たくさんの方にお話を伺った。

早速、今回プログラムに参加した成果を提示します。
結論から言うと、プログラムに参加したことによって、「マイナスの状況からの復活方法」がわかったように思います。

生きる上でしんどいな、生きづらいな、、と感じる方が多いのではないでしょうか。
私も日々社会の中で、生きづらさを感じている一人です。
そんな状況から起き上がるための方法が、このプログラムを通して得られたように感じています。

プログラムからは、時間は経ってしまいましたが、振り返ってみたいと思います。

南相馬へ訪問する前の私

実は、プログラム前日まで、大学の期末試験やその他、様々な活動に追われ、、、、正直気分が落ち込んでいる時期でした。
また、普段、私は、社会課題に向き合っているので度々気疲れしてしまうことがあります。

さらに、、、、福島へ向かう道中でも電車酔いをしてしまい、、、(常磐線揺れるのです。。。(笑))
みなみそうま移住相談窓口よりみちの最寄駅である原ノ町駅に着く頃には正直ヘトヘトでした(苦笑)。


原ノ町駅舎の様子。
至る所に馬のデザインのものがある。

しかし、原ノ町駅に降りると空気は一変。非常に心地が良いのです。電車を降りる前までの私はどこへ行ったのか、、、これから過ごす3日間に期待することができました。

人とのつながりー南相馬の方々へインタンビューを実施

1日目、2日目は人とのつながりができました。
南相馬で活動される方々へのインタビューや夜にはボードゲームのイベントを開催し、運営として参加させていただき、多くの人に南相馬への想いを伺うことができました。


特に印象に残っているスピーカーの方は、「小高工房(https://shop.odaka01.com/)」の廣畑さんのお話しです。


小高工房では辛味の強い商品が並ぶ。
唐辛子は外敵がよってこないため、
避難指示解除後のひと気が少なかった時期でも育ったとのこと。


東日本大震災があった日も、南相馬の小高に暮らしていた彼女。
ご自身の子どもが心配だったこと、その日の街の様子、色々とお話ししてくれました。

廣畑さんは東日本大震災は「日本に想いのある人がみんな傷を負った日」であり、「負の感情は抱いたままでもいい。」と言います。

「(失敗や不安なことがあっても)不都合は今だけ、次に、先の未来につながる、立て直せばいい」

これらの廣畑さんの言葉に救われたように思います。

人は、辛くても悲しくても、それでも生きていくわけです。
忘れたくても忘れられない状況、そしてそこから立ち上がるには気力や体力が必要です。

しかし、それは「今」だけ。次につながる大切なことであるという考え方に励まされました。

以上の廣畑さんとの時間は、私自身家族の死を経験しているため、とても共感することが多かったので印象に残っています。
辛いことも多い世の中ですが、復活するための言葉をいただけた気がしています。

一方で、私自身震災当時は首都圏で生活し、計画停電の対象地域で、むしろ福島の原発事故の加害者と言える立場の者です。
震災そのものについては、加害の立場からも改めて考える必要はあるとも感じております。

今後の自分の軸を考える時間ーキャリアワークショップ

続いて、今回のプログラムの中で、今後の日々の生き方の参考になったと感じるのは、キャリアワークショップでした。
このワークショップは、コワーキングスペース「NARU(https://naru-minamisoma.com/)」という場所で開催されました。

バリューズカード(https://get.wevox.io/valuescard)というオンラインカードゲームを用いて、自分・他の参加者の価値観を理解するという内容です。

様々な価値観に関わるキーワードを選択していくのですが、最終的に1人あたり5つのカードを決定します。

特に今回のワークショップは、「働くうえで大切にしたい価値観」をテーマに5つのキーワードを絞っていきました。

ちなみに、、、私が「働くうえで大切にしたい価値観」は、最終的に以下の5つでした。

  • 躍動的な人生(An exciting life)

  • 幸せ(Happiness)

  • リーダーシップ(Leadership)

  • 自由(Freedom)

  • 健康(Health)

読んでくださっている方で私のことをよくご存知の方は、納得?されますでしょうか。
私自身、自己紹介でこのまま伝えたいくらい、まさに自分のことだなと思いました。
(このゲームすごい!)

