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すみだ・須賀監督、"パワープレー返し"選択の理由と決断のタイミング。大阪・小曽戸選手が感じる現在のチームの課題。Fリーグ9節

フウガドールすみだ・須賀 雄大監督インタビュー

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ー前半、個人的には五分五分の印象で、前半終了間際にすみだが1点を取り、後半も追加点を奪いましたが、そこから大阪のパワープレーにより2失点という試合展開でした。試合を振り返って?

須賀監督「パワープレーの守備に関しては取り組んできたことがあったので、それが結果的に・・・、出せたんですけど、うまく行かなかったというところに関しては反省点かなと思います。あとは選手はパーフェクトなプレーをしてくれたと思っていますので、胸を張って欲しいと思いますし、自分自身がしっかりとプランを立てた中で引き分けてしまったので、もう一度、次の大阪とやるときのプランニングに加えて行かないといけないのかなと思います」

ー試合前はお互いに上に上がっていくキッカケが欲しかった1戦だったかと思います。大阪に対しての戦い方は?

須賀監督「どのチームに対しても、基本的には自分たちの良さであるプレッシングから、早くボールを奪い返して、マイボールにして攻めるというのを意識して戦っています。その中で、彼ら(大阪)には明らかにタレントが居るので、より、簡単にボールをロストしてしまうと、ボールを回収するのが難しい状況になってしまうので、そこに関しては、今回はよりそういった意識ができる選手を選考して戦ってもらった感じですね」

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ーボールを簡単にロストしないためには例えばつなぐことにこだわらず、時には大きく蹴ってしまったりも良しということでしょうか?

須賀監督「それもあるでしょうけれど、例えば選手によってチャンスの基準は違うと思うんですけど・・・。例えば早く攻めて、縦にボールを入れてロストしても、すぐにボールを奪い返せればそれで良いと思う。でもボールを保持できる相手にそれをやってしまうと、守備の時間が長い状況が生まれてしまいます。シュライカーはマイボールを大事にしてくるチームなので、例えば、下位のチームで、相手が簡単にボールをロストしてくれるチームとは違いますよね。そういったところは意識しています。今日の試合に限らず、強いチームとやる時、相手の攻撃力が脅威であれば、ディフェンス力を強化すると同時に、自分たちのボールの時間を長くしないといけないと思います」

ー今日、ゴレイロが1人でしたが・・・?

須賀監督「ケガです」

ーダニーロ選手もケガをしている?足を引きずるようなところもあったようですが?

須賀監督「ちょっとケガしてますけど、大丈夫です」

ーパワープレーの失点に関して。2点とも同じような形だったと思いますが、エラーが起きていた?

須賀監督「やはり、ダイヤ、1-2-1で守備をすることを意識してやっていたので、ある意味、あの斜めの、角のところはずれてしまうのが、1-2-1の守備のポイントになるんですけど・・・。逆に言えば、相手にミスが出れば、パワープレー返しもできる。そういう状況だったので、今回、そういう形にしました。そこに関して言えば、相手のパス回しが上回ったのではないかと思います」

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ーパワープレーに関しては昔はあまりやらなかったイメージがありますが、考え方に変化がありましたか?

須賀監督「だいぶやってから長く経っているので(笑)。パワープレーをやらないという一つの決断をしていただけで。僕自身がパワープレーをやらない人というわけではないと思うんですね。3-1をやる人も居れば、4-0をやる人も居て。パワープレーをやる人も居れば、やらない人も居るし。前からプレスをかける人も居れば、かけない人も居る」

「ただ当時の自分の考えとしては、地域リーグの少ない練習の1回をパワープレーに当てるということがもったいなかったですし、パワープレーをかけるリスクの前に、例えばトランディショナルなゲームにして、相手をそこに付き合わせてゴールを奪うとか、あえてフィールド4人全員がリスクをかけることで、逆カウンターに合わせて行くような・・・。そういう戦い方と言うのをやってきた。

キャラクター的に左利きも居なかったですし、15mからぶち抜けるシューターも居なかった中で、そちらの方がより現実的な戦い方だった。ある意味、ゴールを奪うためには良かったのかなぁと思っているので・・・。

そういう中で、Fリーグのチームはスカウティングもしていますし、賢いですし、自分たちのスタイルに付き合ってこなかったりとか、逆に自分たちがパワープレーの守備をするとなった時に、パワープレーをしない選手たちと言うのはナーバスですよね。自分たち自身もパワープレーのメカニズムを学ばないと守れない。そういうシチュエーションもありましたよね」

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ーパワープレーで2失点した後、すぐにパワープレーに出ました。あの決断はどのタイミングで?

須賀監督「一つは単純にパワープレーをやらせたくなかったというのがありますよね。あの状況から、あれだけ苦労して2点を取った状況で、まだ相手がパワープレーで取りに来るということは容易に想像できたので。まずは主導権をこっちに取り戻したいという狙いが一個ありました。

その中で、時間をかけながら、自分たちが狙う形に、フィニッシュを持って行きたいというのがあった。ただ選手たちが少しナーバスになっていて、実際イメージしてたプレーと全く違う動きをしていた選手も居たので、ゴールを奪う意識というよりは、中で混乱しているな、というのが見て取れたので・・・。

そのあたり、パワープレーと言うのは、実際、相当な経験を積んでいかないと難しいプレーではあると思うので。もちろん、その練習を十分に取るというのは大事なんですけど。例えばウチの育成年代ですと、高校生からパワープレーをしますし。そういったところも、ずらし方というのは、一朝一夕で身につく部分ではないのかなとは思います」

ー逆に言えば、そういった育成年代の子たちが上がって来た時、もっと成熟したパワープレーができそう?

