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囀る鳥は羽ばたかない 第48話 お仕事関係

【2022年04月10日】

私はこれまで
いわゆるヤクザパートを
浅く読み流していたふしがあります。
囀る脳内9割以上矢代と百目鬼で埋め尽くされてますからね!

特に7巻・36話からのヤクザパートは
言っちゃアレだがよその揉め事、
矢代は今のところヤクザではないし、
百目鬼は預かりの身。厳密には「桜一家の人間」でもない。
知らない組やら人やら次々出てくる。
よくわかんないしよくわかんなくてもいいかなと思ってたんですよね。

ところがこの神回48話で
この「4年後のヤクザパート」を
きちんと整理して頭に入れなければならなくなった。
「ヤクザパート」っていう表現も賛否ありますが
お仕事パートというか、
その辺を自分のために整理してまとめたい。

※毎度のお約束:
 以下がっつりネタバレ含みます。
 登場人物の心情とかストーリー解釈とかは
 あくまで個人の見解です。

******

まず、7巻、36話からの仕事パートの諸々を拾い集めてみる。

〇真誠会が解散になった後、矢代は組を持たず闇カジノのオーナーに。
 店は半年に一度場所を変える。
 ヤクザではないが堅気になったわけでもなくグレーな感じ。
 七原と杉本も側にいる。

三角は時折矢代の店に顔を出す。
 矢代に極道の世界に戻って来いと迫る。「俺の頼みをきけ」
 矢代を手離すつもりは全くなさそう。

〇昔松原組にいた城戸という男が矢代の店に出入りして、
 借金を焦げ付かせている。

〇矢代が身を切る思いで手離した百目鬼は
 堅気に戻らず、矢代と同じ世界にいることを選んだ。
 が、三角には相手にされず、天羽の紹介で綱川に預けられた。

〇百目鬼を預かる綱川の桜一家は三和会傘下、金筋のヤクザ
 父親の組長が綱川に後を継がせず奥山に組を任せようとしたが
 綱川が説得、そのため奥山は一派を率いて離脱。

〇奥山一派の離脱により弱体化した桜一家を強くするため、
 綱川はかなり無理をした。

〇それにより同業から恨みを買い、娘が誘拐される。
 百目鬼の働きで救出、綱川は誘拐した組をつぶした。

〇桜一家は闇カジノを経営している山川という男の借金の回収中、
 山川を助手席に乗せていた城戸に組員のシンジを轢き逃げされる。
 ふたりの捜索に百目鬼と神谷が動く。

〇新聞記事で城戸と山川のひき逃げ事件を知った矢代は
 井波からも情報を入れ、さらに竜崎からも情報を得る。

〇捜索中に山川が解放されて戻ってきた。
 城戸とその仲間に根こそぎ取られたとのこと。

〇なんやかんやで城戸の弟を拉致(矢代と百目鬼再会)、
 城戸には「やばいバック」がいるとのこと。

〇弟をエサに城戸を拉致するも、
 城戸は山川とそのバックにただ利用されただけと判明。
 城戸と山川のバックは同じ。
 「共生会」の残党で、今は渋谷の半グレ集団「竜頭」と
 極星会の傘下、元桜一家の奥山率いる奥山組竜頭は奥山組の下組織
 共生会とは、仁姫を誘拐して桜一家につぶされた組。
 どちらも桜一家に並々ならぬ恨みを抱えている。

〇竜頭は1ヶ月前に新宿で道心会直系の組とトラブルを起こしている。
 矢代は三角から「奥山組と竜頭を探る」という「おつかい」を頼まれていた。
 矢代がこの件から手を引かなかったのは
 金のためだけではなかった。やっぱりね。

******

書き出すって大事ね!ようやく頭に入ってきたよ!
少しずつだけどね!

