人工知能時代にもっとも大切な1つの感情

前回:本当の守破離のプロセス

2. 仕事

2-10. 人工知能時代にもっとも大切な1つの感情

君が大きくなったとき、人工知能はどのくらい進歩しているんだろう。人間の競争相手になっているんだろうか。それとも、人工知能からすれば人間は競争相手にすらならなくなっているのだろうか。

現時点では、人間はチェスや将棋、囲碁などで人工知能に負けている。そして絵画や文学などの領域で人工知能は創造活動に取り組み始めている。

人工知能は圧倒的な情報処理力を持っている。人間はとても敵わない(とは言え、人工知能はエネルギー効率じゃ人間にとても敵わないし、いわゆるフレーム問題もある)。けれど、君が大きくなったころの人工知能でもほぼ間違いないなくあるだろう欠点がある。言い換えれば、君にはどんなに優れた人工知能にも誇れる武器がある。

それは、「好き」という気持ちだ。君はきっと大きくなる過程でいくつかのことに強く惹かれるだろう。そしてそのことを考えたり、それと関わることをするのが好きになるはずだ。

この、君の内からくる純粋な好きという気持ちは君の宝物だ。この好きという気持ちに動かされた創造活動は素晴らしい輝きを放つ。人々を感動させる力を持っている。

人工知能にはこの「好き」という感情がない。だから、好きから生まれる、「〇〇したい!」という気持ちがない。どんなに情報処理が得意でも、人工知能は自分からなにかをしたいとは思わない。人工知能の裏には必ず目的を与える人間がいる。

人工知能の創造は、人間を驚かせることまではできるだろうけど、人間に喜びとしての感動をもたらすことは難しいんじゃないだろうか。

だから世の中が人工知能で騒いでいても君は一切気にする必要はないよ。君はただ、君が心から好きなことを見つけ、そこでなにかを創造し続ければいい。

好きから生まれる創造を続けてさえいれば、人工知能なんてちっとも怖くないさ。

人工知能も「好き」という感情を持つ日はいつか来るのかもしれないけど、そうなったら人間と人工知能とどう共生するかを話し合えばいい。


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