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ちょっとリッチな大人のための照明〜アンビエンテック×田村奈穂〜

2019年3月にAXISギャラリー東京で開催されたアンビエンテック新製品発表会の模様をリポートする。

まずひとつめ、TURN(ターン)のキャッチフレーズは、「暗みをつくる灯り」。夜を特別な時間にするために、人が集まる中心に置くテーブルランプとして考えられた。

3種類の金属削り出しで成型し、暗闇で触感を楽しむ演出。文鎮のようにずっしりとした真鍮、マットブラックで存在を消したかのようなアルミはひらりと軽い。ステンレスはその中間的存在になるだろうか。(実際は、真鍮=ターン・ブラス約1240g、アルミニウム=ターン・ブラック約530g、ステンレス=ターン・ステンレス約1190g)

テーブルに一定間隔で並べると、備え付けのデスクランプのようにも見える。しかし実際はコードレス可搬式でUSB充電により、Loで150時間、EX-Highで5時間点灯。充電台もセットになっている。

光源はLEDで調光は4段階。それにつれて白熱球のように色温度も1800〜2500Kで変化し、Ra95と演色性にも優れる。

しかもIP66準拠で防水性能も備え、キッチンやアウトドアでも使える。ダイビング照明などの業務用機器を手がけてきたアンビエンテックならではの質実剛健かつ精密なものづくりを以てすれば、むしろ得意な製品だったようだ。

ターン・ステンレス 42,000円+税
ターン・ブラス 42,000円+税
ターン・ブラック 29,000円+税

一方のSage(セージ)。ハーブのセージに由来する本作は、太陽に代わって光の源となる照明というものの根源に遡ったともいえる意欲作で、光合成装置である葉を○とIだけでデザインしたもの。新たな挑戦を世に投げかけ形にしていく「プログレッシブ・コレクション」の1ページ目を飾る作品でもある。

照明器具というより鉄道模型のパンタグラフのような精密さ。これを工業製品に仕立てるのは、アンビエンテックにとってもかなりチャレンジングだったという。

そして、見て欲しいと言わんばかりに、色が異なるLED素子が”葉”の裏側に並ぶ。葉脈からインスピレーションを受けたという。LED素子は、アンビエンテックのオリジナル。演色性Ra80で2700K、4段階の調光も可能だ。

「純粋に美しいモノを創ろうとしたときに、何をしたいのかに立ち返ることになりました。使う方にも使い方を考えるきっかけになればと思います」

デザイナーは、ニューヨークを拠点に活躍する田村奈穂さん。気さくな語り口の中にも繊細な洞察力と芯の強さが漲っているように感じた。

セージ 36,000円+税

これらの新作は、ミラノデザインウィーク2019にて田村奈穂さん自身の監修による展示 “ festive glow ” cordless lamp designed by Nao Tamura でも披露される。

日時 : 2019年4月9日(火) ‒ 4月14日(日) 9:00 ‒ 20:00
会場: GALLERIA ROSSANA ORLANDI
VIA MATTEO BANDELLO 14, 20123 MILANO
田村奈穂の在廊予定は、 4月8日(月)15:00-19:00のプレスカンファレンスと 4月9日(火) 9:00-12:00とのこと。


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