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1分で話せ・世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術/伊藤羊一【本要約・ガイド】

Zアカデミア学長にしてグロービス講師:孫社長にも一目置かれた伝説の「伝え方」!
・プレゼンに限らず、人前に立って話をする、指示をする、伝える、ということが苦手な方はいるでしょう。著者の伊藤氏は、そのプレゼンを聞いたソフトバンクの孫社長から認められるほどの技術の持ち主であり、今はグロービスの講師として、Zアカデミアの学長として、起業家からビジネスパーソンまで年間300人以上のプレゼンを指導し、ピッチコンテストなどでの優勝者を続々と輩出しています。本書では、「右脳と左脳」に働きかける伊藤氏独特のメソッドを紹介します。

1分で話せない話は、どんなに長くても伝わらない
「話が長い、手短に話せ」言われる方は少なくないでしょうが、伊藤氏の考えは「1分で話せないような話は、どんなに長くても伝わらない」というもの。長いのは話がまとまっていない証拠でもあり、相手に伝わらない一番の原因。そこで本書では、伝わる伝え方の「型」の部分だけでなく、「結論の決め方」、「言い切れない」というメンタルの部分の話から、1分で記憶に残す方法など、誰でもできる方法を紹介します。

要点1:プレゼンテーションの主な目標は、単に理解を深めたり話し方を洗練するのではなく、「人々を行動に駆り立てる」ことにある。
要点2:プレゼンの準備を進める際には、具体的な聞き手をイメージし、その反応を頭に描きながら、内容や言葉遣い、話し方を検討する。
要点3:プレゼンテーションでの「結論」は、単なる結末ではなく「聞き手をどう行動に移すか」が重要であるという点である。
要点4:効果的なプレゼンテーションのロジックは、一つの結論を支える3つの根拠からなるピラミッド構造で築かれる。
要点5:左脳にはロジックを、右脳にはイメージを用いることで、聞き手の感情を揺さぶり、彼らを動かすことができる。

要約

基本的なプレゼンテーションの技術として「伝達力」を理解する:「人々に行動を起こさせる能力」


人々は、通常、他人の話の80%を無視しています。完璧なプレゼンテーションを行ったとしても、意図した通りに100%のメッセージが伝わることは稀です。したがって、話す際には、この事実を最初に考慮する必要があります。
プレゼンテーションの力は、他人に行動を起こさせる能力に他なりません。人々に行動を起こさせるには、1分以内に効果的に話す技術が求められます。また、聴衆の具体的な特性を考慮することも重要です。

プレゼンテーションの目的を明確にする必要があります。この目的を言葉にすると、「誰に」「何を」「どうして欲しいのか」という3つの要素に分解されます。ここで重要なのは、誰に話すのか、相手の関心、期待、専門知識、反応などを具体的に考慮することです。このような要素を把握すると、聴衆に適した内容、言葉遣い、話し方を計画するのが容易になります。

明確な目標設定


プレゼンテーションの目的と対象者を確定した後、最終的な「ゴール」を明確にする必要があります。ゴールとは、プレゼンテーション後に聴衆がどうなって欲しいのか、具体的な期待値です。具体的な行動を求めるため、目標をはっきりと設定する必要があります。
プレゼンテーションはゴール達成の手段です。したがって、聴衆に何をして欲しいのかを特定し、そのゴールに到達するための戦略を逆算して考えます。「理解してもらうだけ」では不十分で、具体的な行動を強調する必要があります。例えば、プレゼンテーション後のフォローアップや、場所の配置なども総合的に考慮すべきポイントです。

1分以内で伝える方法:「結論」と「根拠」を論理的に展開する


効果的な話し方には「結論」と「根拠」があります。1つの結論に対して、多くの根拠が存在することが一般的です。
結論を最初に述べ、根拠をその下に配列すると、ピラミッドの形になります。この構造が整っていれば、話が冗長になったり、伝わらなかったりすることは避けられます。
ビジネスでは、最初に結論を述べることが重視されますが、結論と根拠の区別が曖昧な場合もあります。自分に「だから何?」と問いかけ、根拠から論理的な結論を導き出す練習が重要です。企画をプレゼンテーションする場合、結論は「この企画は売れるからやりましょう」であるべきです。

