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【山歩き記録 第88歩】瑞牆山(2023年11月3日)【快晴の下あじわう往復登山の醍醐味】

最高の山歩きの余韻が消えないふうゆです。

前日(2日)とこの日(3日)がこの秋いちばんの快晴ということで、絶景が見れそうなところ、そして、できれば紅葉も楽しめそうなところ、と考え、瑞牆山に行ってきました。

これまで瑞牆山を調べたときは、コースタイムが5時間に対して、行きのバスから帰りの最終バスまで6時間20分しかなく、バスが遅れる心配や休憩時間などを考えると不安でためらっていました。しかし調べを進めると、紅葉シーズンは臨時バスがむしろ早く着くこともある、4時間台で往復している人もそこそこいる、そして最近自分の脚にも自信がついてきたということで、今回行くことに決めました。

そして当日、臨時バスが早く着くのは期待通り、登山口の紅葉も期待通り、そして山頂からの景色は期待以上。登山道は岩をよじ登ったりハシゴを登ったりいろいろありますが、左右へ滑落する心配がないので登ることに集中でき、とても楽しい。同じ道の下りでは、「登りでここを通ったから下りはこうしよう」と考えたり、「こんな大変なところよく登ったなぁ」と感慨にふけったりと、やはり楽しい。ふだんは登りと下りで違う道を使うことが多いですが、今回は往復登山の醍醐味を存分に味わいました。

コース概要

地理院地図に書き込み

みずがき山荘バス停からスタート。明るい森を登ります。途中、瑞牆山を正面に見上げるベンチがあります。水場への分岐からひと登りで富士見平小屋に到着。少し雰囲気が変わり、薄暗い森を進みます。沢に向かって一気に標高を下げ、沢を渡ります(水はありません)。桃太郎岩の横から再び登りが始まります。岩をよじ登るような急登もありますが、永遠に登りではなく、登り→平ら→登り→平らを細かく繰り返す感じなので、息を整える余裕があり、意外となんとかなります。最後に分岐から回り込むように進むと山頂です。ネットで山頂の写真を見ると傾いた岩盤で怖そうですが、傾いている側には登ってきた道があるので、実際に行ってみると怖くないです。下りは来た道を戻ります。

記録

甲府で臨時のあずさから各停に乗り換え、韮崎駅8時30分着。あずさ1号が8時36分韮崎着なので、それより先にバス停に並べます。バス停ではバス会社の方が待機しており、慣れた様子で列整理と人数カウントをしています。臨時のマイクロバスが配置され、順に座れる人数が案内されました。さらに、マイクロバスは瑞牆山荘に直行するので、時刻表より20分以上早い、9時45分ごろ到着しました。

トイレやらなんらや準備して、10時過ぎにスタート。木漏れ日もあって暖かく、甲府駅の乗り換え待ちが寒くて着ていたフリースは、スタート前に脱ぎました。まずは富士見平小屋を目指します。手元の『山と高原地図』(2019)に「滑りやすい急坂」とありますが、特段「滑りやすい」も「急」も感じませんでした。先日の高川山の方がよっぽど滑りやすい急坂です…。

開始すぐ、明るく広い道
ときどき混じる赤い葉が美しい
尾根っぽいところに出ると、正面に瑞牆山がドーン
「世の中には2種類の山小屋がある。水が貴重な山小屋と、無限に水が湧く山小屋だ」(ふうゆ)…富士見平小屋から数分下ったところにある富士見平湧水は、平成の名水百選にも選ばれたそうです

富士見平小屋の周辺はとても広く、色とりどりのテントが並んでいました。座れるところも多いのでここで一休み。

富士見平小屋前のテン場
案内板。こう見ると金峰山って遠いですよね

小屋横から伸びる道に入ると、それまでの紅葉の明るい道から、濃い緑の薄暗い道に雰囲気が変わりました。しばらくやや平坦な道ののち、天鳥川の源流部まで急坂を下ります。

富士見平小屋から桃太郎岩への道。奥に瑞牆山がチラ見
天鳥川へのガレた坂(帰り=登り時に撮影)

下った先にはベンチと巨大な桃太郎岩があります。

大きさも形状も割れ方も見事すぎる桃太郎岩

桃太郎岩横の手すりがツルツルの階段から、瑞牆山の一番楽しい登りが始まります。下調べでポールはしまいましょうと推奨されていたので、ザックの脇差に装着。最初はそんなでもないですが、後半になるほど大きい段差が出てくるので、そういったところはポールよりも手を使った方が楽です。

