FXノート「スキャルピングに才能は必要か(その1)」

私はセミナーを行っている仕事柄、たくさんのFX投資家からご質問をいただきます。例えばその中に、次のような内容のものがあり、返答に困ることがあります。

「為替鬼さんの本を読み、さっそくスキャルピングをやってみました。数カ月間やりましたが、なぜか安定して勝てません。自分にはスキャルピングの才能がないのでしょうか。」

このようなご質問に強い違和感を感じつつも、、、

「相場で勝ち続けることは、そう簡単ではありませんよ。これからもがんばってくださいね。」などと、毒にも薬にもならないような、「大人」の回答をしているのが実情です。

常識的に考えれば、スキャルピングをはじめて数カ月程度で、勝てないことくらい分かりそうなものですが、なぜか初心者に限って、FXの取引スタイルのなかで最も難しいスキャルピングで、簡単に勝てると思っている方が多いような印象を受けます。

FXがそんなに簡単なら、FXで負ける人はいなくなってしまいますし、そもそもFXをはじめてすぐ勝てるはずという甘い認識が、 厳しい相場の世界で長年辛酸をなめてきた私を大変に困惑させます。

実際、私は幾多の破滅的な大損経験に鍛えられ、そして学んできましたし、まさに流した悔し涙の数だけFXが上手くなってきたという自負があります。

そこで今回の「トレードコラム」では、FXで勝ち続けることが、実はどれほど難しいことなのか、そんな本音を語っていきたいと思います。

●「一万時間の法則」を知っていますか

短期間でFXに勝てるようになる方法があるかどうかは、短期間で医者や弁護士、プロの将棋棋士になれるかどうかを考えれば、すぐにその答えが出るはずです。

ところでFXで勝てるようになるためには、いったいどれくらいの経験が必要なのでしょうか。

もしかして1か月でしょうか、それとも半年?、1年程度と考える方もいるかもしれませんね。

最近読んだ、「天才! 成功する人々の法則(講談社刊)マルコム・グラッドウェル (著)、勝間和代(翻訳)」の中に、その答えのヒントを見つけることができました。

著者であるグラッドウェル氏の主張をザックリまとめると、何かの分野で偉大な成功を収めた人達に共通しているのは、その分野に一万時間以上も打ち込んできたということです。

曰く、

・「一万時間より短い時間で、真に世界的なレベルに達した例を見つけた調査はない。まるで脳がそれだけの時間を必要としているかのようだ。」

・「音楽学校でバイオリンを学んでいる生徒を、ソリストになりそうなグループ、プロオケでやっていけそうなグループ、音楽の先生になりそうな3グループにわけて練習量を比較。ソリストになりそうなグループは計一万時間ほどで、練習量が他のグループよりも飛躍的に高い。」

・「練習をせずに天才的才能を発揮する人も、いくら練習をしても上達しない人の両者もいなかった。」

この書物を読みながら、私はFXで勝てるようになることも、実は全く同じことではないかと強く感じました。

もちろんどんな相場でも必ず勝てるFXの天才を目指す必要はありませんが、膨大な時間をかけて訓練を積み重ねなければ、FXでも成功することが難しいことは間違いないでしょう。

仮にFXのトレードや投資についての勉強、売買ロジックの検証など、FXに関するあらゆることを含めて毎日5時間を費やしたとします。

そうすると一万時間に到達するのは二千日後、つまり6年後ということになるのです。もしFXが本当に毎日5時間も打ち込んで6年もかかるレベルの難易度としたら、

それを半年程度の学習や訓練でうまくなることなどあるでしょうか?

一万時間がいかに長い期間であるか、そしてある分野で成功するためには、なんと果てしない努力が必要であるかを、思い知らされたのは私だけではないと思います。

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