「3つの根拠」で相手に説明し、納得させる


人々は根拠がなければ納得しません。しかし、過剰な根拠は印象に残らないことが多いため、3つの根拠を提供することが効果的です。
結論を述べた後に、3つの理由を明示することで、聴衆は注意を傾けやすくなります。プレゼンテーションは、自分の思考の構造を相手に伝達する作業であり、結論と3つの根拠という明確な枠組みがあれば、相手にも理解しやすくなります。

結論と根拠の連携


結論と根拠の骨組みが整えば、1分以内で話すことが可能になります。さらに、この骨組みを論理的に構築する必要があります。
結論と根拠は、意味の連鎖が必要です。例えば、「雨が降るから外出しない」といった意味の連鎖が必要で、「雨が降っているからキャンディーをなめよう」という非論理的な連結は避けるべきです。話す際は、意味のつながりを意識し、他人にも確認して、論理的な一貫性を保つことが重要です。

もちろんです!以下にリライトした文章を記します。

1分で相手に「イメージ」を喚起する方法:感情とロジックで説得する

論理的な説明は重要である一方、人々を行動に移すためには感情的な訴求も欠かせない。聞き手に夢中にさせ、頭の中で映像を描かせる能力が重要である。
例えば、マンションの販売時にはどちらの言葉が効果的か。A案は、「駅から3分、閑静な住宅地で公園も近い」。B案は、「近くの緑豊かな公園でお子様が楽しめます」。B案なら、「通勤時の爽快な歩み」や「家族と公園での楽しいひととき」のイメージが湧き、「欲しい」と感じるだろう。
このように、事実をロジカルに提示し、その上で聞き手に自分を投影させると、彼らの想像力が自然に広がる。話す側の役割は、その想像を支援することである。

聞き手の想像を刺激する方法

最も直接的な方法はビジュアルの提供だ。単なる言葉よりも写真や動画は理解を深める。マンションの例では、外観や施設の画像を使うことで具体的なイメージを提供できる。
ビジュアルが利用できない場合でも、「たとえば」といった具体例を挙げると、話が具体的になり易くなる。「想像してみてください」と一言添えると、聞き手はよりイメージに没頭する。
ロジックで左脳を、イメージで右脳を刺激し、相手を説得することが可能になる。

状況別の対処法

急に意見を求められた場合

会議で突然意見を求められ、言葉が見つからないときは、相手の質問の本質をつかむことから始める。具体的な答えはまず考えず、質問のタイプを把握することが先決だ。
その後、答えの構造を組み立てる。結論、根拠、具体例の順で考えると効果的だ。上司が即座に否定するタイプならば、あえて指摘されやすい部分を入れ、議論を自分の思い通りに進める策略も有効である。

聞き手が注意を向けていない場合

相手が自分の話に集中していない際、声のボリュームとトーンが問題である可能性がある。声が小さいという単純な問題が多くの理解の障壁となっていることもある。
トーンの変化を意識し、重要なポイントで声を強調するなど、表現に意味を込める努力も必要だ。言葉の背後にある意味を意識し、具体的なイメージを持って話すと、自然と表現が変化する。
さらに、聞き手に直接話しかける姿勢も大切だ。漠然とした空間に話すのではなく、個人個人に対して意識して話すことで、より強く訴えることができる。
プレゼンテーションの技術は、繰り返しの練習と試行錯誤を通じて磨かれる。録音し、言葉遣いやトーンを改善し、他人からのフィードバックを活用するとより効果的だ。


エレベータートーク
話し方のルールを守ればプレゼンはうまくいく
相手は誰かをイメージ
ピラミッドストラクチャー
ゴールを設定する:相手に行動してもらうため(理解してもらうためではない)
人間はロジカルでは納得できない
超一言(キチリクルン)


