シャムキャッツ菅原とめぐる中央区南インドカレー紀行

東京駅は八重洲口には世界屈指の南インド料理店たちがひしめきあっていることをご存知だろうか。知っている人はスキップしてもらっても構わない。南インドには人を強制的にオタク化させる魔力がある。知っている人は骨の髄まで南インド料理を溺愛し、知らない人は北インドと南インドの違いも知らないまま気ままにカレーを楽しみ、そして死ぬ。カレーという神の下では、みんな平等に似た顔つきになってしまう。そんな中、カレーに対する感受性というか、態度が一味違うなぁと思うのがシャムキャッツの菅原くんだ。南インドカレーの魅力を満面の笑みで「ヘルシーなところかな」と語るところに、菅原くんの本質があると思う。理論や権威によらず、自分の言葉で自分の考えを述べる。特段バズる言葉とか伝播性がいい言葉は菅原くんから決して出てこない。ただ、言葉の影にはナイフみたいにナイーブな感性が存在する。そこが本当に好きだ。夏目くんと話していると出てくる言葉の全てがパンチラインというかパンチラinというか、スケベで泣けて笑えてポップでオチもあって、要は全てが恋に落ちてしまうハリウッド的感覚に帰着する。そこが本当に好きだ。話す言葉において正反対の2人がキャプテン翼の岬くんと翼くんよろしく(ということはバンビが三杉くんで藤村が日向くん?GKは誰なんだ?)日本を飛び越え、アジア、そして世界に挑むストーリーを見届けたいのだなぁと今この文章を書いていて再認識した。ファンの人は知っていると思うけど、ここ数年の彼らを取り巻く状況はタフというか普通ならバンドが終わってしまってもしょうがない、それこそ漫画みたいなことが立て続けに起こっている。でも、いつだって彼らは立ち上がり、さらに成長した姿を見せてくれている。そこに僕は、惚れた。だから埠頭音楽祭に誘わせてもらった。できれば、フジロックへと続くいい通過点になってほしいなと思っている。そして、それをできるだけたくさんの人に見届けてほしいなぁとも願っている。この文章は広告だ。今回ライブが行われる晴海埠頭は東京駅からアクセスがいいということもあって、東京駅八重洲口を中心に埠頭音楽祭前・後に気軽に寄れる南インドカレー屋を紹介したい。タブラ奏者のユザーンも太鼓判を押す(タッツ情報※仲原達彦・現カクバリズム)名店「ダバ・インディア」は偶然にもシャムキャッツの菅原くんが南インドカレーにハマったきっかけの店だという。ミールスを食べながら菅原くんに南インド料理のこと、最近のことなど聞いた。もしここまで文章を読んでくれた人がいたら、いつでもいいのでぜひ2度はここで紹介した店に訪れてほしい。1度じゃ良さは絶対にわからない。あなたは何度もそのことを経験しているはずだ、子どもじゃないんだから。そして神を前にした時、あなたはどんな顔をするのか。僕が興味があるのはその1点だけ。それではどうぞ。

テキスト・インタビュアー:新間功人/写真:みかなぎともこ

カレー好き菅原の原点「ダバ・インディア」

●やってきましたダバ・インディア。相変わらず繁盛してるね~。

「このお店はもう全部が美しいよね。内装は壁からダクトまで全部ブルーでていねいに塗られているし。サービスも料理も全部細部までこだわっている。こんだけ繁盛して忙しくても慌ただしさは一切ないし、いる人みんなが笑顔になるお店。そこが好きだな」


●シャムはツアーの時はお店選びどうしているの?

「みんな俺がカレー好きなこと知ってるから"カレーいく?"って言ってくれるんだよね。だからカレーが多いかな、メンバー全員グルメだし味覚は結構近いかも」

●アジアツアーで印象に残った料理とかある?

「深センで食べた湖南料理が衝撃だった!大衆料理っていうかバーミヤンみたいなお店に入ったんだけど、100倍味が奥深いというか。バーミヤンはバーミヤンの良さがもちろんある。でも枝豆をさっと揚げただけの料理1つとっても美味しかったのはびっくりしたなぁ」

●王舟がよく言うのは、日本の中華料理と現地の中華料理の差は"立体感"らしい。焼きというか焦がしの調理技法で食感に陰影つける部分の味覚のキャッチ部分が発達してるのかもね。日本人は旨味成分のキャッチ部分が発達しているように。

「素材の味を活かすっていうのと真逆で、全部の料理に手仕事が入っていて魔法みたいに味が変わるところが印象深かったな。タイもベトナムもまわったけど、それぞれ現地の人が普段食べているもののレベルが高くて感動した」


●食もツアーの醍醐味だよね。お、ミールス(南インドの定食)到着しました!ズバリ、南インド料理の魅力は?

「ヘルシーなところかな。こんなこというと笑われちゃうかもしれないけど。毎日食べても太らないし、カトリ(銀のお盆)にこうやって混ぜながら自分好みで食べるスタイルが好きなんだなぁって気付いたのがダバ・インディアなんだよね。新間くんのドーサ(チーズのクレープ生地)もうまそう」

●いくらヘルシーでもさすがにこれは太るな。そもそも何がきっかけでカレーが好きになったの?