山頂以外森の中なので道中暑いことはないだろうと思っていましたが、なんだかんだ標高が上がるほど木と木のすき間が増えてきて、南からの太陽が突き刺してくる。結局シャツも脱いで、下着+ベースレイヤーだけになりました。

この日は祝日。人が多い日に来ることのメリットは、前を行く人々の足の置き場を参考にして歩けることです。横に逸れることのできる場所が多く、すれ違い、追い越しもさほどストレスになりません。中級者向けと紹介されることも多いからか、極端に遅い登山者もおらず、人が多くても快適に楽しめました。そんな中、個人的に特に多いと感じたのが、20代~40代ぐらいの若い女性少数のグループと、10人越えの男子中高生のグループ。他にも下は小1ぐらいの親子連れなどもいて、年齢性別の多様さに感心しました。

序盤の坂
こういった少し広い空間が随所にあるので、好きなタイミングで休憩しやすいです
中盤過ぎ、突如目の前に現れる大ヤスリ岩。しかし山頂はこの岩よりも高い位置にあります
クサリ場のひとつ。正面からクサリが伸びていますが、右に登りやすい足場があるので、右から回りこんで高い位置でクサリをつかむ。こういった手や頭を使うところは多いですが、滑落するおそれのない道のつくりなので、上り下りに集中できるのがとてもよいです
山頂近くの分岐。冷たい風を感じるようになったので、シャツを着なおしました。この先小さいハシゴが2つありますが、しっかり固定されているので安心

12時30分、山頂。山頂は北から回り込む東西に広い岩で、北以外広くひらけています。眼下の色づいた山々とその奥に浮かび上がる富士山や八ヶ岳などの秀峰たちの組み合わせが最高です。岩の形状から、ひらけている側は高度感がありますが、足場のある方に傾いているのでそれほど怖くないのも良いところです。

人いっぱいの瑞牆山山頂
小川山方面
金峰山&富士山方面。金峰山の象徴、五丈石もくっきり
南アルプス方面
八ヶ岳方面。よく見るとつい先日登った飯盛山の姿も
(このあと鹿肉食べるのに…)この日のパートナーはトナカイでした

景色を堪能したら、来た道を下山します。一度踏んだ道ですし、先述の通り左右へ落ちる心配がないので、スイスイ進みます。最近体力ついてきたかなと思うところもありますが、桃太郎岩からの登り返しではさすがに疲労を感じました。

時間に余裕をもって富士見平小屋に戻れたので、あらかじめ目をつけていた鹿肉ソーセージをいただきます。富士見平小屋にはこれ以外にも、食べ物ではカレー、ピザ、かき氷、カップヌードル、飲み物ではビール、ワイン、サイダー、コーヒーなど、いろんな好みや気分に応えるメニューがそろっていました。

富士見平小屋のメニュー
鹿肉ソーセージ3種。野菜も添えられているのが嬉しい。まんなかの黒いのはピリ辛です
富士見平という名前のわりに見えそうにないな…と思っていたら、ピンポイントでありました
富士山ビュースポットからチラ見する富士山

富士見平小屋からの下りは西側斜面になるので、西日が差して最後まで明るかったです。

行きでも見た瑞牆山。日の角度が違うと微妙に雰囲気も違いますね
明るい下山路

15時40分、瑞牆山荘前に帰還。16時30分のバスまで時間があるので、瑞牆山荘でアイスを食べることにしました。バニラがたっぷり入っていてとても美味しい。それに2玉入って450円って、サーティー○ンより安いのでは?!最後まで大満足の山歩きでした。

瑞牆山荘のバニラアイス

各種情報

コースタイム:5時間

標高:1510m(瑞牆山荘周辺)~2230m(瑞牆山)

主な展望スポット:瑞牆山山頂

トイレ:瑞牆山荘横、富士見平小屋横。いずれも使用料100円

危険個所:なし。岩やハシゴをつかむので、手袋があると安心。

アクセス:韮崎駅からバス。帰りの16時30分の便は土日祝日のみ運行のため注意。ハイシーズンには増便あり。支払いは現金かQRですが、瑞牆山荘前は一部キャリアの電波が弱いらしい。

周辺情報:富士見平小屋のHPはこちら。「売店メニュー」はこんなもんじゃないので、記録の方に上げた写真もご覧ください。

バスの途中に増富の湯がありますが、「当面の間」休館とのこと。

代わりにバスではクララ館の日帰り温泉が案内されています。


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