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【#運営に届け】それって、"ファン"ですか?~柿崎芽実卒業・3度目の注意喚起から考える坂道ストーカー問題~【#乃木坂46/#欅坂46/#日向坂46】

2019年8月11日、吹上ホール(愛知・名古屋)にて開催された「日向坂46 デビューシングル『キュン』発売記念 個別握手会 名古屋会場」にて、日向坂46の1期生 柿崎芽実さんが卒業しました。
数千人が駆けつけて見守る中、ブログ(2019年6月21日更新)では語られなかった「本当の卒業の理由」が語られました。
そして、2019年8月28日には、乃木坂46合同会社及びSeed & Flower合同会社が各グループ公式サイトにおいて、「ファンの皆様へのお願い」と題した注意喚起を掲載しました。

いわゆる「坂道シリーズ」として、メンバーがストーカー被害等を起因として卒業するのは初めてで、さらにそれをメンバー本人の口から語られることも初めてでした。
さらに、「坂道シリーズ」がストーカーに関する注意喚起を行うのは今回が3回目(1回目:2018年6月10日、2回目:2019年5月10日)となり、依然として状況が改善していない状況が伺えます。
今回のnoteでは、柿崎芽実卒業と3回目の注意喚起を受けて、一ファンとして今回の問題を考えます。

(おことわり)
本記事をお読みいただくにあたり、以下4点をご理解ください。
1.本記事はすべて一読していただきたく、目次を設けておりません。
2.本記事では、今回の問題について考えるべく、過去の報道などについても触れております。お読みの方にとっては目を背けたくなるようなものも多少含まれているかもしれませんが、本記事でテーマとしている内容について読者の方にも考えていただきたいなどの理由から記述・掲載させていただきます。
3.本記事では、メンバーの名前を一律敬称略にて表記します。
4.本記事に書いている内容につきましては、あくまでライターの一意見です。

noteをご覧になる前に… 「柿崎芽実 卒業セレモニー」レポート

2019年8月11日に吹上ホール(愛知・名古屋)にて開催された「柿崎芽実 卒業セレモニー」のレポートを、Webサイト「fuwa-acer's Web Station」に掲載しております。このnoteをご覧になる前に、ぜひご覧ください。

上記リンクからアクセスして頂き、「レポート」→「柿崎芽実 卒業セレモニー 参加レポート」の順にアクセスしてご覧ください。

注意喚起の歴史 ~脅迫での逮捕者から注意喚起実施~

"ファンによる迷惑行為"として最初の注意喚起が行われたのは、2018年6月10日でした。

最近、メンバーに対しまして、一部のファンの方による車両・徒歩等による追走や居住エリアでのストーカー行為など、メンバーのプライバシーを著しく侵害する行為が確認されております。

このような行為を実行する方はごく一部に限られており、大多数のファンの皆さまからは節度ある応援を頂いておりますが、これら一部の方の目に余る行為により、警戒を強化せざるを得ない事態となっております。

メンバーに対する車両・徒歩等による追走、メンバーの居住エリアでのストーカー行為等の迷惑行為はただちに警察に通報いたしますとともに、全ての活動において出入禁止処分とさせていただきます。

くれぐれもおやめいただけますよう、お願い申し上げます。

また、メンバー本人に対して直接手紙・プレゼント等を手渡しする行為も禁止とさせていただきます。

ご理解、ご協力いただけますようお願いいたします。
(※乃木坂46公式サイトより引用)

この注意喚起が発表される半月前には、乃木坂46 白石麻衣に殺害をほのめかすような投稿をしたとして25歳の男が逮捕されています。

注意喚起や報道からしばらくの時が経ち、事態は収束の方向に向かっていると思われた矢先、2019年5月10日に2回目の注意喚起が行われました。

メンバー、およびそのご家族への迷惑行為については、以前にもお願いをさせていただいておりますが、最近、再び一部のファンの方による同様の行為がたびたび発生する由々しき状況となっておりますことから、再度以下のお願いをせざるを得ない事態となりました。

