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ZEROを覗き見💁‍♀️ インタビュー編 ElevationSpace 小林さん

小林 稜平 株式会社ElevationSpace 代表取締役 / CEO
1997年12月 秋田生まれ。秋田高専在学中に宇宙建築に出会い人生が変わる。卒業後、東北大学に編入学し建築学と宇宙工学を専攻。大学在学中には人工衛星開発プロジェクトや次世代宇宙建築物の研究に従事し、宇宙建築において国内1位、世界2位を獲得。また、Tohoku Space Communityを立上げ、東北を宇宙で活性化させることを目指し活動。宇宙ベンチャーを含む複数社でのインターンを経て、株式会社ElevationSpaceを起業。経済産業省 / JETROが主催する始動 Next Innovator等各種プログラム・コンテスト等で受賞。
株式会社ElevationSpace                                                                                      誰もが宇宙で生活できる世界を創り、人の未来を豊かにすることを目指している東北大学発の宇宙スタートアップ。吉田・桒原研究室でこれまで開発してきた10機以上の小型人工衛星の知見を活かし、人工衛星内で実験や製造等を行うことのできる小型宇宙利用・回収プラットフォーム ELS-Rを開発している。


宇宙ステーション型_image1

ElevationSpace創業に至るまで

--なぜ宇宙に興味を持ったのですか?
秋田県の高専で土木や建築学を学んでいたんですけど、東北大学への編入学まで半年間、時間ができたので何か新しいものないかなーと探していました。その中で宇宙建築に出会い、その壮大さにワクワクしました!宇宙建築というのは要するに宇宙ホテルや月面基地といったものなんですけど、そこから宇宙自体について興味を持ちましたね。もともと建築に興味を持っていたのも、スカイツリーとか大きなプロジェクトに関わりたいというモチベーションからだったので、より大きなものである宇宙に惹かれました。

--ElevationSpaceはどんな事業をやっているのですか?
東北大の人工衛星開発の技術を利用したベンチャー企業です。実は今ある宇宙ステーションが10年後、2030年ごろになくなるとされています。宇宙ステーションでは地球にはない、無重力という環境を使ってさまざまな研究がされています。例えば、乳がんの薬作りといった地球上での生活を豊かにする研究や宇宙に出ていくための研究が行われています。そのための拠点がなくなってしまうのは非常に大きな損失だと考えています。一方で宇宙ステーションを作ろうとすると大きな費用がかかるという背景がありました。そこで私達は小型の人工衛星内で実験や製造を行い、それを地球に持って帰ってくるサービスを始めました。薬をつくるために重要となるタンパク質の製造や、細胞を宇宙空間で培養させる実験に使えると考えています。また、これからは宇宙に人が行く時代だと考えると、今は宇宙と関係ない業界も宇宙に進出していくチャンスが増えていくと考えています。例えば宇宙旅行が始まるとすると、そこで食べる食べ物、服、化粧品、おもちゃなど非常に多くの領域で宇宙産業へ展開していく可能性があります。そういった宇宙向け商品の実証実験も大きなニーズになるかなと考えています。

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           ▲宇宙実験や製造に使われる、            小型宇宙利用・回収プラットフォームELS-R

--どんな経緯で起業されたのでしょうか?
大学院を出てからも宇宙建築をやろうと思った時に、自分のやりたい宇宙建築の会社がなく、就職という選択肢は外れました。そこで、宇宙建築と関わる方法は研究か起業かとなったわけですが、基礎研究より実装に興味があり、研究ではなく起業してビジネスをやるほうが面白いかなと思いました。
それと、ここは割と自分は珍しい方かなと思うのですが、普通の大学発ベンチャーって教授と同じ研究室にいて、そこの研究室の技術を用いて起業するということが多いと思うんですけど、自分は所属していない研究室の桒原准教授と共同創業しました。”東北を宇宙で盛り上げる”を掲げる東北スペースコミュニティでの活動を通じて、起業前から桒原准教授とは面識がありました。起業しようかなと考えた際に、桒原准教授は人工流れ星を開発しているALEというベンチャーのCTOの経験があったため、起業の相談をしに行きました。相談したときはスモールビジネス的にデータを用いたビジネスを考えていたんですけど、大学のビジコンにむけて考えていくなかでスタートアップ的な起業を考えました。また、ビジコンに向けて話していくうちにお互いの将来のビジョンが一致していることがわかり、共同創業することを決めました。

