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母からのおくりもの

引越しの荷物を整理していたら、いつかの誕生日に母からもらった手紙が出てきた。読み上げたあと、思わず泣いてしまった。

私は、妹だからなのか、体が弱かったからなのか、小さい頃から大切に過保護に育てていただいて、大人になってからはそのお陰での苦労も多々あったのだけれど、ありがたかったなぁ、、という気持ちの方が勝っている。

つらかったとき、いつでも側にいてくれて。朝まで話を聞いてくれることもあれば、何も言わず、同じ空間でそっと、あたたかい眼差しを向けて、ほほえんでくれたことも。ベットにたどり着けないほどの疲れでソファで寝落ちした背中に、ブランケットをかけてくれたこともあった。

こんなことを言ったら恥ずかしいかもしれないけど、私にとって、本当に、世界で一番大切で、大好きで、かけがえのない存在だ。

道が見えなくなって希望が持てなかったとき、その光がなかったら、いまの私はないかもしれない。心配ばっかりかけたこと、申し訳なさでいっぱいだし、謝りたいこと、お礼を言いたいこと、うれしくて楽しかったこと、小さなことで笑いあったこと、お腹いっぱい食べたこと、沢山、沢山、沢山ある。

ちょうど二十歳を迎えた頃。毎年、誕生日にアクセサリーと手紙をプレゼントしてくれるようになった。高いし、無理しなくていいよ、って伝えたら、自分は女性らしいタイプではなかったから、娘にはキレイなものを渡したいんだ、私が贈りたいだけなんだよって。歳を重ねるたびに、きらめく宝物が、ひとつ、ふたつと増えていった。

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実はいま、母は、少し体調を崩していて。どうにかしてあげたいけれど、年齢的に、急激な回復は難しい。沢山の休む時間が必要で。

私もあまりにも苦労をかけすぎてしまったし、私に対して以外も、まわりのひとを支えたり、励ましたり、を大切にするような生き方だったから、最近起こったハプニングに伴って、長年の疲れも出たのだろうな。。

いまでは、以前と立場が逆転していて、実家に帰ったときは、私が話を聞く方。元気にしてた?頑張っててえらいね、って。いままで優しさを有り余るくらいにいただいた分、私にできることは、いくらでも、全力で注ぎたい。

冒頭にかいた手紙には、生まれてきてくれてありがとう、一緒に暮らしてくれてありがとう、大好きだよって書いてあった。昔は、照れくさい内容の手紙をくれるなぁって思ってたけど、いまは、うっかり泣いてしまう。

家族の温もりを教えてくれた親には感謝しかないし、もっと逞しくなって、安心して頼ってもらえるような娘になりたい。がんばる。



お読みいただきありがとうございました。おだやかな1日になりますように。