本書の目次

はじめに 私は、人に何かを伝えることが本当に苦手だった

序章 そもそも「伝える」ために考えておくべきこと―うまいプレゼンより、「動いてなんぼ」

人はあなたの話の80 %は聞いていない/「1分」で話す/「右脳」と「左脳」に働きかける

第1章 「伝える」ための基本事項

・相手は誰か? どんなことに興味があるのか?
・ゴールは何か ―「理解してもらう」はゴールにならない
・結局、動かしてなんぼ ―「きれいに話す」のは目的じゃない

第2章 1分で伝える―左脳が理解するロジックを作る

・てっぺんのないピラミッドになっていないか ―ロジカルな1分ストーリーを考える
・考える=結論を導き出す―事実やデータは結論じゃない
考えるつもりで、悩んでいないか
・根拠は3つ―ピラミッドで「枠組み」を共有しよう
・意味がつながっていれば「ロジカル」―1分で誤解なく伝える
・「基本的に」は不要―いらない言葉をいかに削るか
・頑張ったことは話すな! ―話が伝わらなくなる6つの余計な話
「プロセス」を話す/気を遣いすぎる/自分の意見とは違うことを言う/笑いを入れる
・通じないときは、前提を揃えておく
「メタ認知」は優秀なビジネスパーソンに共通するスキルでもある

第3章 相手を迷子にさせないために「スッキリ・カンタン」でいこう

・集中して聞いてもらうための「スッキリ・カンタン」
話を聞いてぼーっとしてしまう時
・言葉もスライドも「スッキリ」が鉄則
グラフにするのは基本/状況を「位置」に込める/スライドは「読まずに頭に入る」ことを目指す
・カンタン―中学生が理解できるレベル言葉しか使わない

第4章 1分でその気になってもらう―右脳を刺激してイメージを想像させよう

・人は、イメージを想像することで、感情が揺さぶられる
・正しいことを言うだけでは、人は動かない
・イメージを描いてもらうために行なう2つのこと
・ピラミッドは、3段で作ろう―「結論」→「根拠」→「たとえば」の3段ピラミッド
・「想像してみてください」―聞き手に、イメージの中に入り込んできてもらうために

第5章 1分で動いてもらう

・「超一言」で包み込む
・「ライブでダイブ」―プレゼンもアーティストと同じ
聞いている人の中に入っていく/人前で話す時の4つのポイント
「リトルホンダ」を作る―いかに「相手の立場」に立って話すか
根回しだって、アフターフォローだって必要ならばやろう

第6章 「伝え方」のパターンを知っておこう

結論ではさむSDS/新しい取り組みを説明する時のPCSF
・伝えたい言葉はあるか
・動かしてなんぼ

第7章 実践編

【会議】とっさに意見を求められて真っ白になる
相手は何を質問しているのか、を見つけよう
会議では「ポジション」をとるのが大事/上司に意見をぶつけていいか?/意見を言うと、否定する上司に対しては?/自分から手を上げなくても、発言できる方法
【会議】自分の話を聞いてくれているような気がしない
声を大きくするだけで、7割方解決する/言葉にイメージを持てば、トーンは自然に変わる/ただ大きくしても意味はない/「ロジカル」だけでは伝えられない/誰に向かって話していますか?/実際に観客に近寄ると、「私たち」という意識を作れる/声に出して、立って、何度も練習しましょう。時間の許す限り
【上司への提案】プレゼンではなく、「対話」を意識しよう
上司と自分の「ピラミッド」をすり合わせよう/ピラミッドをとれば、話の主導権は握れる/目上の人に対しても「私たちは」を使う/意見が合わない時は/上司の話も引き出せ
【取引先との商談】―提案よりも「問題解決」で信頼を作る
何を優先させるのか/信頼を得るために
【ファシリテーション】広げて絞る流れを意識しよう
ゴールを決める/結論は誘導しない/事前準備を必ず行なう


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