以上のことを時系列に並べ直しつつ整理。


まず、竜頭が新宿で道心会の組とトラブルを起こした。

トラブルとは。
三角が乗り出すということは相当なこと。
新宿と言ったら…4年前、真誠会と松原組のシマだった地域。
解体後、シマは他の組に分配したと矢代が影山に話していた。
今現在も道心会のシマだけど、新宿だしね。
おそらくそういった団体の皆さんにとって
どこよりもおいしいシマなんじゃなかろうか。

竜頭のバックには奥山組がいる、ということは、
道心会のシマに仕掛けてきたのは奥山組ということ。
おそらく新宿を自分のシマにと目論んでいる。
城戸についていたのは元松原組ということも関係している?
情報を得るためだけのコマだった?
桜一家に捕まったと聞いてももう用無しと切り捨ててたし。

そのへんを、組に属していない身軽な矢代に探りを入れさせていた。
店に来て「俺の頼みをきけ」と三角が言っていたのは
単純に組を持て、ということと思っていたけどこのことだったのかな?

その一方で
奥山組と竜頭は桜一家ともトラブった。
城戸と山川が桜一家の組員を轢いて逃げたこと。
これは想定外の事故。でも火はついた。
組長である奥山はこの件を知らないようだけど、
組と竜頭は桜一家に恨みがある。
ついてしまった火、燃え上がらせようとしているかもしれない。
そもそも数年前に奥山組と竜頭(共生会)は
桜一家の組長の娘を誘拐して組をつぶそうとしていたからね。

つまり奥山組―極星会は、
桜一家―三和会と道心会のふたつに同時に抗争をふっかけている。
桜一家に関しては奥山組の組長すらまだ知らないことだけど
近いうちに知ることとなるだろう、そのとき奥山はとめるかな?

道心会のシマに関しては
奥山組の単独行動か、極星会まるごと関わっているのか、
まだはっきりしてないけど。

いずれにしても
かなりのおおごと、しかも道心会以外は武闘派でならしている団体。
や、道心会もそれなりになかなかだけど。
綱川はすでに怒り心頭、極星会と道心会の抗争だとしても
仁姫のこともあるし、首突っ込んでなんならイニシアチブ取って
一気に相手をつぶしたいだろう。
どんどんおおごとになるな。

さて
ここで、三角の店での言葉

「戻って来い矢代
 お前が必要だ
 俺の頼みをきけ」


4年前から三角は矢代を半身として側に置きたい。
いずれは道心会の若頭に据えたい。
そのためにはまず組を持たせ、だれにも文句を言わせない実績を作らせたい。
そういう意味での
「そろそろ極道の世界に戻って来い。お前が若頭として必要だ」
と言ってるんだと思ってた。

それはまあまあその通りだと思う。
でもここまでの出来事を並べ、深読みするに
この「俺の頼みをきけ」は今回の頼みごとにつながると考えたほうがしっくりくる。

矢代の軽い挑発で別室に移ったのは、
三角との大事な打ち合わせの合図。
まずはふたりきりに。大事な打ち合わせと悟らせない感じで。
三角と矢代のアイコンタクト、さすがに年季入ってる!
「俺の頼みをきけ」から場面が変わり、
三角が帰って七原が部屋に入ってきたけど
七原は矢代を見て、シャツの前はだけてるし顔も腫れてるし
ふたりがやることやった後だと思っていた。
てことはそれなりの時間が経過していたということで
その時に矢代が言うところの「おつかい」―頼みごとの話をしていたということになる。

とはいえその前の
「戻って来い矢代 お前が必要だ」は
やっぱり組関係のことだと思う。今の段階ではだけど。
三角はすぐにでも矢代に組を持たせて新宿を――
真誠会と松原組のシマを任せようとしているのでは。
元はと言えば三角が仕切っていた大事なシマ。
その後組を平田に任せたけれど、実質一目置いてかわいがっていたのは矢代。
矢代の手腕と能力は三角がよく知っている。
しかも今現在、その大事なシマがよそから目をつけらトラブっている。
今こういう状況だ、だからお前が必要なんだ。そのために組を持て。

