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プロセスを大切にした「命名書」の作り方ーー依頼から完成までの流れと思考

こんにちは!
fuyu_na(@fumm_ii)です。

先日、初めて「命名書」の制作を経験したので、ご依頼から完成までの流れや思考についてご紹介します。

命名書とは?

命名書は、生まれた赤ちゃんの「名前をお披露目するための用紙」です。

色紙や半紙に毛筆で名前を書いたものというイメージがありますが、最近はおしゃれなデザインのものを頻繁に見るようになりました。

おしゃれな見た目から「ベビーポスター」とも呼ばれているようです。

▼Twitterに投稿した命名書

※両親の名前はすべて偽名です。

ご依頼内容

今回のご依頼は、最近子どもが産まれた友人からでした。

「子どもの名前が決まったから命名書を作ってもらいたい」ということで、喜んで引き受けました。

希望のデザインは「おしゃれなデザイン」「漢字を使いたい」とのことでしたが、基本的には何も決まっていないようでした。

*以下、依頼者の友人をクライアントと表記

制作に必要な情報収集(ヒアリング)

そこで、まずは情報収集から開始しました。

クライアントの中に完成イメージがない場合、「何を書きますか?」と聞いても「わからない…」となってしまうので、こちらから具体的に聞いていきます。

** 【質問したこと】**
・赤ちゃんの名前と由来
・両親のフルネーム
・出生情報(出生日時・体重・身長)
・どんな子に育ってほしいか
・好みのイメージやデザイン
・命名書をどうやって使いたいか

ヒアリングの際は、急に質問し過ぎると産後の身体・精神に負担をかけてしまうため、考えなくてもわかる簡単なことから少しずつ聞いていきました。

サンプルを提示しトンマナを決める

続いて、サンプル画像を提示し、好みのデザインを3つ、順位をつけて選定してもらいました。

【実際の流れ】
1)pinterestで命名書の画像をピックアップ
2)あまり多くても迷うためこちらで選別
3)サンプルを見てBest3を決めてもらう
4)上位3つを選んだ理由を簡単に教えてもらう

▼クライアントに送ったサンプル

1段目は和風寄りのデザイン、2段目は英字多めのデザイン、3段目はイラスト等が目立つデザインになっています。

選んでもらったサンプル画像から、全体の見た目だけでなく情報量や文字の書体、配色の好みなども把握していきます。

さらに選んだ理由を簡単に教えてもらうことで、完成品のイメージが大きくブレないようにしていきます。

サンプル画像は夫婦で見てもらう

命名書を作る上で重要だと思ったのは「夫婦の好み」で作ること。

生まれた赤ちゃんにとって一生に一つの命名書ですし、家族のことなので旦那さんと相談して2人で選んでもらいました。

ただし、ここで必ずしも夫婦の意見が一致する必要はないと思っています。(今回は趣味が真逆の二人で、選んだものも全然違いました)

お互いが選んだものの好きなところを教えてもらって、二人の意見が上手く活かせるようにデザインするよう心がけました。

選ばれたデザインをもとに制作

サンプルの中では「D」「F」「B」が選ばれたので、近いテイストになるように制作したものを3種類ご提案。

背景は無地が良いということで、一番右のデザインが採用になりました。

さらに相談して「名前を手書きにした方が温かみが出そうだね」ということで意見が一致。

そこにクライアントの「達筆みたいな字が良いかも」という意見があったので、名前を筆文字にすることにしました。

名前を手書きの筆ペン文字に変更

赤ちゃんの名前を毛筆で書いたような書体に変更するため、既存フォントを探すもイメージに合うものが見つからず、「自分で書いた方が早い」と気づきました。

試しにスケッチブックに筆ペンで文字を書いてスキャンしてみるといい感じになりました。(文字の大きさは修正前なのでばらつきあり)

この中から「楷書体」が採用されました。

最終的に、筆ペンで名前を書いたことにより主役が目立ち、温かみのあるおしゃれなデザインに仕上がりました。

完成した命名書のデザイン

完成したデザインをモックアップにはめてみるとこんな感じで、デザイン自体がシンプルだから実際とも大差なさそうです。

クライアントとなった友人はすごく喜んでくれて、サンプルから好みを選んでもらった時点では意見がバラバラだった旦那さんも「めっちゃ良い!」と喜んでくれたようです。

デザイナーになって良かったと感じる瞬間でした。

今さらですが、出生情報の下に書いてある筆記体の文章は、私から赤ちゃんと友人家族に向けたメッセージになっています。

「Wishing you and the new born baby all the best for the future.」(赤ちゃんの素晴らしい未来を願っております)

まとめ

今回は、友人家族のために作った「命名書」の制作手順や思考をまとめてみました。

初めての命名書制作でしたが、何よりも大切にしたことはデザインよりもクライアントへの配慮でした。

・産後の身体・精神に極力ストレスをかけない
・一人で悩まず旦那さんとも相談してもらう
(もちろん意見の違いがあっても問題なし)
・早く写真が撮りたいはずだから早く納品

また、個人的にも「デザイン」「筆ペン字」を掛け合わせたデザインができ、新たな可能性が広がったように感じました。

最後までご覧頂き、ありがとうございました。

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