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【インタビュー】AFF選手権の準備を日本で行ったインドネシア代表 高橋健介監督「アジア4強も不可能ではない」

 インドネシア代表は、2日から10日まで日本でトレーニングキャンプを行った。彼らは21日に開幕するAFF選手権に出場する。この大会は、来年開催されるAFCフットサル選手権トルクメニスタン2020の予選も兼ねており、グループステージを突破しなければ、その出場権を得ることはできない。

 このあたりの説明はPivo!に書いたので、ぜひ、そちらを見てほしい。(※アップされ次第、リンクを張ります)

 もう一つ見てもらいたいのが、以下の画像だ。これは今回の日本遠征にも来日していた12番のFPルントボイのプレーだ。インドネシアには、彼のようなタレント溢れる選手が多数いるという。

 彼のように、生まれ持った身体能力やセンスが高い選手が多くいる一方で、後天的に植え付けられる知識や戦術について、インドネシアでは、まだまだ教えられる指導者が少ない。また、レベルの高いフットサルをなかなか見られない状況もあるが、そうした面でも高橋監督は、フォロワー数11万7000人を越える自らのインスタグラムで、欧州のトップレベルのプレー動画などを紹介。同時にインドネシア国内で言語化されていないプレーの言語化を図り、単語を浸透させていった。

 代表レベルでは、AFCフットサル女子選手権2018でベスト8、AFCU-20フットサル選手権でベスト4と、いずれもインドネシア過去最高の成績を収めた高橋監督。いよいよ21日から、最も重要なフル代表の勝負が始まる。

 その大会に向けて、日本国内でトレーニングキャンプを行った際に、日本遠征の目的、インドネシア代表の現在地などを聞いた。

高橋健介監督インタビュー

 以下、YSCC戦後のインドネシア代表 高橋健介監督のインタビュー

大会に向けて3キロ~4キロ絞った選手も

――選手選考はどのようにやっているんですか?
高橋 リーグを見てやっています。ただ、インドネシアのリーグは12月から4月までの、4カ月しかありません。そのなかで選手を見て、選んでいます。

――選手は厚みもある感じがしますが、選手の特徴はいかがですか?
高橋 カルチャー的に速さがあるので、そこに関しては、自分たちのストロングポイントだと思います。ただ、厚さは体脂肪も多いので、単純に太っていることもあります。そこは改善したいので、今、メスを入れているところです。平均して、多分、3キロ~4キロくらいはみんな落としています。それでも厚みを感じられるというのは、骨格の問題だったりもあるのでしょう。球際は強かったので、もともと持って生まれたタレントもあるのだと思います。

――もともと体格が良い選手も多いんですね。
高橋 ディフェンスに関しては細かく言ってやっていますよ。ステップを含めて、どうやってボールを取りに行くか。それも伝えていますが、もともとのグッと寄せるスピード感、足が伸びてくる感じは、今日のYSCC横浜の選手たちも「オッ」と驚くことがあったと思います。

――海外でプレーした経験と、監督の経験は、また違うのではないですか?
高橋 全然違うのは、そもそも時間がないところです。選手の時は、その日が一部練習だったら、そのあとは自由な時間ですよね。そこで語学など、いろいろな勉強をする時間もあります。でも、今はそっちの時間がありません。それが一番の違いですね。選手とはまた違う魅力、やりがいがあるところです。僕の場合、選手時代は、いかに自分の選手としての力を表現していくかでしたけど、今は逆に彼らの文化、生活習慣を理解したうえで、でもそこにラインを引いていき、規律や基準をつくっていく。そこは選手と監督で違いますね。

――W杯予選も近づいていますが、目標は?
高橋 東南アジア予選を兼ねたAFFフットサル選手権がありますが、本当に厳しいグループに入ったので、そこを突破してAFCフットサル選手権に出場することが当面の目標です。そこで一つずつクリアしていきたいなと思います。ただ、僕が就任した時のインドネシアフットサル界の目標は、アジアのベスト4に入ることなので、そこに向けて今回、いきなりアジアベスト4に入ることは、かなり難しい部分はあると思います。でも、不可能ではないレベルまで来ていると思っているので、なんとかそのパーセンテージを上げていければと思いますし、それが4年後にもつながっていくモノにしたいなと思います。

――女子はアジアでベスト8、U-20もベスト4まで勝ち上がっています。今のところは良い結果を残せていますね。
高橋 そうですね。他の国と比べて自分にはかなり多くの時間を与えました。そこはラッキーだったと思いますが、あとは何よりもタレントがある。ただ、何も知らない。それが実際の現状なので、本当に試行錯誤ですね。今日とかはやってきたことが少しずつ身になってきたかなと思えるシーンがあったので、非常にポジティブだったかなと思いました。

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