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乙女座の恋愛詩のつくり方

占いコラムサイト「ココロニプロロ」の連載〈12星座の恋愛詩〉では、毎月、各星座を主人公にした恋愛詩を綴っています。

その連載と連動する形で始まった、新マガジン『「12星座の恋愛詩」のつくり方note』。今回は「乙女座の恋愛詩のつくり方」と題して、乙女座に宛てた恋愛詩「片恋の地平線」の制作の裏側についてお届けします!

「星座占い×恋愛×詩」…このどれかに興味のある方には、きっと楽しんでいただける内容です。

▶︎詩「片恋の地平線」全文はこちら
https://cocoloni.jp/culture/1278496/

▶︎マガジンを立ち上げた経緯や、楽しみ方などはこちらの記事をご参照ください。https://note.mu/fuzukiyumi/n/n6c6bb83f3943

私の周りの乙女座たち

さて、各星座の恋愛傾向を分析して、恋愛詩を書くという奇特な企画が「ココロニプロロ」さんで始まりました。

連載のスタート時期が8月だったために、まず「第1回は乙女座でお願いします!」と題材の指定を受けたのですが、私は内心「乙女座でよかった……」と少しホッとしていました。

ちょっと考えてみると、身近に乙女座が多かったんです。困り顔の蟹座を、しっかり者の乙女座が助けているような関係性なのか……。
とにかく「乙女座の考えることならわかるぞ」という謎の自信はあったんですね。

まず私の母が乙女座です。「社会の中の女性らしさってこういうもの」「母親ってこういうもの」という基本の価値観を、おとめ座母を通してガッツリ作ってきたみたい。まあ、親ってそういう装置だよね。
母は乙女座のA型で、今思うとかなり神経質なところがありました。母以外、家族全員がO型だったので、ときどき「ほんとあんたたちO型って嫌だ!!」と叫んでましたね……叫ばれても困る……。

「平成あやふやラジオ」や、Twitter上で鋭い批評を飛ばしまくっている、劇作家の綾門優季さんも乙女座です。
演劇の人が一般にどんな印象を持たれているかわからないけれど、綾門さんは非常に計画的な人で、学生時代から10年先を見据えた話をしていました。今だけを見て焦らない、逆に未来に恩恵をもたらさない行為は切り捨てる。切り捨てることに迷いがない。学生時代は同じサークルにいましたが、合宿先の飲み会で話す度にいつも感心、半ば圧倒されてました。

あと過去の連載担当者だったYさん、『臆病な詩人、街へ出る。』の担当編集者Kさん(あだ名が「段取り男」らしい……)もおとめ座だったと記憶。
計画と管理が大好きなおとめ座は、編集者向きなのかもしれない(なのに蟹座がペース乱しまくって申し訳ない……)。乙女座には頭が上がらない。

乙女座の要素とは

前回のnoteで触れた通り、乙女座生まれでなくても、全ての人が乙女座の要素を持ちます。乙女座要素の濃度、発揮する場面は、生まれた時期によっても異なりますが。では「乙女座っぽさ」とは何か?

占星術家のまついなつきさん(まつい先生との対談はこちらで読めます)が真っ先に仰っていたのは
「乙女座は、課題を完璧にこなします。必死にこなして、その完璧にやりきった自分に満足する」。
うわっ、自己満足! でも何だか共感してしまう……。

恋愛に関しては「基本、片思い」「片思いはとにかく捗る」と断言。
ええっなぜ……。
「現実と向き合うと、乙女座の計画が崩れちゃうんですよ」
な、なるほど……。計画の完璧さの中で酔ってしまうのか。
「仕事は抜群にできる。とくに乙女座太陽の人は。ただ、恋愛業界では弱者なのね。片思いしている内に、他の猛禽女子にさらわれてしまいがち」。
なんだろう、受け身にならざるを得ないんだなあ……。

私の中の乙女座

私自身、乙女座に「火星」と「金星」を持っています。
火星は活力・やる気をつかさどり、金星は喜び・楽しみをつかさどる天体。つまり完璧な準備や計画を立てること(乙女座要素)に、「やる気」を燃やし、「喜び」を得るタイプ。

先生から色々と乙女座の影響を指摘されたものの、内心「段取り好きな乙女座の要素、自分には皆無なのでは……」と首を傾げていました。

でも後日、詩の内容を練っているうちに、自分の乙女座っぽい部分が何なのか、よくわかりました。

このノートの書き込み量……。私は記録することがとても好きらしいのです。研究して一人で満足するところ、計画好きな部分は、たしかに乙女座の要素でした。

ただし、こんな風に火星金星の乙女座が頑張ってくれても、月星座の射手座と、木星の獅子座が寛容すぎて、ぶち壊していくみたいですね……。だから私の計画は実行力に乏しいのか……。乙女座無念。

乙女座は恋愛が苦手?