須賀監督「そうですね。やはり日本の育成をやってきている中で、ほとんどの選手が2対1より、1対1というのを意識していると思うんですよね。でも2対1という感覚を持っていないと、例えばズレたところでどういったパスの質で、どういったフィニッシュをするのか?体の向きは?となった時に、2対1を選んでいけないのかな、と思うので。そのずらし方を、攻撃の選手が持っていると、より、脅威になっていけるんじゃないかと思うし、もちろん、トップレベルでも意識していますけど、やはり簡単ではない。そういったところの評価基準と言うのは持ってますけど、口で『2対1つくろうぜ!』と言うほど簡単ではないのかな、と思いますね」

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ー話が飛びますが、すみだの外国人選手はどういう流れで獲得しているのでしょう?スカウトが居るのか?監督自身が探しているのか?

須賀監督「基本的には代理人が居ます。代理人とコミュニケーションを取りながら。リクエストを出して。チームが成長しているための選手を探してもらっています。ただ、ダニーロに関しては、彼からアプローチがありました」

シュライカー大阪⑫小曽戸 允哉選手インタビュー

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ー試合前は、すみだが4位、大阪が5位。お互いが上位進出を狙いたい一戦だったかと思います。すみだに対する戦い方は?

小曽戸選手「まずは相手どうこうよりも自分たちがしっかりやらないといけないと話し合っていましたし、2試合負けた(2連敗していた)のも、相手がどうこうよりも、自分たちが崩れてしまった部分が大きかったので。自分たちがやるべきことをやろうと・・・。昨日の練習後などに話したりしていました」

ーパワープレーからの2得点でしたが・・・?

小曽戸選手「そうですね・・・。本当にアルトゥールと忍(⑩相井 忍)と瑞穂(88番・稲田 瑞穂)の3人の関係がすごく良い。シュートも打てるしパスも出せるというところで、自分たちもやりやすいですし、相手にとっては脅威なのかなと・・・。あとは練習でやっているような形がうまく出せたのかなと思います」

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ーチャンスはつくれていたと思いますが、インプレーからのゴールが無かったことに関しては?

小曽戸選手「そうですね。ボールが前に進まなかったというところはあたっと思うので・・・。回避はできてもシュートまでは行かない。自分たちがもう一個・・・、良いピヴォが居るので、そこを使うのか、ミナミ(⑧加藤 未渚実)だったり、瑞穂(88番・稲田 瑞穂)だったりにもっと良い形で1対1を仕掛けさせるのか、突き詰めて行かないといけないかもしれません。今日みたいに、押し込んではいるけど、シュートまでは行けないよね・・・という形になってしまうので。そこはもっとやっていかないといけないのかなぁと」

ー試合前にみんなで話していた"やっていくべきこと"というのは、そういう部分ですか?

小曽戸選手「それは戦術的な部分と言うよりも、ひとつのプレーに対するこだわりとか、そういう部分が大きい。戦術でピヴォを使うとかいうよりも、もっと以前の、モチベーションだったり、戦うというところで、もっとしっかりやらないといけないという話はありました」

ー後半、セットが少し変わっていたようですが・・・?

小曽戸選手「そうですね。ドゥドゥの代わりに忍が入ってましたね」

ー今シーズンは結構、そうやってセットのメンバーが変わることがある?

小曽戸選手「自分がケガしていた時もそうですけど、セットはあまり組まないでやっていることが多い。それの良さもあれば、しっかり固定できないところでのコミュニケーション不足もあるので、そこはどっちがいいかというのは監督の判断によると思うんですけど・・・。今日であれば、忍(⑩相井 忍)とは3年とか一緒にやっている中で、やりたいこともわかるし、自分たちのプレーもわかってくれているので、別に急にセットが変わっても、問題なくできるメンバーなので、自分たちとしてはメンバーが変わっても、うまくできないとかいう問題は無いと思います」

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ー2点を先行され、パワープレーで同点に追いつくという試合展開でした。試合が終わった直後の気持ち、感想は?

小曽戸選手「勝ちたかったな、というのが大きいですけど・・・。最後のアルトゥールのシュートがポストに当たったりとか、そういうシュートが入っていればというのはありますが、他にも自分たちが勝ち切らないといけないような場面をもっとつくれないと行けなかったと思いますし・・・、勝点3を取れなかったのは悔しいですけど、0-2から追いつけたというところを、次につなげていくしかないのかなぁと・・・」

ー小曽戸選手から見て、いま、チームに足りないこと、課題と言えば・・・?

小曽戸選手「うーん、まぁ、みんなそれぞれ一所懸命やっていますし、リーグの中でこういう苦しい試合が続くというのは今までもあったし、避けては通れないところだと思うので・・・。そこで自分たちがどう振る舞うかと言うのが一番大事だと思うので。ここであきらめてしまったり、手を抜いてしまったら、もう落ちて行くだけだと思うので。今日の勝点0から1を取れたのもそうですけど、必死にやって、これで、0-2からでも追いつけるという自分たちにポジティブな要素だと思いますし、ひとつ良いことがあれば、それに伴って他も良くなっていくと思うので。それは今は流れなのかなぁと。その流れを変えるのは自分たち次第ですけど、そこは自分たちのやるべきことをしっかりやれば、この後は必ずついてくると、信じてはいますけど」

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レポート・写真:北谷 仁治

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