機転が利き、極秘の仕事も任せられる。気心も知れている。
そりゃ片腕として側に置きたいよね。

しかし抗争が勃発しそうな状況で、
いきなり組を持たされて仕切らされても。

今すぐ矢代が組を持ち、新宿を締めるという手は
博打的な手段だけど、ありかもしれない。
でもそれは矢代に極星会の矛先が一気に向かう危険が。

矢代が…道心会が動向を調査していることは
城戸から相手側に伝わっているかもしれない。
矢代の身も、もうすでにかなり危険かもしれない。
三角は何らかの手を打っているかもしれないけど。鯨と鮫とか。
「かもしれない」祭り。

というわけで
ここまで深読みしたうえで
ざっくりまとめると

極星会の傘下、奥山組とそこがケツ持ちしている竜頭が
道心会のシマである新宿を狙っている。
その動向を三角が矢代に探らせている。
百目鬼が身を寄せている桜一家はこの件に関わりはないが
そもそも奥山組とは因縁がある。
竜頭は仁姫を誘拐した共生会の残党。こちらも許し難い。
組員を轢き逃げした山下と城戸のバックにその奥山組・竜頭がいる。
因縁も含めて桜一家のほうが前のめりになっている。
桜一家的には身内の怨恨、道心会には手を引いてほしいと思っていた。
でも実際に奥山組・竜頭と大きな抗争を控えているのは道心会の方だった。
だから矢代も手を引けない。桜一家も手を組むしかない。
矢代には監視と護衛として神谷をつけることにしたが、
矢代が百目鬼を選んだ。 ←いまここ

その裏で、
そのシマ関連もあってそろそろ三角は本格的に矢代に組を持たせたい。
矢代はここまでその押しをのらくらかわしていたが追いつめられている。

……て感じかな?どうかな??
なんか勘違いしてるところあるかな?見落とししてないかな?
なんせここまでスルーしていた案件なので自信がない!!


組同士の抗争が本格的に始まれば
血で血を洗う戦いになる。
はじめは桜一家の問題と思っていたから
百目鬼は矢代に手を引いてもらいたかった。
矢代を危ない目に遭わせたくない。
でも矢代が無関係ではないと知った。
……うーん、だったら余計に
百目鬼は矢代の側にいることを選びそうだけどなあ。
守るつもりが守られていた過去。
今度こそ俺が守る、ってならないのかな。それともほかに思惑が?

そして抗争になるなら、桜一家としては
重戦車の百目鬼は一大戦力。
盃を交わし、組のものにしたい。

綱川は今の百目鬼をどう見ているだろう。

居場所がなくなったとのことで天羽から預けられている。
仕事はしっかりこなすけど決して組に馴染まない。
口数も少ないし表情も乏しすぎて何を考えているか全くわからない。

矢代の百目鬼評を聞いて、
矢代は百目鬼をとても大事にしていたし
百目鬼は矢代をとても慕っていたことを知る。
(天羽に矢代を「部下思いの良い男」と伝えている)
矢代に逢ってから百目鬼の様子がおかしいことを神谷から聞いているとしたら。
失くした居場所は真誠会というより矢代の側だった?
今も矢代の側に戻りたいと思っている?
そう願っているとしたら、綱川は百目鬼を手離す?
大きな抗争を控えているこの時に?貴重な重戦車を?
ふたりの話なら拒絶するかもしれない、でも
三角が矢代に組を持たせることにして、
そこに百目鬼を道心会側の戦力として必要だと言われたら?
三角に恩を売るため百目鬼を手離すか、抱え込んで離さないか。


今まで流していたツケでこのへんまだ読み込みが足りないかも。
でもとりあえずがんばった。

隠しきれない本音:
どろどろしてるなあ、長引きそうかなあ。うーむ。

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