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アイウォントステイヒア

3時半に起きて
港まで1時間ほど車で走って、船に乗り込む。
きょうは船で徳之島出張。

二等の雑魚寝大部屋の隅っこに、自分の場所を確保し、
横になった途端に寝落ちした。

ネパールの夢をみた。
ネパールは、水の中の国だった。
水面は頭の上くらいの高さ。

水の中だが、なぜか普通に呼吸しているし、
他人と話すこともできる。
少しだけ自分の身体の周りに透明なゼリー状の膜があるのだ。
ただし、電気製品は普通に故障する。

バスで隣に座っていた人が
片手を上げて持っていたのは携帯電話だった。
携帯電話だけは頭の上にある水面の上だ。
「壊れないように」と言っていた。

私はしまった!と思った。
わたしの唯一の通信手段であるiPadは鞄の中。
もう、とっくに水でやられているだろう。
防水なんて考えてもみなかった。
仕方がない。

今回の旅の目的は
表現アートセラピーの最後のインターン研修。
今回はネパールで開催されるようだ。

「何年か越しに、今が受けるタイミングだと決心したんだ」
と、隣の人に話していた。
隣の人も日本からの旅人だった。
たまたまネパールのバスで居合わせたのだ。

「今夜はどこに泊まるの?」
と聞かれ、今夜のお宿もとっていないし、
明日からの研修会場の地図も持ってきていないことに気がついた。
どうしよう。

隣の人が、皿に入れたタルカリを差し出してきた。
カリフラワーをつまんで口に入れると、
うまい。
ネパールのご飯はうまい。
もう成り行きに任せようと思った。

ネパールはこんなにご飯が美味しいんだし
大好きな国だから
おもしろいことが起こるに違いない。

英語を思い出さなくちゃ。
カタコトでも、英語脳にするために。
「アイウォントステイヒア〜」
そう、つぶやいてみたところで
目が覚めた。

目が覚めたら、
徳之島へ向かう船の雑魚寝大部屋だった。

ネパールにいきてえな。

そして、
そろそろ表現アートセラピーの最後のコースを
受けたい時が来たのかな。
そうかもしれないな。

夢というものは
こうして時々自分のことを教えてくれる。
自分の内側の世界は思いがけないことがあって
おもしろい。

いつでもどこでも
アイウォントステイヒア。

さあ、きょうもよき旅のいちにちを。

ふやよみ
あおきさとみ

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