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米国株 まとめ 6月7日:債券利回りの上昇でメガキャップのハイテク株が下落する  *備忘録*

S&P500は、同指数内の大半の銘柄が上昇したにもかかわらず、16.33ドル(0.4%)下落し4,267.52ドルとなった。ダウ平均は91.74ドル(0.3%)高の33,665.02ドル、ナスダック総合は171.52ドル(1.3%)安の13,104.89ドル。米国株式は、マイクロソフトやその他の有名ハイテク株の下落が、ウォール街の他の多くの銘柄の上昇を覆い、まちまちの結果に終わった。

S&P500指数(SPY)は-0.38%、ダウ工業株指数(DIA)は+0.27%、ナスダック100指数(QQQ)は-1.75%下落。
債券利回りの急上昇がメガキャップのテクノロジー株を下支えし、市場全体の重荷となった。 カナダ中銀が予想外の利上げを行ったことで、債券利回りが上昇した。また、中国の5月の輸出が予想以上に減少したことで、世界需要の鈍化が懸念され、株価は下押しされた。
FRBが来週のFOMCでフェドファンドの目標レンジを+25bp引き上げるという市場の予想は、水曜日のBOCの予想外の利上げを受けて、火曜日の23%から31%に上昇した。カナダ中銀は予想外に主要金利を+25bp引き上げ、4.50%から4.75%とし、需要が予想以上に「持続しているようだ」とし、インフレが2%以上に滞る可能性が「懸念が高まった」と述べた。
米4月貿易赤字は、3月の-642億ドルから-746億ドルに拡大し、6ヶ月ぶりの大きな赤字となったが、予想の-758億ドルよりは縮小した。
4月の消費者信用は+230.1億ドルで、予想の+220.0億ドルを上回り、5ヵ月ぶりの高水準となった。
経済協力開発機構(OECD)は、2023年の世界GDPを+2.7%と予測、2022年の+3.3%のペースを下回る。
中国5月輸出は前年比-7.5%、予想の前年比-1.8%より弱く、ここ4ヶ月で最大の減少幅となった。 5月の輸入は前年同月比-4.5%、予想の-8.0%より減少幅が縮小した。
世界の債券利回りは上昇に転じた。 10年T-note債券利回りは、1週間ぶりの高値となる3.799%まで上昇し、+11.6bpの3.776%。 ドイツ10年債利回りは1週間の高値2.456%まで上昇、英国10年ギルト利回りは1週間の高値4.251%まで上昇。
株式の弱気な面では、水曜日にメガキャップのテクノロジー株が債券利回りの上昇で後退した。 また、通期の調整後EPSをコンセンサスを下回ると予想したキャンベル・スープが-8%下落したのを筆頭に、パッケージ食品銘柄が売られた。 さらに、ユナイテッド・ナチュラル・フーズは、第3四半期の調整後EPSがコンセンサスを下回り、通期の調整後EPS予想を下方修正したため、-14%以上下落して引けた。
一方、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、Amazon.com、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、パラマウント・グローバルが、Amazonチャンネルにマックスとパラマウント+の広告付きティアーを追加する契約の可能性をWall Street Journalが報じた後、+8%以上の上昇。 また、景気後退懸念が和らぎ、景気循環株が市場全体をアウトパフォームしたことから、機械・建築製品株は2日続伸した。 さらに、WTI原油価格が+1%以上上昇したことから、エネルギー銘柄が上昇。

海外株式市場は、まちまちの状態で推移した。 ユーロストックス50は-0.08%で引けた。中国の上海総合は+0.08%上昇し、日本の日経平均株価は-1.82%下落して引けた。

