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木材価格急上昇中!株以上の値上がり中!

 好調な住宅建設需要を受けて木材価格が3月末と比べ3倍近く値上がりしています。

 背景とされるのが、新型コロナに関連した特需です。外出制限を余儀なくされ、自宅で過ごす時間が長くなったことで、ペンキの塗り替えやキッチンなどの改装をする人が増え、木材需要も押し上げているようです。米国人の間にはコロナ禍で過ごす時間が増え、住宅環境を心地よくしたいとの思いがあるようです。シカゴ近辺のホーム・デポでは庭に植える花の苗が売り切れたそうです。自宅はいざという時に売れる資産でもあるので、コロナ禍で将来が不透明になるなか、改装によって資産価値を引き上げる効果もあるようです。
 レストランやバーによる木材需要も大きいようです。ニューヨーク市などでは依然として店内での飲食を認めておらず、飲食店は屋外でサービスを提供しています。このため、店外スペースに木の柵や花壇を設けテーブルを並べる店も多くなっています。
 こうしたDIY需要から、ホームデポの株価も好調に推移しています。8月18日、住宅用品小売りの米ホーム・デポが発表した5-7月(第2四半期)決算によると、売上高はアナリスト予想の2倍を超える伸びとなった一方、費用の増加で利幅は横ばいでした。既存店売上高は23.4%増と、コンセンサス・メトリックスがまとめた市場予想(11.4%増)を大きく上回りました。売上高は381億ドル(約4兆円)と、こちらも市場予想を超えました。顧客の平均購入額と購入回数の両方が増加しました。同社経営陣らは電話会見で、8月の既存店売上高も第2四半期と同様の水準だと説明しました。ただし、ホーム・デポはパンデミックによる不透明感の強まりを理由に、5月時点で通期予想の発表を見送っていま。今回の決算発表でも、通期見通しは示していません。

 また、全米住宅建設業協会(NAHB)が8月17日発表した8月の住宅市場指数は前月比6ポイント高い78と過去最高値に近くまで上昇しました。4カ月連続の上昇で、1998年12月と並んで過去最高水準となりました。同指数は住宅建設業者や販売業者などからなるNAHB会員を対象に業界の景況感を測っています。50を上回ると業者が新築一戸建て住宅販売市場の状況を「好調」とみていることを示しています。
 内訳は「現在の住宅販売状況」が84で6ポイント上がったほか、「今後6カ月の販売見通し」は3ポイント高い78でした。また「客足」は8ポイント上昇の65で過去最高水準でした。
 住宅市場は新型コロナウイルス禍で春先に大きく落ち込みました。その後は住宅ローン金利の低下や都市部から郊外への移転需要の増加で急ピッチで回復しています。

出所:NAHBホームページから

 低金利やライフスタイルの変化により、様々な不動産関連銘柄が値を上げています。最も恩恵を受けているのは、レナー(LEN)やDRホートンズ(HDI)、ロウズ(LOW)、ホーム・デポ (HD)などの住宅関連やホームセンター、住宅ローン業者です。一方、ショッピングセンターなどを運営するサイモン・プロパティー(SPG)は、買い物客減少から株価は低迷しています。
 住宅建設会社のレナーを紹介します。レナーは1954年創業の米国最大の住宅建設会社です。2017年10月に同業の住宅建設大手CalAtlantic(カルアトランティック)を負債含め93億ドルで買収(買収完了は2018年2月)し米国最大の住宅建設会社となりました。CalAtlanticは米国で4番目に大きな住宅建設会社で2015年に住宅建設会社Ryland Homes(ライランド)とStandard Pacific Homes(スタンダード・パシフィック)が合併して設立されています。レナーは住宅建設会社として初のAmazon提携しEcho搭載型ホームのように、顧客が必要としそうなもの(利便性・効率化やWi-Fiのコネクティビティ)を予め組み込んで提案するのがうまい企業です。

 DRホートンは米国の住宅建築業者です。事業は住宅建築事業と金融サービス部門で構成されています。住宅建築事業は米国25州の73都市で、住宅用土地を取得、開発し、「D.R.ホートン」と「アメリカズ・ビルダー」のブランド名で分譲一戸建て住宅の建築、販売を行っています。金融サービス部門は、同社の住宅購入者を対象に住宅ローン、保険、住宅売買手続き等を提供しています。

 アメリカでは低金利環境やライフスタイルの変化から、住宅市場が注目されています。不動産全てがいいとは言いませんが、住宅市場は熱くなっています。住宅関連銘柄もいいですが、木材市場はそうした株価以上に上がっています。シカゴ・マーカンタイル取引所に上場もしているので流動性も高い木材を投資対象として、木材のCFD取引も面白い投資行動だと思います。
 参考までに、シカゴに上場している木材先物のCFTCポジション・データも添付しておきます。

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