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立川のワナ

ヘッダーはごくありふれた日常のお約束のものです。

東京は多摩地区の交通の要衝であるJR立川駅の5・6番線には乗り慣れていないと引っかかるワナがあります。
このホームからは中央線をそのまま八王子・高尾方面へ向かう列車と、そこから分かれて青梅方面に向かう列車が発着します。
しかもヘッダーのように続行してくるパターンも多々あります。
このケースでは6番線に高尾行きのあとに青梅行きが来ますという例です。

で、慣れている客はそれに従って待ちます。
一応、ほとんどの客は「中央線」「青梅線」と書かれたカラーの違うホーム上のマークを目印に慣れた風情で並んでいます。
ただ一見さんにはそんなの知ったこっちゃありませんから、そこで戸惑うのです。
特に多いのが八王子へ行こうとして、6番線に停まっていた列車に飛び乗ったら、出発してすぐに左に曲がって線路(中央線)を跨いでしまっていて、単線を進んで西立川とか言う駅に行っちゃった・・・という例でしょうか。

これは中央線から青梅線に直通する下り列車が通る経路でもあるのです。
青梅方面からの上り列車はポイントをクネクネして中央線上りのの3番線に到着できますが、下り列車は中央線を跨ぎます。
これは元々昭和の初期に奥多摩~浜川崎間を走っていた石灰石輸送の貨物列車を通すために立川~青梅線の西立川間で敷設した線路で、これにより中央線のダイヤを支障させずに走らせることができます。
ちなみに平成初期まではこの貨物列車は走っていて、子供心にED16→EF64(1000番台)がホキを引っ張っている姿は今でも記憶に残っています。
このため、単線ながら上下方向に走行できる構造になっていますので、普段の下り列車以外でも青梅方面から横浜方面への臨時列車や団体列車でも使われています。
あと鶴見線の安善~拝島間の横田基地燃料輸送の貨物列車でも使われていますが、貨物輸送としては短絡線を走っているのはこれだけになっています。
ちなみ数ヶ月前にこの短絡線内で架線が壊れて、半日中央線・青梅線・五日市線がパニックを起こしていたこともありましたっけ・・・。

と言うわけで、乗り慣れていないと思いも寄らぬところへ連れていかれる関東圏でもお約束な例です。
一駅二駅(せめて拝島まで)くらいなら「乗り間違えちゃった(はぁと)←乃木坂46の田村真佑風に」で済みますが、その先の単線区間に入ってしまったらジ・エンドですね。
八王子へ向かい直すのにだいたい60分くらいはかかりますから。
(運良く拝島で八王子行きの八高線に乗り継げたら40分程度に圧縮できますが)

逆に昭和記念公園(最寄り駅は青梅線の西立川)に向かうために同じように6番線に停車した列車に乗り込んだら多摩川を渡っていた・・・みたいなこともありえます。
青梅線は中央線こそ跨ぎますが多摩川を渡りませんので。

ちなみに立川駅は特急列車も全列車停車しますので、その号車のマークもあり、他の臨時列車のマークも相まってマークだけでも混乱する作りになっています。
これは慣れていかないとどうにもなりません。
とにかく慣れていなければ、ホームの表示板と列車の行き先表示をよく見るのと放送を聴くことでしょうか。
車掌も立川停車中はひっきりなしに中央線のか青梅線のかはアナウンスしますので。
ただ、一見さんはただでさえ混乱していますのでそこまで気が回らないかも知れませんけど・・・。

過去に私の仕事場の方でコレに引っかかった方がいらっしゃいました。
立川で豊田に向かおうと(6番線)ホームに停まっていたのに乗ったら、中央線を跨いでいて、西立川って焦っちゃった・・・と。
そうですよね、としか申し上げられませんでしたが。

これは立川に限らず、東京などから中央線快速電車に乗ったら特に注意してほしいのです。
グリーンのマークのある列車は青梅線に直通する特別快速(青梅特快)ですので、八王子方面に向かいたいヒトは立川までに乗り換えておいてくださいねということと、八王子方面に向かうためにはまず「青梅」(たまに河辺)という表示のある下り列車に乗らないでくださいねということでしょうか。
その昔は「武蔵五日市 高麗川」とか「武蔵五日市 箱根ヶ崎」という列車もあったのですが、いつの間にか無くなってしまいました。

あと、夕方や夜に設定されている「富士山 河口湖」行きも警戒です。
八王子や高尾の先、大月まで行き大月から富士急行線に乗り入れて富士山駅を経由して河口湖まで行く、すなわち富士山の麓まで行く列車なのです。
後ろ6両(1~6号車)であれば大月までですので何とかリカバリーはできますが、前4両(7~10号車)は河口湖まで行ってしまいます。
寝過ごしてしまったら・・・ほぼジ・エンドです。
夕方の便であれば何とか終電までに帰還できますが、夜の便だと折り返せても大月までです。
諦めて駅北口のチェーン系ビジネスホテルで不貞寝してくださいねと。
(いつの間にかできていてビックリしましたが)
しかも映るテレビは山梨ですから東京のと若干違いますので。
(特に東京で言う「1」と「4」、「6」は)

ちなみにこういうのもあります。

青梅行きの次に東京行きというのも。
要は立川で折り返す列車も下りホームからの出発になるケースもあります。
今春のダイヤ改正でだいぶ減りましたが。

余談ですが、一番上の「回送」にはこれが付いていました。

グリーン車。
今でも横浜は金沢八景にある工場で製造作業が行われているとは聞きます。
いつになったら営業運転を始めるんでしょうかね。
この回送こと試運転の列車は30秒くらいしか停車せず八王子方面へ向かって行きました。

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