主な株価の動き
メガキャップのテクノロジー株は、債券利回りの上昇で下落した。 アマゾン・ドット・コム(AMZN)は-4%以上、アルファベット(GOOGL)とマイクロソフト(MSFT)は-3%以上の下落で取引を終えた。 また、メタ・プラットフォームズ(META)とエヌビディア(NVDA)は-2%以上下落して引けた。
キャンベルスープ(CPB)は通期の調整後EPSを2.95-3.00ドルと予想し、コンセンサスの3.02ドルを下回ったため、-8%以上下げてS&P500の下落率トップ。 また、ゼネラル・ミルズ(GIS)、ケロッグ(K)、クラフト・ハインツ・フーズ(KHC)は-2%以上の下落。
データドッグ(DDOG)は、SECへの提出資料でCEOのポメルが先週金曜日に187万ドルの株式を売却したことが判明し、インサイダー売りの兆候が出たため、-8%以上下落してナスダック100の下落率トップ。
アトラシアン(TEAM)は、SECへの提出書類でファーカーCEOが月曜日に157万ドルの株式を売却したことを示した後、インサイダー売りの兆候で-5%以上減少して取引を終えた。
ユナイテッド・ナチュラル・フーズ(UNFI)は、第3四半期の調整後EPSをコンセンサスの65セントを大きく下回る54セントと発表し、通期の調整後EPS予想をコンセンサスの3.35ドルより弱い3.05-3.90ドルの前回予想から1.80-2.30ドルに引き下げ、-14%以上下落。
カウチベース(BASE)は、第2四半期の営業損失を-1010万ドルから-1090万ドルと予想し、コンセンサスの-979万ドルより拡大し、-28%以上下落。
ケーシーズ・ジェネラル・ストアーズ(CASY)は、第4四半期の売上が33億3000万ドルとコンセンサスの33億8000万ドルを下回ったと発表し、-2%以上下落。
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)は、Amazon.com、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、パラマウント・グローバルが、Amazonチャンネルにマックスとパラマウント+という広告ベースの階層を追加する契約を結ぶ可能性をWall Street Journalが報じたため、+8%以上上昇しS&P500とNasdaq100の上昇率トップ。
景気後退懸念が和らぎ、景気循環株が市場全体をアウトパフォームしたため、機械・建築製品株は2日続伸。 スタンレー・ブラック&デッカー(SWK)は+6%以上、ユナイテッド・レンタルズ(URI)は+4%以上の上昇で取引を終えた。 また、キャタピラー(CAT)は+3%以上上昇し、ダウ平均株価の上昇を牽引した。 さらに、キャリア・グローバル(CARR)、パーカー・ハニフィン(PH)、マスコ(MAS)などが+3%以上の上昇で引けた。
WTI原油価格が+1%以上上昇したことで、エネルギー株やエネルギーサービスプロバイダーが上昇した。マラソン・オイル(MRO)、フィリップス66(PSX)、マラソン・ペトロリアム(MPC)、ハリバートン(HAL)などが+4%以上の上昇で引けた。 また、バレロ・エナジーやヘスも+3%以上上昇して引けた。さらに、デボンエナジー(DVN)、エクソンモービル(XOM)、コノコフィリップス(COP)、ダイヤモンドバックエナジー(FANG)などが+2%以上上昇。
ブラウン・フォーマン(BF/B)は、第2四半期EPSが43セントとコンセンサスの42セントを上回り、+3%以上の上昇。
テスラ (TSLA) は、米財務省が、バッテリー調達に関する新しい基準の下、自動車メーカーのモデル3セダンが7,500ドルの税額控除を受ける資格を得たと発表し、+1%以上の上昇で引けた。

その他市場
9月限10年T-Note債券先物は-18ティック下落し、10年T-Note債券利回りは+11.6bp上昇し3.776%。 1週間ぶりの安値に下落し、10年T-Note債券利回りは3.799%と1週間半ぶりの高値に上昇した。 タカ派的なECB発言を受け、10年物ドイツ国債が1週間ぶりの安値まで下落したことによるキャリーオーバーの弱さがT-Noteの相場の重荷となった。 また、10年物のブレークイーブン・インフレ率が水曜日に1週間ぶりの高水準となる2.241%に上昇したことから、インフレ期待の高まりが米国債にとって弱材料となった。カナダ中銀が予想外の利上げを行ったことで、米国債の損失は加速した。