「昔バイトしていた神保町の鴻(オオドリー)って欧風スープカレー屋でまかない食べているうちに、カレーにハマった。やっぱ何度も食べないと本当に自分が好きなものって気づかないよね」

●確かに。ダバ・インディアはカレーの種類も多いし、ぜひグループで来店してあれこれシェアしながら食べてほしいね~。

「東京駅からも歩いて5分ぐらいだし、新幹線使う地方のお客さんでもあんまり東京駅に降りることってないと思うけど、ぜひちょっと足を伸ばしてほしいな」



女性も1人で気軽に入れる名店「エリック・サウス」

●続いては八重洲地下街にあるエリック・サウス。このお店を知ったきっかけは?

「友だちに教えてもらったのかなぁ、基本的にうまいお店は友だちに聞くのが一番信頼できるからね。エリック・サウスは気軽にめちゃうまいビリヤニが食べられて、かつリースナブルなカレースタンドってところが画期的。そこが気に入ってるかな」

●俺は家から近いこともあって週1で通ってるよ。この辺りはよく来るの?

「ここ最近、中央区に遊びにくることが結構増えてきたんだよね。昔から文房具が好きで京橋"POSTALCO"っていう文房屋は移転前から通っていたけど、街の雰囲気がだんだん自分にフィットするようになってきたのかな。生まれ育った浦安の感じにも似ているし。エリック・サウスは新間くんの方が詳しそうだからおすすめ教えて」

●ビリヤニもいいけど、季節のフィッシュカレーミールスはぜひ一度は食べてもらいたい!冬は鮭、春は鰆って感じで旬の魚を使ったカレーはマジ絶品。基本的に夕方すぎには売り切れちゃうんだけどね。あと南インドのスイーツも頭が爆発するくらい甘くてうまいので、これもお口直しで行こうか。

「もうお腹いっぱい(笑)。余裕あればダクシン(ここも南インド料理の名店)も行きたかったね。東京駅の周りはほんといい店が多い」

●ね。その3店は自分の中では御三家。あ、フジロック出演おめでとう!(2日目のレッドマーキーのトッパー)月並みだけど、今の心境は?

「素直にうれしい。去年メンバー4人でフジロック見に行って、絶対来年は出たいと思ってた。この1年フジロックに出るためにバンドも動いていた部分もあるからね。最終的にはグリーンに立ちたい」

●レッドマーキーは通過点か~その発言に今のバンドの勢いを感じるよ。実際ひょんなことからここ1年半ぐらいシャムのライブずっと見ていて、ライブの精度は段違いに上がってきているし。レーベル立ち上げた前後の菅原くんのCINRAのインタビュー(https://www.cinra.net/interview/201611-siamesecats)読んで衝撃を受けたこともあって余計にそう感じるのかもしれない。「Friends Again」を作って変わった部分ってどんなところ?

「4人がちゃんと立っているバンドになれたかな。アルバム作る前ぐらいから"今度は4人の関係性が主題になりそう"というムードはなんとなくあって。結果、できたものは地味だけど今までで一番手応えがあるものが作れた」

●友だちの音源って基本日常的には聴かないんだけど「Friends Again」は去年めちゃ聴いたな、すっと自分に入ってきて何度も繰り返し聴けるというか。リリースを経て今回のアジアツアー4人だけでまわったことで、関係性って変化あった?

「うーん、うまくは言えないんだけど、たとえば朝の集合時間とか何食べるかからSEかけるタイミング、幕開けのタイミングまでことごとく4人で全部情報共有するようになって、それは確実にバンドにとってプラスになった。スケジュールとかお金の交渉も自分たちがフロントに立ってやるのは不安だったけど、4人でもできるんだっていう手応えをつかんだな」

●自分が見にいった台湾での熱狂もすごかったし、いい時に立ち会えたなと思う。テンションぶち上がりすぎて帰りの飛行機は逃したけどね…実際、アジアと日本でツアーまわる上で違いってある?

「言語と通貨ぐらい。根底にある"いい音楽があったらちゃんと届けたい"って思いはどのミュージシャン、イベンター、ライブハウスのスタッフと関わっても万国共通。この前ソロで対バンしたバンバンちゃん(SKIP SKIP BEN BEN)と話した時、彼女も同じこと言っていたし。あと帰りにお土産レコードをもらったのもうれしかった」

●バンバンちゃんこの前の台湾での落日飛車とのツーマンも遊びに来てたしね。

「うん、だからこのタイミングで埠頭音楽祭で一緒にライブできるのが本当に楽しみ」

●おお、うまく話つないでくれてありがとう~!カレーも届いたことだし、このあたりにしておきますか。”レッドマーキーは通過点”ってパンチラインも出たしいい話聞けました!

「ホワイトステージの新間先輩に続けってことで(笑)」

(©本田琢也)

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埠頭音楽祭

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