--起業してみてどうですか?
やらなきゃいけないことや経験がなくてわからないことが多くて大変だけど、それをひたすらやるのはすごい楽しいです。元々ベンチャーでインターンはしていましたが、営業のスタイル、ファイルの名前の付け方、メール、電話の仕方など、社会人としてのマナーを知らない面があって大変でした!今はサポートしてくれる周囲の方のおかげでうまくやれているので、非常に感謝しています!

東北を宇宙でワクワクさせる

都市_最終版 - Photo

--桒原准教授と知り合った東北スペースコミュニティとはどんなコミュニティなのでしょうか?
宇宙建築との出会いから宇宙に興味をもったわけなんですけど、宇宙と一言に言っても領域が広いんですよね。天体観測的な理学とか人工衛星をつくる工学、私のやっている宇宙建築といったような全く別のものもあって、そういったいろいろな分野が繋がれるようなコミュニティが欲しいと思い立ち上げました。さらにいうと、東北って宇宙との関連が非常に強いんですよね。月面着陸船を開発しているispaceといったベンチャーがあったり、人工流れ星のALEといったところもありますし、秋田はロケット発祥の地と言われていたり……! 東北は宇宙分野でのポテンシャルがあると信じているので、東北を宇宙で活性化させていくことを目指しました。そのコミュニティで開いたイベントに登壇してくださったのが桒原准教授でした。
https://tsctohoku.wixsite.com/tohokuspacecommunity

--東北にはどんな思いを持っていますか?

自分は東北出身ですし、10年前の震災を機に起業したかたと話す中で、自分も東北に恩返ししたいと思っています。宇宙コミュニティを作るだけじゃなくて、経済へ還元したい、東北へ貢献したいと思っています!経営者にあったり、営業をするには東京の方が都合良いですが、福島イノベーションコースト構想といったものがあったり、今はオンラインミーティングも普及しつつあるので、東北でもスタートアップは盛り上げられると思っています。特に製造の分野だと広い敷地が必要なので、地方は有利だと思っています。うちが地方ベンチャーのモデルケースになればと思っています。

ZEROと今後の展望

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--TORYUMON ZEROにはいったきっかけは何ですか?ZEROの活動はどうですか?
TORYUMONというイベントの存在はもともと知っていて、TwitterでZEROの募集をたまたま見かけて入りました!コロナの中なので同世代の異業界の起業家との交流できるコミュニティは貴重ですね。特に学生は起業しても右も左もわからないので、大変ありがたいです。

--最後に!今後どういうことをしていきたいですか?
とりあえず技術実証機の2023年の打ち上げが短期的な目標ですね。ElevationSpaceが今やっている事業は宇宙建築とは直接の関係はないのですが宇宙建築のベースになると思っています。最初の10年間で、小型宇宙衛星を軌道に乗せて、宇宙ホテルの構造、月や火星といった宇宙輸送事業といったところをやっていきたいです。次の10年はうちの会社のビジョンでもありますが、人が宇宙で生活する都市をつくっていきたいと思っています!


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【TORYUMONからのお知らせ】

2021.6.12sat 15:00-19:00に、TORYUMON ONLINE in Fukuokaを開催します!今回はオンライン配信と、福岡市の官民共働型スタートアップ支援施設であるFukuoka Growth Nextを会場としたオフラインの同時開催でお送りします。今回のピッチセッションでは、TORYUMON ZEROに参加するスタートアップのピッチが行われます。またピッチセッションに登壇するU25スタートアップの公募も行っております。参加を希望される方は下記の詳細をご覧ください。

〈TORYUMON ONLINE in Fukuoka ホームページ〉

〈ピッチへの応募はこちらからどうぞ!〉

〈参加申し込みはこちらからどうぞ!〉


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