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ASAHIKAWA DESIGN WEEK 2019 :テーマは「クロスオーバー」

ASAHIKAWA DESIGN WEEK 2019(ADW)の記者発表会に参加。昨年はとんぼ返りを強いられほとんど展示を見ることなく終了でしたが、素晴らしい出会いもあり毎年欠かさずのお楽しみ具合に感謝しています。

冒頭登壇した旭川家具工業協同組合 代表理事の渡辺直行さんは、技術偏重になりがちな時代にあっても、それぞれの経営者が美意識をもって世の中を変えていく気概を説いた。

つづいてクリエイティブディレクターの(株)MIRU DESIGN代表取締役 青木昭夫さんが、ASAHIKAWA DESIGN WEEK 2019(ADW)のコンセプトを詳細に説明した。

世界一のものづくり王国を標榜する旭川には100社以上の家具メーカーがあり、織田コレクションや豊かな資源、IFDA世界コンペといった若者が育ちやすい土壌があり、そうした優秀な人材や環境を求めてデザイナーが群がるという図式ができあがってきた。

その中心として昨年リニューアルした旭川デザインセンターが存在し、一般市民が家族連れで参加する文化の中心として成長した。これがADWの来場者に旭川市民が増えた理由のひとつでもあろう。そうした盛り上がりに呼応するように、ADWには札幌や帯広を中心とした道内のほか、東京、大阪、福岡からも来場者が押し寄せるようになった。昨年の16,500人に対し、今年は20,000人の来場者を目標にしているという。

ADW2018の目玉の一つ、喜多俊之さんらによるHOTEL SPACE DESIGN PROJECTは、グラフィックのアートディレクションで展示が生まれ変わったことの成果として海外の高級ホテルに導入が決まったそうで、どうやらちょっと敷居の高いところに刺さっているという。

ADW2019のキーワードは「Crossover(クロスオーバー、交差点)」。北海道第二の都市である旭川が海外との交差点であることにより、人種、デザイン、空間、食、材を掛け合わせる試みが考えられている。

目玉となるインスタレーションも、フランス人デザイナーのグエナエル・ニコラさんに依頼。「Nature Palette」と呼ぶ旭川の自然に見られる四季折々の色を取り入れたり、木工に対してデンマークのkvadrat(クヴァドラ)のファブリックの融合が企画されていることが発表された。

クヴァドラの藤本美紗子さんも「座ってひとときを過ごす文化はデンマークと似たところがある。クヴァドラには3500色のファブリックカラーがあるが、それらが旭川の自然がもつ色彩をどう表現するのか楽しみ」と語ったが、この言葉に今回の魅力は言い尽くされていると思う。ハイシーズンの旭川で大自然とともに人との交流、デザイン、食、そして材の融合を楽しむ、そんな毎年の楽しみは、あともうすぐ。


いい音&大画面があることで日々の暮らしが豊かに。住宅というハコ、インテリアという見た目だけでない、ちょっとコダワリ派の肌が合う人たち同士が集まる暮らし方を考えていきたいと思っています。