FXノート「荒れ相場でのトレード戦略について(2)」

前回の「荒れ相場でのトレード戦略(その1)」では、為替相場の値動きの荒さ加減(ボラティリティー)を、

「 小さすぎ > 小さい > 通常 > 大きい > 大きすぎ」 

の5つに分類して、それぞれのトレード戦略の概略を述べた。

今回の「トレードコラム」では内容を一歩進めて、荒れ相場でのトレード戦略を実際のチャートを使って解説してみたい。

値動きが「小さい~通常」相場では、多くのスキャルパーが勝つことができるが、「大きい」相場ではトレード技術の熟練度によって結果が大きく異なる。

もちろん経験豊かな上手なスキャルパーが大きな利益を上げる一方で、中級レベルまでのスキャルパーが大損する可能性が高いのだ。

FXはゼロサムの世界なので、中級レベルまでのトレーダーの損失が、上級者の懐(ふところ)にそっくり入るイメージだ。

だからこそ、少し意地の悪い言い方になるが、上級者は中級者までが大損するような、相場の乱高下を心待ちにしている。

さて、ここで具体的な荒れ相場のトレード戦略について、図を使って説明したい。


一方、荒れ相場で避けたほうがよい投資行動は、次のようになる。


次のチャートはドル円1分足で、夜8時以降の急騰場面を使って
トレード戦略の一例を説明していく。

① HLbandにタッチしているので、エントリーは見合わせる。

②~④ まだHLbandにタッチしているし、RSIが買われ過ぎ(70)以下なので、
エントリーは我慢する。

⑤ HLbandにタッチしているが、ここまで数分間引き付けてきたし、RSIが70を上抜けたので、次のローソク足の展開次第では、売りでエントリーするつもりで値動きを注視する。

⑥ 全く下落せず(陰線になる時間がないということ)、どんどん上昇をはじめ、上げ止まりを感じられないので、この足ではエントリーを見逃す。

⑦ 随分と久しぶり(10分ぶり)にローソク足が陰線引けしたが、この足の後半(このローソク足は陰線引けするだろうと感じたタイミング)で、売りでエントリーする。

結果的には苦戦するが、チャートの右側(未来)が見えない以上、値動きのクセに関する検証に基づいてトレーディングするしかない。

⑧⑨ エントリーしたらあとは早めの決済か躊躇(ちゅうちょ)ない損切りを意識するが、さすがにここでの値動きは限定的で、推移を見守るしかない。

⑩ 高値を更新され、夜にはよくある値動きパターンだが、上昇トレンドが継続している可能性が高いと判断。

ただし、なにがしかの投資行動はせずに、チャートを注視するしかない。

ここでロスカットできるのは、未来が見えるトレーダーだけなので、焦ってここで損切りをするトレード戦略だと、長期的には損切貧乏に陥る可能性が高いと感じる。

⑪さらに大きく高値を更新されて、「ああ、やっぱりな」と感じると同時に、
ジリジリ上げではなく、上昇速度(値幅)が加速(急騰)したので、リバウンドが発生する可能性が極めて高いと判断する。

⑫陰線が出て、RSIが70を上回った状態なので、上げ止まりの可能性があるので、ここで「分割エントリー」として、このローソク足の後半で売りでエントリーする。

ロット数は⑦の売りのロットと同数が良く、ここで欲張って⑦の2倍(マーチンゲール)で入るのはリスクが高すぎる。

⑬このまま下げるか、再度上昇を開始するかの見極め上、とても重要なローソク足だが、特に投資行動はなし。

⑭~⑯ ⑦と⑫の売りポジションの合算で、⑭まで下げた時点でほぼトントンになる。しかしここで利食いを入れては、単なる「逃げ」に過ぎないので、⑦と⑫のトータルプラスになる⑮か⑯の終値まで、利食いは我慢したいところだ。

もし利伸ばしが苦痛すぎる場合は、⑭で⑫を利食い、最悪の事態を抜け出して、冷静に対処できる精神状況に持ち込むことも悪くない。

ただ私ならば、基本的にトータルプラスになるまでは最低でも我慢するし、検証上はそのほうが期待値が高い。

⑰ もし⑭~⑯で2つのポジションを決済できなければ、⑰で上に戻されてちょっと焦るかもしれないが、⑰のような戻りのローソク足が発生したら、すぐに逃げるのが得策である。

⑱ ⑰で逃げなかったら、ここで逃げるというのは悪手である。
さらに言えば、筋が悪いと言わざるを得ない。

もし⑱が陽線なら逃げるのが遅いから悪手だし、陰性なのに逃げるとしたら逃げが早すぎる。

⑱まで待った以上は、⑯の安値を下に抜けるまで我慢するのが戦略上のベストの判断だ。

スキャルピングに限らず、投資には「聖杯」は存在しないので、トレード戦略にも絶対の正解は存在しない。

したがって、私のトレード戦略の解説を決して妄信しないで、ご自分でもいろいろと試行錯誤していただきたい。

そうすることでしかFXで生き残る術はないし、その試行錯誤こそ上達へのカギに他ならない。

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