一部のファンの方による、メンバーやそのご家族の居住エリアでのストーカー行為など、メンバーのプライバシーを著しく侵害する行為が確認されております。

このような行為を実行する方はごく一部に限られており、大多数のファンの皆さまからは節度ある応援を頂いておりますが、これら一部の方の目に余る行為により、警戒を強化せざるを得ない事態です。

メンバーやそのご家族の居住エリアでのつきまとい行為、プライバシーの侵害、車両・徒歩による追走等の迷惑行為は、いかなる理由がある場合でも、ただちに警察へ通報いたしますとともに、以降の全ての活動への参加をお断りいたします。

くれぐれもこれらの行為はおやめいただきますよう、お願い申し上げます。

ご理解、ご協力いただけますように
今後とも乃木坂46の応援をどうぞよろしくお願いいたします。
(※乃木坂46公式サイトより引用)

これらの注意喚起は、乃木坂46・欅坂46・日向坂46(1回目の注意喚起はSeed & Flower合同会社より欅坂46とセットにて実施)にてそれぞれ行われました。
そして、翌月の2019年6月21日に、柿崎芽実の卒業発表がされたのです。

ストーカー被害を告白することの難しさ

前述の柿崎芽実の卒業発表が行われたブログ記事で、卒業の理由は高説明されていました。

4月頃から心と身体のバランスがうまく取れない事があり、お仕事をお休みさせていただくことが多くなってしまいました。

応援してくださっているファンの方や、日向坂のメンバー、関係各所の皆様にたくさんご迷惑、ご心配をおかけしてしまい、本当にすみません。

お休みさせて頂いている間に、今までのこと、将来のことなど、たくさん考えました。

周りの友達も大学など進学を考えている中で、
私も自分の人生を考えて
卒業という選択をしました。
(「大切なお知らせ - 柿崎芽実 公式ブログ」より引用)

この記事の中では、ストーカー被害を受けていることについては直接触れられませんでした。
今になって改めて読み返すと、ストーカー被害を受けたことが原因となって、記事に書かれたような お休みに至ったのかもしれません。

そして、8月に行われた卒業セレモニーの最後の挨拶で、初めてストーカー被害を受けていることが、本人の口から明かされました。

「ストーカーの被害を受けていて、私以外のメンバーもその被害に遭っていて、今日集まってくれている皆さんの中にはそんな人いないと思いますけど、でもそれが怖くなって、だんだん握手会とかに参加できなくなっていきました。私は明日から普通の女の子に戻りたいと思います。それでも今日まで私をアイドルでいさせてくれた皆さん、ありがとうございました。」
(「fuwa-acer's Web Station」内「日向坂46 デビューシングル「キュン」発売記念 個別握手会 in 名古屋 ~柿崎芽実卒業セレモニー~参加レポート」より、途中中略)

会場には数千人規模でファンが詰めかけていましたが、その中でこのような話が語られることは想定外でした。呆気にとられた方も多かったことでしょう。

これまで「坂道シリーズ」のメンバーが、自身の口でこのような被害を受けていることを語ったことはありません。それだけに、如何に卒業の本当の理由を語ることに勇気のいることか、我々で計り知ることはできません。
それでも卒業の本当の理由を語ることを決断したのには、やはり他のメンバーも同様の被害を受けていることを認知していたこと、今後 自分と同じような理由で卒業する人を出してほしくないとの願いがあったのではないでしょうか。

本人は 言葉の上では「やりきった」とも話していましたが、本心を言えばまだまだ続けたかったでしょう。ファンにとっても、これほど「悔しい」と感じる卒業は未だかつてありませんでした。
卒業を素直に前向きに捉えられない、複雑な心境が残る… なんともいたたまれない思いです。

アイドルは あなたのモノではありません

「アイドル」を辞書で引くと、次のように書かれています。

アイドル【idol】
①偶像。→イドラ
②あこがれの対象者。人気者。特に、青少年の支持する若手タレント。
(岩波書店「広辞苑 第六版」より引用)

