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Think difficult

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思考を刺激し、ヒントを与えてくれる色々。難しく考えた思考の断片や、気になった記事のスクラップをまとめています。
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伝え、教えるという行為の難しさ

無駄に積み上げた経験と、それによって得た知識や知恵。 自分のために身につけてきた自分のためのセオリーとは言え、 それらを自分以外の人に伝えることで、喜んでくれることも多かったりする。 音楽・楽器を演奏したり、 演奏するための道具に関する蘊蓄など、 確かに豊富に持っていると言って良いのかもという自負もある。 ただし、 感覚に左右される事が多いこれらの行為に、100%ただしい答えがあるとも思っていない。 自分のためのセオリーは、あくまで自分のためのものであり、 それがそのま

立場や環境が違えば考え方に違いが出るのはわかるんだが

自らが、自らの経験やそれに伴う知識や知恵、はたまた技術を後進のために残そうという、なんとも大それた、偉そうな行為に出てしまったため、 一体どんな方々が、 同じようなテーマで どのようなことを発信しているのか、 気になって時々こっそり探ってみたりする。 自分では思いも及ばない素晴らしい内容であったり、 目からウロコなアイデアであったり、 皆さん、本当によく勉強しているし、 良く考えていらっしゃると感じる事が多い。 もちろん、 自分とは全く違う考え方をしている方もいるが、 そ

雑談。それは素敵なコミュニケーション

雑談。。。 それは雑な会話などではなく、種々雑多なテーマについて、色々な角度から眺め、様々な切り口で吟味し、意味がありそうでなさそうなやり取りを繰り広げていくうちに、何やら楽しそうなものだったり、重要な結論みたいなものにたどり着く、楽しく、意味のある、大切なコミュニケーション手段なのである。 話が次々に逸脱し、飛翔し、ありえないものをめがけて突進していくところ、そのときそれまで無縁であったはずの知が相思相愛になっていく 出典:982夜『世界大博物図鑑』荒俣宏|松岡正剛の千

楽しい「観察と試行錯誤」の繰り返し

「俺はこの道何十年のベテラン、新人は黙っとれ」と言われることが。しかしどう見てもどう考えても違う、と、新人の方が気づいていることが。なぜこうした現象が起きるのだろう? さりとて、新人ばかりでよいかというとそうでもない。大半の新人は経験がないと右往左往。どう考えるべきなのだろう? ナイチンゲールの言葉で次のようなものが。 『経験をもたらすのは観察だけなのである。観察をしない女性が、50年あるいは60年病人のそばで過ごしたとしても、決して賢い人間にはならないであろう。』 観察し

頭でっかちより「観察と試行錯誤」

日本にイノベーションが起きにくくなった理由。それはもしかしたら、大卒が増えたからではないか、という気がしている。 戦後の日本は、大卒は非常に少なかった。多くが中卒、高卒。場合によっては尋常小学校まで、という人が多かった。パナソニック(松下電器)の創業者、松下幸之助は小学校中退。 高度成長期時代、日本の製造業には、「金の卵」と呼ばれて中卒の人たちが地方からたくさん就職した。で、開発研究する部署には大卒が多かったかというと、どうもそうでもないみたい。「お前、これをなんとかものに

「ゆらぎ」による試行錯誤プログラム、驚くこと、先回りしないこと

息子が新生児の頃、顔にひっかきキズが。自分のツメで顔をひっかいてしまうらしい。腕はしじゅう動いているが、動かそうとして動いているというより、動くようにプログラムされているらしい。それもランダムに。だから顔をひっかいてしまうことが起きるという。しかしそのうちひっかかなくなった。 もう少し大きくなったとき、積み木をつかもうとするのだけど空振りしたり、ふっ飛ばしたりした。そのときには意識的に腕を動かせるようになっているのだけど、腕はまだゆらゆら動いていて、正確に動かすことはできな

「見る」と「観察」の違い 考

私達は「見ているのに見えていない」ということがよく起きる。道端の石ころ(路傍の石)は目に入っていても気にもとめない。自分の大切な人の変化も、目の前にいるのだから見えているはずなのに気づかない。そんなことがいくらでもある。 ナイチンゲールに次の言葉がある。 『経験をもたらすのは観察だけなのである。観察をしない女性が、50年あるいは60年病人のそばで過ごしたとしても、決して賢い人間にはならないであろう。』 看護師になるには、「見てる」だけではダメで、観察することが大切だと言って

