『来る』

〈日本版『オーメン』か!?〉

 田原秀樹は結婚し妻の香奈が娘の知紗を身ごもってから不可解な事が続き、親友の津田を通じて不思議な現象に詳しいフリーライター・野崎に相談する。野崎が霊媒師キャパ嬢・比嘉真琴に霊視をしてもらうが…。

『残穢 -住んではいけない部屋-』が好きでホラーかな?と思い見に行ったが、後半のド派手な《ご祈祷》?シーンは非常に興味津々で面白かった。しかし、前半の新婚夫婦の心の“すき間”に“何もの”かが入り込み徐々に人格が破たんする過程を延々と見せられて少々辟易した。
 いわゆる、この手の映画特有の【人間が一番怖い】がメインテーマで、人間の心の“すき間”にスルスルと入り込み、“すき間にあるゆがみ”を露呈する過程は確かに怖い。しかし、ホラーでありながら【人間が一番怖い】が前面に押し出している為、純粋なホラーになっていないのが欠点か。

 原作は澤村伊智の『ぼぎわんが、来る』だが、後半が原作とまったく違うそうで、田原の娘が語る「お山」謎とか、行方不明の少女の名前とか、真琴の姉・琴子ははたして無事なのか?とか、映画では最後まで【謎】で消化不良もいいところ。

 なんだか、アメリカ映画の『オーメン』を思い出した(^_^;)。

 うすっぺらな男を演じさせたら天下一品の妻夫木聡が人間の裏表を表現する演技力が見事、嫁役の黒木華はやっぱり上手い!霊媒師キャパ嬢・小松菜奈は新境地、姉の最強霊媒師・琴子の松たか子はかっこいい。フリーライター・野崎の岡田准一はうらぶれた感じがよかった。出演者好演が魅力の一つです。

 続編ありきの映画のような気がするのですが…、続編作ってすべての【謎】を解いてほしいものです。

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