連邦準備制度理事会(FRB)の金利緩和への期待や人工知能への期待から、限られた高成長銘柄がリードしていた今年の大半の動きから一転した。しかし、米国債金利が上昇したこともハイテク株は影響を受けた。しかし、ウォール街での上昇がある程度拡大したため、他の銘柄の多くは上昇した。小型株で構成されるラッセル2000は1.8%上昇し、先週の雇用統計が予想を上回ったことから景気後退が懸念されていたよりも遠のく可能性を示唆し、連騰を続けている。
ウォール街の注目は来週に集中している。米国政府は、消費者レベルおよび卸売レベルのインフレに関する最新の月次更新を発表する予定である。また、連邦準備制度理事会は木曜日に金利に関する最新の動きを発表する予定である。トレーダーの間では、FRBが来週、金利を据え置くという予想が支配的である。そうなれば、1年以上ぶりに利上げを行わない会合となる。しかし、トレーダーは依然としてFRBが7月に利上げを再開すると予想している。

FRB一時停止への期待でドルは小幅に下落
ドルインデックスは、-0.03%下落。 ドルは、FRBが来週のFOMCで利上げキャンペーンを一時停止するとの予想から、圧力を受けている。 市場は、FRBが来週フェドファンドの目標レンジを+25bp引き上げる可能性は29%に過ぎないと予想している。 10年米国債利回りが3.799%と1-1/2週間ぶりの高水準に上昇した後、ドルは最悪の水準から回復した。FRBへの期待でより動く2年物利回りは、4.50%から4.55%に上昇した。
米国の経済ニュースは、ドルにとってまちまちであった。 弱気な面では、米国の4月の貿易赤字は、3月の-642億ドルから-746億ドルに拡大し、6ヶ月で最大の赤字となったが、予想の-758億ドルよりは小さかった。 逆に、4月の消費者信用は+230.1億ドルと予想の+220.0億ドルを上回り、5ヶ月ぶりの大幅な増加となった
EUR/USDは、+0.10%の上昇。 中央銀行のダイバージェンスは、ECBが利上げを行う一方で、FRBが来週利上げを一時停止する見通しで、ユーロにとって強気である。 また、ECB理事会のシュナーベル委員とECB運営評議会のノット委員が、ECBの追加利上げを支持すると発言し、タカ派のコメントがユーロ/米ドルをサポートした。
ユーロ圏の経済ニュースは、ユーロにとって弱気なものだった。 ドイツの4月鉱工業生産は前月比+0.3%増と、予想の+0.6%増より弱かった。 また、イタリアの4月小売売上高は前月比+0.2%増と、予想の+0.3%増より弱かった。
タカ派的なECBのコメントは、EUR/USDにとって強気なものだった。 ECBのシュナーベル理事は、コアインフレが頑強であることが証明されたため、ECBは利上げについて「もっとカバーすべき分野がある」と述べた。 また、ECB運営理事会のノット委員は、「ECBの現在の引き締めが十分であるとはまだ確信していない」と述べ、インフレが長引けば、借入コストのさらなる引き上げを促す可能性があると述べた。
米ドル/円は、+0.36%上昇。初期の上昇をあきらめ、米金利の上昇で下降に転じた。 PMIデータによると、日本は5月に製造業が拡大領域に入った唯一のG7国であったため、日本経済の強さの兆候から水曜日は当初、円高に動いた。 また、日経平均株価が-1.8%下落した後、日本株の低迷が安全資産としての円需要を押し上げた。
日本4月景気先行指数CIは+0.7上昇し、予想の98.2より弱いものの、5ヶ月ぶりの高水準となる97.6となった。
8月限金先物は-23.10(-1.17%)、7月限銀先物は-0.141(-0.60%)。また、水曜日にカナダ銀行が予想外の利上げを行ったことは、貴金属にとって弱気となった。

週刊EIA原油在庫の予想外の減少を受け、原油は上昇
7月限WTI原油先物は+0.79(+1.10%)、7月限RBOBガソリン先物は+7.69(+3.00%)上昇。中国の原油需要が強まる兆しがあり、米国の製油所稼働数が3年4ヶ月ぶりの高水準に跳ね上がったことも、価格を押し上げた。 また、週間EIA原油在庫が予想外に減少したことも、原油価格にとって強気材料となった。中国の5月の原油輸入量が4月から17%増の1,216万B/Dに増加したことで、中国の原油需要が先月から改善した。また、本日発表されたEIAの週報によると、米国の製油所の稼働率が6月2日週に95.8%と3年4ヶ月ぶりの高水準になった。これは、製油所が夏のドライブシーズンに向けてガソリン生産を増強しているためで、通常ガソリン消費が好調となる時期である。

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