味の表示・学生のスキルの可視化
最近、大学で学生の成長を可視化する方法を考えていて、その関連で食べ物、飲み物の味の表示を考えています。
「味の表示」って結構コーヒーとか酒とかのパッケージの裏ラベルで示されることがあって、いろんな様式がある。
ワインとかだと単語で味を羅列していくという感じ。
できれば言葉じゃなく視覚化できたら良いな―と思いつつ、色々見ています。
よく見るのはレーダーチャート。
このレーダーチャートがあんまり好きじゃない。
わかりやすいんだけど、好きじゃない。
食べ物と人間の評価をごちゃまぜに議論して申し訳ないけど、これがね、人間にやるのがどうなのかっていう。
このレーダーチャート、
・面積が大きい方が理想像に思える
・減点法に見える
・凹んでいる部分が「足りない」に見える
っていうのがどうかと思う。
チョコの例を考えてみる。
↑のレーダーチャートはチョコレートのものらしい。
チョコレートって、チャートの項目に出されている香りすべてが強いことが満点ではない。
ナッツの香りが特徴のチョコレートが、花香も果実香も強い必要はないし、逆にそんなチョコレートは美味しくない。
でもレーダーチャートになると、花香が「足りない」ように可視化されるように思える。
もう一つの問題は、酸味が「少ない」ことが特徴のチョコレートの、「少ない」ことを肯定的に評価できないことにあると思う。
どこまでいっても減点法の、足りない部分の可視化に思えてしまうから、あんまり好きじゃない。
チョコレートなら、「酸味が無いことも特徴の一つだ」っていうのは理解しやすいかもしれないけど、人間の評価をレーダーチャートにすると、「リーダーシップが少ないことも特徴の一つです」と、受け取る側の学生は好意的に解釈できるだろうか。。
とにかく大学の教育評価は、学生を足りない存在、不足した存在として決めつけて、その穴を教育で埋めようとしているような風潮がある気がする。
そうじゃなくて、1人の人間として、足りない部分とかじゃなく、「僕はこういうタイプです」と胸をはれるような可視化を目指したい。
先日、近隣の某大学の取り組みで、大学の4年間のスキル成長評価を行うというのを見せてもらったときに、レーダーチャートで表示していて、ちょっと残念な気持ちになった次第。
味の評価から学ぼう
チョコレートやコーヒーなら、「苦味が少ない」のが特徴だと分かるのに、なぜ人間だと全部が満点じゃないといけないような妄想に取り憑かれるのか。。
そんなわけで、いろいろと味の評価のチャートを見ているところ。
軸に配置するやつは日本酒とかでもよく見る。
この軸を作るのは結構むずかしい。
弱点としては、原点付近が「特徴がない」ように思える。
あと、線形に(みかんの図だと右上から左下に向かって斜めに)並ぶのなら、あまり意味がない。
ちゃんとバラけていると、軸で比較する意味が出てくる。
というかみかんの「とろとろ」って何!? たべてみたい。
二軸マッピングの弱点は、二軸で表せない味質が表せずに、たった2つの軸に還元されることだ。
そういう意味では、明太子が「辛さ」(横軸)と「コク」(縦軸)だけで表せる訳がない!と気づいたこのサイトはすごい。
で、工夫としてメーカーのマークの色を分けることで「口当たり・食感」を示して、よりリッチなグラフにした。素晴らしいですね。キューブあげます。
「竹直味噌」というお味噌屋さんの3種比較のグラフ。
これめちゃおもろいですね。
「農家の頑張り」めちゃ良い。こういうグラフを集めていきたい。
専門からツッコむと、そりゃ指摘したいポイントはあります。
でもそんなの、専門を振りかざして「正しくない!」とか言うのは野暮よ。
という感じで、これからいろんな、工夫に満ちた味の評価のチャートを集めていこうと思います。
・味の可視化を、味覚センサーで測るだけじゃない、人間味あふれる方法でやる
・学生のスキル成長評価の可視化に応用する
が目標ですね。
がんばります。
(これは味覚センサーの教科書です。味覚センサーはいくつか分析で使ったけど、やはり都甲先生のセンサーが良いですね。)
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