見出し画像

アルトゥールの離脱で仁部屋を呼び、清水の離脱で安藤が呼ばれた理由を推測する

 フットサルアジアカップが4月17日に開幕し、フットサル日本代表は初戦のキルギス戦を18日に戦う。大会連覇を目指す木暮ジャパンがどんな戦いを見せるか、非常に楽しみな大会になるが、チーム状態は心配なところだ。

 というのも、チームの大黒柱であるFPオリベイラ・アルトゥールが負傷離脱。トレーニング中のアクシデントで、足の指を骨折してしまったという。これだけでも大打撃なのだが、さらに続くオーストラリアとの国際親善試合ではFP清水和也もハムストリングスを負傷してチームを離れることになってしまった。

※続きの前に、告知を。今回のアジアカップ取材に向けて、クラウドファンディングをカメラマンの勝又寛晃氏とともに行うことにしました。この原稿は、そのオンラインコンテンツ内でも閲覧できるものとなっています。クラウドファンディングは、近日開始予定です。

 代役として招集されたのが、FP仁部屋和弘とFP安藤良平というベテラン2人。U-20日本代表の監督を兼務して、世代交代に大きく踏み切った木暮監督が、ここに来てブルーノ・ガルシア監督時代の途中までは30代後半の2人を呼んだことには正直驚いたし、特に安藤は木暮ジャパンで一度も呼ばれていなかったはずなので、ラージリストに入れていたことも驚きだった。

 フィクソであれば、本来は湘南ベルマーレのFP内村俊太が序列では先に来そうだが、現在、内村は負傷を抱えていることから招集は叶わなかったようだ。

 昨季、安藤がピッチ上で見せていたパフォーマンス的には問題ないとはいえ、木暮監督のもとでフットサル日本代表はかなり特殊な戦術に取り組んでいる。ここまで呼ばれていなかったチームのやり方にすぐ順応できるか、安藤の戦術的な幅が問われることになる。

 今回、木暮監督がベテラン2人に頼ることにしたのは、W杯予選を兼ねた大会だからというのは間違いないだろう。負ければ日本フットサルを大きく停滞させる可能性もある重要な大会に、これまでチームに呼んでいた若手よりも、アジアカップを知っている選手を呼ぶことにした。昨季は良いパフォーマンスを見せていたとはいえ、今はシーズンオフで彼らもゆっくり休んでいたはず。コンディションを一気に上げようとすると負傷の心配も出てきそうだが、そのあたりは百戦錬磨の2人に期待したいところ。

 さて、アルトゥールが負傷した後に呼ばれたのが、フィクソの選手ではなく、仁部屋だったのは、なぜか。おそらくアルトゥールの代わりとなるフィクソにFP吉川智貴を起用しようとしたのだろう。最近の吉川は重要な場面でもゴールを決めてくれるだけに、攻撃面でかなり痛いなと思っていたのだが、そこにピヴォの清水の負傷も加わってしまった。これにより日本代表は火力不足に陥る公算が高い。ゴールに背を向けてボールを受け、一人で反転してシュートまで行ける清水の離脱は、特にグループステージなど、日本が個の力で優位に立てる試合で痛手になる。

 ここで木暮監督はフィクソの安藤を招集。吉川を再びアラで起用することを考えたのではないかと推測している。アルトゥール、清水というチームの大黒柱である2人が欠けたダメージは、とてつもなく大きい。よりによってこの2人が……と思わざるを得ないが、さんざん延期となっているアジアインドアゲームズとは異なり、フットサルアジアカップは、開幕を待ってくれない。

 現在、この原稿は成田空港で書いている。この後、約6時間のフライトを終えたらバンコクに到着する。初戦の練習となる明日の練習からは、現地で取材ができるので、2人が抜けたチームがどんな雰囲気になっているのかなどを確認してきたい。

ここから先は

0字
フットサルの専門誌がなくなった今も、取材活動を続けているライターがいます。3人ともライター以外の側面からもフットサルにかかわっているので、幅広い側面からフットサルの話ができると思っています。

Futsal Media Note

¥1,000 / 月

フットサルメディアを運営している三者による共同webマガジン。 発起人のFutsalXの河合拓、PANNA FUTSALの海野伸明、フット…

FutsalXでは、引き続き、国内各地での取材や日本代表戦の海外取材なども続けていきたいと思っています。今後、事業を継続、さらに拡大していくうえでは、資金が不可欠です。いただいたサポートは、取材経費や新たなコンテンツ作りなどに使用させていただきます。ぜひ、ご支援ください。