この説明をより踏み込んで解釈するため、「偶像」と「あこがれ」を引くと、次のように書かれています。

ぐう-ぞう【偶像】
①木・石・土・金属などでつくった像。
②信仰の対象とされるもの。神仏にかたどってつくった像。
③伝統的または絶対的な権威として崇拝・盲信の対象とされるもの。
あこがれ【憧れ・憬れ】
あこがれること。
あこが-れる【憧れる】
①さまよい出る。
②物事に心が奪われる。
③気をもむ。
④思い焦がれる。理想として思いを寄せる。
(いずれも 岩波書店「広辞苑 第六版」より引用)

この説明にある通り、アイドルのメンバーは本来「偶像」として捉えていくべき対象であり、現実的に会うことができるのは極めて稀な例として捉えるのが普通ともいえます。
2010年代に本格的に普及した「会えるアイドル」という文化は、ファンとアイドルの交流を活発にさせ、それを活動の活力とするケースも多くなりました。
しかし、それはあくまで「イベント」でのお話。それ以外で会うことは「アイドルに会う」の範疇ではありません。
アイドルといえど、芸能人といえど、職業を考えなければ 我々と同じ一般人です。我々に公私の別があるように、彼女たちにも公私があります。
最近では週刊誌の取材などにも同じことを思うようになりましたが、我々はあくまで アイドル・芸能人の仕事によって生み出されたコンテンツを享受しているだけであり、その人たちのプライベートのテリトリーが侵されることはあってはなりません。そのコンテンツの一環として行われるイベントで会うことは それが目的で行われているものですので問題ありませんが、その機会がイベントなどの形で設けられているのにも関わらずプライベートに踏み込むのはあってはならないことです。

アイドルは人でありモノではありません。
彼女たちを素材として妄想するだの、「〇〇は俺の嫁!」と思い込むのはその方々の勝手ですが、それを現実の世界に持ち込み、本人をはじめ他人を巻き込むのは違います。
このことを肝に銘じ、ルール・モラル・マナーの範囲で活動を応援するべきなのです。

本当に注意喚起されるべき人は"ファン"ではないかもしれない

これらの問題の一番の問題は、ストーカーですし彼らには厳罰を処すべきだろうとも思います。しかし、この問題で改善すべきなのは、運営側も同じことが言えるかもしれません。

この注意喚起はいずれも「ファンの皆様へのお願い」としてアナウンスされています。
しかし、ストーキング行為に及ぶ人たちを「ファン」と呼んでもよいのか?という疑問が残ります。

先程のように「ファン」をどう定義されているのかを確認すると、こういう記述が確認できます。

ファン【fan(アメリカ)】
スポーツ・演劇・映画・音楽などで、ある分野・団体・個人をひいきにする人。
(岩波書店「広辞苑 第六版」より引用)

この定義のように捉えると、ストーカー行為に及ぶ人も「ある分野・団体・個人をひいきにする人」という意味ではあっているのかもしれません。

ただ、これだけは言わせてください。
ストーカー行為は、明らかに「ひいき」の範囲を超えています。
車両・徒歩等による追走や居住エリアでのストーカー行為など、メンバーのプライバシーを著しく侵害する行為に及ぶ人を、運営委員会の面々、ストーカー被害に会う当の本人は、自身のファンとして認めているのでしょうか?

私も一ファンではありますが、ルール・モラル・マナーの範囲を守って応援している人とストーカー行為に及ぶ人を、一概して「ファン」とまとめられてしまうことには疑問があり、あまり受け入れられるものではありません。

このような問題はネットニュースなどで大きく取り上げられることも少なくなく、「ファン」としてひとまとめにしてしまうことは、そのグループのファンに対して総じてネガティブなイメージを持たれかねません。これは、グループの活動などを敬遠されてしまう原因にもなりうることです。

活動自体は素晴らしい。ファンも大多数がルール・モラル・マナーを守って節度ある応援をしている。なのに0.1%でも問題行為に及び、その人を「ファン」とひとまとめにすることが、グループの活動に影響を及ぼしかねないことを理解していただきたいと思います。

「注意喚起」 対策はそれで十分ですか?

