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084話:インソールの作り方

手持ちの革靴が緩い場合、有効な手段として、インソールを靴に入れるという調整法があります。

 このnoteは有料設定していますが、最後まで公開しています。修理や靴屋を営んでいる方にも広く応用が利く内容ですので、役に立ってなおかつ気が向いた方は支援していただければ、今後の活動の励みになります!

インソールとは:

このように1mm程度の革を靴の中底に沿って切り出したものです。これを靴の中にいれることで、主に緩い場合のフィッティング調整ができます。

インソールを入れるのに適するケース:

1)足の甲と靴との間に隙間がある
 
→革一枚を靴の中に入れることにより、文字どおり空間を埋めることができます。紐を結んだ時に羽が閉じてしまう場合、足が靴の中で動き、小指が当たって痛い場合は試してみるといいですね😊

2)かかとのフィット感がない
 
→以外に思われるかもしれませんが、甲のスペースを埋めることにより、かかとと甲を挟んでホールドする力が強まりますので、かかとが抜けにくくなります。私は自分のかかとが広い靴も持っていますが、このホールド力を強めることにより、快適に履くことができています。

3)グッドイヤー等の靴で中底が沈みこみ、スペースができてしまった
 
→1)と被りますが、グッドイヤーの靴はリブがあり、通常の靴より沈み込みが大きいケースがあります。その沈み込んだ分をインソールで埋めれば、沈み込んで足の形はそのままに、フィッティングを良い方向に調整できます。

4)出張などで1足で何日も履かなければならない
 
→インソールを何セットか持っておくことで、日ごとにインソールだけを交換すれば、汗も通常のときより靴に溜まりにくくなり、幾分快適に履くことができますし、痛みも少ないです。

しかしながら、市販のインソールは形が決まっていて、なかなか手持ちの靴に適合しないのが問題ですね。。。。

そこで、手持ちの靴に合わせた自作インソールを作る方法を公開します!

インソールの作り方:

1)マンションのモデルルームに行きます

2)そこで色々資料をもらってきます

その中から、一枚A4の紙を取り出します。(紙であれば、実はなんでもいい)あと、A4よりB4,A3など大きい紙の方がやりやすいと思います。持っている方は試してみてください。

3)紙の上に足を乗せた状態で靴を履きます

そうすると、紙が折り曲がって靴の中底の状態を記憶します。それがインソールを自作するときの型紙のベースになります。

4)足だけを靴から抜いてから紙を整形します

履いた直後の状態はこんな感じ。

ここから以下のように、余分なはみ出ている紙を折り曲げて整形していきます。

整形し終わったら、型紙ができますので、適当な厚み1mmくらいの革をその通りにカットすればインソールができます。今回は都合上、裁断工程の説明は省きます。

(10月9日追記)

選ぶ革ですが、タンニンなめしのオイルレザーではない牛ヌメ革を選ぶと良いです。理由は2点。
 ・汗をよく吸う(吸湿性が良い)
 ・足の形や荷重を記憶する整形性が良い

例えばこちらで手に入ります。無加工ですと厚いので、1mm程度の厚さに漉いてもらうことが必要になりますのでご注意ください。

5)完成

参考までに、左側が今回作った型紙、右側は靴の木型から起こした純正のインソールです。トゥの部分などフィッティングに影響しない箇所に違いはでますが、ほとんど同じであることが見て取れるのではないでしょうか。

それぞれ重ねてみます。


なお、インソールは多少、中底の形とズレがあっても快適に履けますので、ゆるーい感じに試してみてください!

応用編としては、これを2枚重ねで履いたり、土踏まずの部分だけ2枚にしてアーチを盛り上げたりなど、色々やりかたがありますので、ぜひ結果をツイートして頂ければ嬉しいです!

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