ノイズを取り去り、如何に自分にとって有益な情報を得るか

何かわからないこと、 なにか知りたいこと、、 気になること。 インターネット上を検索すれば、 様々な人が、いろんな情報を発信していいることがすぐに分かる。 あんなことやこんなこと、 めちゃめちゃ細かいことまで、 みんな、色々感じ、いろいろ考えて、 それぞれにとって有益な答えを見つけ、 その答えを情報として世界中の人たちと共有するために発信している。 幸いにも、自分にとってドンズバな情報にたどり着くことができれば、 これほど助かることはないだろう。 しかし、中には 発信

「上手くなれ」よりも楽しんでもらうこと

自分は努力したから今の地位がある、と考える指導者や親は、「だから努力しなさい」という指導になりがち。そして「努力すれば上手くなる」という指導になりがち。みんな上手くなりたいはずだ、上手くなるには努力しなければならない、と。しかしその指導だと脱落者が多くなる。 たとえばピアノだと、たとえつまらなくても苦しくても、上手くなりたければバイエルの練習曲を弾きなさい、となる。すると、ピアノ教室に入るまではピアノの弾くのが大好きだった子が嫌いになることが多い。そうした子に指導者は、「努

「自主性」がよくわからない・・・能動性を引き出す

教育界では「自主性を重んじる」というフレーズをよく聞く。ただ、具体的にどうすることなのか私にはよくわからない。自主性を大切に考えるだけで自主性は促されるかと言うと、どうもそうでもないように思われる場面に出くわすことがある。そこのところを少し考えてみたい。 とある企業が若者を採用し、好きに事業を立ち上げろと任せた。予算もつけてやると言われ。何を始めても構わないものすごい自由度。 しかしその若者は何を始めたらわからず、不眠に陥り、精神の平衡を失い、統合失調症に陥ってしまった。自

概念としての知は、真の意味での知を得るためのヒントでしかない

情報が溢れかえっている今だからこそ心に留めておきたい。 感覚を伴わない知識は、単なるデータ(記録)であって、自分自身の知恵ではない。 思考を伴わない知識は、単なるデータであって、自分自身の考察ではない。 そういったデータ、情報をいくら蓄えても、自分自身の成長につながるとは思えない。 データ貯めるだけだったり、決まった処理をするのであれば、コンピュータのほうがはるかに効率がいい(笑) たくさんデータを残しておくなら、脳より電脳やろ(笑) 知る〜解る〜出来る〜伝える〜解

点と点のつなぎ方

点と点をつなぐ、という表現がよく使われる。無関係だと思っていた点と点も、つなぐと線になるということだ。クリエイティヴ、創造性の話になるとよくそれが出てくる。 スティーヴ・ジョブズの有名なスタンフォード大学でのスピーチでもそれが語られている。 大学時代、単位と関係なくカリグラフィーの授業を履修した。そこで学んだことが将来マッキントッシュの美しいフォントをつくることにつながったという話だ。 彼はまた、日本の電化製品にヒントを得て、マグネットで着脱可能な電源も自分の製品に取り

欠落を補ってもらう

まず親が立派な人間になり、子どもの見本とならなくては、という話をよく目にする。でも私は、親として欠落があっても構わないと思う。そして、その欠落を子どもに補ってもらえば、なおよい。昔、「あさイチ」で行われた実験はその点で大変興味深かった。 「交差点で飛び出しちゃダメ!」と何度言っても聞かない子どもたち。その子どもたちにある課題を与えた。目隠しした親と一緒に交差点を渡ってほしい、というもの。すると、子どもは必死に左右を確認し、安全であることを念入りに確かめて、親の手を引いて道路

「表現の草野球化」という言葉をYoutubeへの分析についての発言で聞いた。草野球は楽しむなら素晴らしい趣味だが、ドラフトにかからずプロ球団にも入らなかった人が自分の草野球を見せて彼らと同等に悦に入っている姿はちょっと違うよな、という話。わかるなあ。