2019年8月23日、ジャニーズ系アイドルグループのメンバーに対してストーカー行為に及んだとして、20代の女が逮捕されたと報じられました。

また、昨年にはAKB48の卒業生にストーカー行為に及んだ男が逮捕され、その後 被害者本人も参加する公判が行われています。

しかし、「坂道シリーズ」では、前述の脅迫容疑の逮捕者を除き、ストーカーの逮捕などの情報は報じられてきていません。

ストーカーを刺激しないことが重要視されているのも考えられますが、本当に「注意喚起」で十分な対策になるのでしょうか?

最新の注意喚起(2019年8月28日)では、このような記述もあります。

このような行為に関しましては、いかなる理由がある場合でも、ただちに警察へ通報し、以降、すべての乃木坂46に関するイベント等に出入禁止処分とさせていただきます。
(乃木坂46公式サイトより引用)

警察への通報など、国家権力に協力を求めることは必要なことですが、ここで必要な対策が講じられているのか、疑問が残ります。

もしかすると、ストーカーと直接対決には至れていないのかもしれませんが、ここまで長期的に問題になっている以上、もっと踏み込んだ対策が必要だと考えられます。
出入り禁止処分などは運営側が取る措置で、活動に関与しないようにするためには必要な措置かもしれませんが、それでは根本的なストーカー行為の解決にはなりません。「イベントに入れないなら別の手でメンバーに会う」なんていう考えに至るのは目に見えています。

ストーカーは難しいことに、物理的な証拠が残らない場合も多くあります。警察に相談することも一つの手としてありますが、そこからストーカーの逮捕につながるまではかなりハードルが高いのが現状と言われています。

警察のサイトでは「ストーカー規制法」について防犯例・対策・実例などが紹介されています。

ただ、ここで紹介される対策を取ったところで、やはり当の本人には不安が残るものです。活動に集中できるわけがありません。
一番の対策は やはり逮捕などの公的な処罰が下されることだと思います。

以上のことを踏まえると、やはり「注意喚起」などは不十分です。一部では「手ぬるい」などと批判の声も上がっていますが、そのような批判が出るのも致し方無いことです。
もっと厳しく、強気の姿勢で望むべきだろうと思います。

おわりに… 安心の日々が来ることを願って

アイドルなど 芸能界で仕事をする以上、他の仕事よりも圧倒的に多くの人々の目にさらされることは確実です。メンバーもそれを承知の上で活動しています。
だからこそ、このような問題の被害を受けることは避けられないことと思う人もいるでしょう。

ただ、今「坂道シリーズ」で問題視されているストーカー行為はかなり重いものです。これが原因で、夢を叶えるために活動していた少女の夢が絶たれてしまったことも事実です。

今 ルール・モラル・マナーの範囲内で応援している 正真正銘の"ファン"の皆さんには、今後もその精神を守っていただきたいですし、大多数のファンが節度ある応援をしていることを内外に示していただきたいと思います。

未だストーカー行為を続ける人、今すぐにやめなさい。あなた方の自己中心的な行動が原因で人生が狂ってしまう人がいます。あなたの未来予想図が現実となる日は来ません。犯罪に労力を使わず、真面目に人生を歩んでください。妄想を叶えるのは諦めてください。

運営スタッフの皆さん、いつも楽しい活動をありがとうございます。楽しませていただいています。そんな活動を今後も長く続けていくべく、今回の問題を軽視せず厳正に対応していただきたいと思います。この問題の対応に"妥協"は必要ありません。もっと厳しく接するように方向転換していただきたいと思います。

最後に、メンバーのみなさんが、恐怖に怯えることなく、純粋に活動を楽しむことができる日々が訪れることを切に願い、この記事をしめさせていただきます。

長文・散文になりましたが、最後までお読みいただきました皆さん、ありがとうございました。
ぜひ記事を拡散・共有していただき、多くの方にこの声が届けば…と思います。

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