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オリジナル小説 高所で会いましょう。 #1

ケント「俺の名前はケント。へイワー村という村に住んでいる。」
ケントが何か言いかけると、シーナの後ろに隠れていた小さな女の子が顔を出し、大きな声で自己紹介を始めた。
「わたしはねー! ククリって言うんだよー!」
ククリと名乗った少女はニパッと笑うとシーナの後ろにまた隠れてしまった。
それを見たシーナは苦笑しつつ、今度は自分から話しかけた。
「私はシーナよ。よろしくね、ククリちゃん。」
「うんっ! おねえさんもよろしくねっ!」
再び顔を覗かせて笑顔で答えるククリに、シーナは微笑みを返した。
そして次に、ククリの後ろから男の子の声が聞こえてきた。
「ぼくはタツヤだよ。よろしくな!」
「…………。」
しかしタツヤの言葉には誰も答えない。
だが、そんなことは気にせずタツヤは続ける。
「俺は勇者だ! いつか魔王を倒して世界を救うんだ!」
そう言ってタツヤは拳を振り上げた。
すると、シーナは困ったような表情を浮かべる。
「……ごめんなさい。私、そういう話苦手なんだ。」
そう言うとシーナはそそくさとその場を離れていった。「あ……」
タツヤはそれを見て呆然としている。
「じゃあ、次はあたしだね!」
すると、今度はユバの隣にいた女の子が声を上げた。
その少女は、綺麗な金色の髪を肩まで伸ばしており、瞳の色は青く輝いていた。
彼女はユバの妹であるサーシャだ。
サーシャは大きな胸を張ると自信満々に言った。
「あたしはサーシャ! 見ての通りエルフ族だよ! 得意魔法は水属性! あとは回復系が得意かな!」
サーシャの自己紹介が終わると、今度はユバが口を開いた。
「ワシの名はユバじゃ。この子らの親代わりをしている者じゃ。」
「……親代わり?」
「うむ。実はワシらは皆孤児なんじゃよ。」
「えっ!?」
ユバの言葉を聞いたケントは驚いた様子を見せる。「それは本当なのか? だとしたら何でお前たちは孤児院にいるんだ?」
「うむ。確かに普通の家庭ならばこんなところには来んだろうな。しかしワシらの場合は少し特殊な事情があるんじゃ。」
「特殊……?」
「うむ。まずはこの子の事について話す必要があるかのう……。」
そう言ってユバはサーシャを見つめながら語り始めた。

続く

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