2019年8月号

【朗読】ふたつの舟

文月悠光
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きみと夏の終わりの舟になる🍹

〈きみとわたしは その近さゆえ
グラスの氷みたいに
カランとぶつかりあって、
ちいさな世界をひとめぐりする。
踊りましょう、もう少しだけ
どうか夏が終わるまで。
透明なふたつの舟はやがて
ひとつの海に溶け落ちて
水底でやすらかに息を絶やすのだ。〉

詩「ふたつの舟」文月悠光

*「婦人之友」8月号ミヨシ石鹸さん広告より。
毎月、裏表紙広告欄に詩を書き下ろしています✍️🍧
写真:岩倉しおりさん

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