078話:隠れたタンナー(革素材メーカー)の見つけ方

語られることが少なかったトピックかもしれません。

アノネイ、デュプイ、ワインハイマー、ゾンタ、カルロバダラッシ、グイディ。ファッション誌で、いわゆる「良質」と語られるタンナーさんですね。

もちろん、品質にケチをつけるつもりはありません。でも、日本酒に例えれば久保田、獺祭、黒龍以外に、土地土地の個性豊かな日本酒があるように、革素材についても同じことが言えます。

冒頭のはChianti社。今では少し有名になりすぎたかもしれませんが、柔らかでありながら使い込んだときのツヤが破綻なく増していく良い革でした。

また、こちらのブーツで使われた革。

名前を出すと現地に迷惑がかかるので、出しませんが、トスカナ州から取り寄せた、ローマ時代の製法で鞣した仔牛革です。

製法のみに着目するのではなく、良い革たり得る要素がこのタンナーには詰まっていました。

◆良い革タンナーを見つけるためには?

一言で言えば、地の利を押さえることです。

・牧場がタンナーからトラックで数時間以内に行ける距離にある
言うまでもなく、革は動物の皮からできています。良質な原皮を入手し続けられるサプライチェーンを構築できていること。原皮は輸送距離が短いほど、痛みの少ない保存法で運ぶことが可能になります。

・豊富な水源が近くにあること
革を作る際にもっとも使う材料は水です。それをふんだんに使用することが必須になります。水が少なければどこかの工程に妥協が入り、それは品質に確実に影響する。たまに、そんな事例がアジアの革で見られる場合があります。

・近くに文化的が成熟し、歴史を持つ都市があること
革製品は、日々の暮らしとともに発展してきました。いくら良い革を作れる材料、技術、環境があっても、受け入れる土壌がなければ良い革はできません。

イタリアではつい160年前までは小王国にわかれていたこともあり、その土地土地で個性あるレザーが、有力者や市民によって育まれてきたため、隠れたタンナーに恵まれています。

◆まとめ

良い革は、良い原皮を恵まれた材料で、丁寧に作ることで出来上がります。さらにそれが受け入れられ続けることで、ノウハウは蓄積され、品質が向上するため、良い革でありつづけられます。

新しいタンナーさんを探すときは、この点を頭の片隅にいれてみてはいかがでしょうか。良いタンナーさんをみつけたら、ぜひZinRyuにも教えていただけたら幸せです。

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ZinRyu (靴師)

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