キャリアワークショップの様子。
説明しているのは企画者の柴尾さん。


バリューズカードは、オンラインで取り組むことができます。

ただ、私としては日常の中ではなく、ゆっくり考えられる時間・場所・人と取り組むことがポイントになると考えます。普段の活動の中で取り組んでも、忙しさやその時に抱えていることに、流されてしまう可能性があるからです。

いつもとは違う環境下であるからこその気づき、もしくは非日常であっても自分の中にあるプライドに変化がないからこそ説得力が高まります。

私の場合、プログラム後も、この5つのキーワードを手帳の見えるところに書き留めてたまに眺めるようにしてます。

特にしんどい時、自分の軸を見失いそうになった時こそ、見直しています。
南相馬で考えた時が、復活する時のヒントになっているのです。

震災と福島ー浪江町への訪問

最終日は、友人の柴尾さんとレンタカーで隣町の浪江町へ。
南相馬市と双葉町の間にある、浜通り(海沿い)の町です。
最初に、この日1番の目的地であった「震災機構 浪江町立請戸小学校」へ向かいました。

国道6号線と海岸線の間を入っている様子。
土地が広がっている。

国道6号線から一つ路地へ入ると開発中の広い土地が広がります。きっと津波によって姿が変わった風景なのだと思いました。
そして一つの建物が見えてきました。
請戸小学校」です。


請戸小学校は東日本大震災の際に、地震と津波の被害を受けた場所です。
その校舎が、今も、震災機構として保存、公開されてます。
https://namie-ukedo.com/


【ここから下は、小学校の中の写真や、当時の状況などを記します。ストレスを感じる場合があるかもしれません。ご自身の無理のない範囲でご覧ください。】

請戸小学校は、生徒と教職員全員が最初の避難所へ向かうことができた小学校です。
校舎内を順路通りに回ると、生徒と教職員が避難した際の凄まじい様子の説明を伺うことができます。
教職員の判断力、それに応える生徒たちの姿勢。ぜひ一度実際に足を運んで知って欲しいです。


そして、教室には、当時通っていた生徒が記した黒板メッセージ、浪江町や学校への思いを書き寄せた作文の数々が展示されています。
それぞれ行き着いた場所で、今を「生きている」ということが伝わってきました。

請戸小学校の内部。
津波で流された状態のまま保存されている。


そして、私はこの場所を伝えたいと思いました。(このことは次の節でお話しします。)


小学校見学後は、次の目的地、浪江の海鮮丼を食べに昼食をとりました。

私たちが伺ったのは、浪江町の権現堂という場所にある「海鮮和食処 くろさか」という食堂です。
私も柴尾さんも、海鮮丼を注文しました。

率直すぎる感想ですが、本当に美味しかったです!!さすが港町です。

そのほか浪江町は「浪江焼きそば」なども有名です。美味しい福島の顔も確認することができました。


新鮮で油のった海鮮。
ランチの時間帯は常に賑わっていた。


南相馬へ訪問した後の私

プログラムから帰ってからは、福島の様子について伝える機会がありました。
1つは、国連本部で実施されたCSW 68(第68回女性の地位委員会)に参加し、発表の機会に前回訪問した双葉町、そして今回訪問した請戸小学校の様子を伝えました。

持ち時間の関係で紹介する程度でしたが、国外の方に日本の状況を知ってもらえたのは良かったと思っています。

国連本部のあるNYにて。
常時・有事の際の危険に脅かされた女性の立場についてスピーチした。

また、私が勤めている学習塾でも伝えました。塾には2011年より前に生まれた子どもたちも通っています。
生徒の受け止め方も様々だと思いますが、伝えることは生徒の前に立つ私ができることだと思うので、続けていきたいと思います。

ちなみに、初日はヘトヘトな私でしたが、、帰りは人が変わったのか?というくらい前向きな気持ちで東京に戻りました。
リフレッシュできた〜、また明日から頑張るぞという気持ちに溢れていました。

復活できる場所、南相馬。

また訪問する選択肢しかありません。
今回は浜通り地区では珍しい雪景色も見られたので、次は夏に行ってみたいななんて思っています。

この度は、とても素敵な機会をくださり、ありがとうございました。

臼杵ふたば

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