さて「乙女座は片思いの星座」という言葉にやはりインパクトがあったため、作品のシチュエーションも「片思い」に絞られることに。

ちなみにこの連載では、「思いが通じなかったから不幸、付き合ってるから幸せ」といった価値観には従いません。
幸/不幸ではなく、その星座の魅力が輝く瞬間を描けたらなあ、と思っています。その星座なりの「幸せ」を見つけるまでの光景を詩で描きたい。

「片思いは恋愛じゃない」なんて言う人も世の中多いですが、「いや、片思いこそ恋愛の真髄だろ!」と乙女座のために、詩で証明したくなったんですね(笑)。

乙女座は、「与えられた課題を完璧にこなし、完璧にやり切った自分に満足する」人たち。「段取りが好きで、管理が得意」で「恋愛に自発的ではない」。なぜなら「自分の計画を崩されるのが苦手」だから。
「根っからの優等生体質なんだろうなあ」「でも現実の恋愛となると、従うべきルールや答えがないから、自分の計画を乱されて、混乱してしまうんだろうな」と想像して、なんだか愛おしくなりました。

テーマカラーが「白・水色」。「白紙の可能性に夢を描く」という言葉がでてきた。
原稿用紙でも日記帳でも良かったんだけど、「完璧な理想を描く」ことが得意そうだったから「デッサンにしてみよう」と「スケッチブック」をモチーフの一つに決定。

そこから「完璧主義ゆえに、相手に失望されるのを恐れて、身動きが取れなくなるのでは?」
「見えないところで準備するのが美徳。隠れすぎていて、周りに気づいてもらえないくらいが丁度いい(でも気づいて欲しい自分がいるのも知っていて、そんな自分を恥じている)」と想像が繋がっていきました。

神経質で傷つきやすい完璧主義者。でもシャイゆえに人にはそれを見せられず、完璧な仮面の下に隠している。臆病で上品な猫みたいな人。

一旦「それって、ばらの花のようだな」と思いました。幾重もの花びらで自分を見えなくしているイメージです。
ただ、ばらのような華やかさよりも「コスモスのような純潔さ、嫌味のない気高さが似合うのでは」と思い直します。

コスモスは花びらがきちんと揃って正面を向いている「宇宙の秩序」を重んじた花です。
「欠けた姿を人に見せられない」おとめ座の姿と重なりました。

乙女座の精神構造

ちなみに「乙女座の精神構造は、学生末期から新社会人ぐらい」らしいです(関係する天体の年齢域と、乙女座が背負っている物語がそうである、というだけなので、精神年齢が幼いというわけではない)。

そう思うと理解しやすいですよね。頭は良いけど、社会経験に乏しくて、理想計画は立てられるけど頭でっかち。ルールをきっちり守ることで、自分の不安定さをカバーする。

理想はとにかく豊かなのです。でも「そんな理想は現実では無理なんだろうな……」とどこかで思っている。ある程度大人になった乙女座の人は、自分の理想をくじかれた時期が、人生のどこかのポイントであったと思います。理想と現実の間を常に揺れ動いているのですね。

女性は恋愛にも潔癖で、思春期の少女のような自分を抱えています。「本当は大人になんかなりたくない……」。そんなボヤキが聞こえてきそう。

乙女座の仕事は、理想と現実の間をうまく渡り歩いていくこと。たくさん知識をたくわえた上で、これから初めて社会に出て実践していくんだろうな。

そんな乙女座を祝福したい、と考える内に「おとぎ話の本を閉じて、大切に抱きしめて歩き出す、女の子の後ろ姿」が浮かんだので、それと先ほどの「スケッチブック」のモチーフを繋げることにしました。

この過程を経て、仕上がった詩のテキストがこちらです。

▶︎詩「片恋の地平線」全文はこちら
https://cocoloni.jp/culture/1278496/

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長くなりましたが、楽しんで頂けたでしょうか?
ご自身の恋愛や、身近にいる乙女座の人を重ねながら、お読みいただけたら幸いです。

*今回執筆の際に参照したサイト
https://ptn48.shaberizon.jp/virgo.html

次回「天秤座の恋愛詩のつくり方」は、9月24日に更新予定です!

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