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外郭ビタビタ 小田原城

お城は天守閣だけじゃない!

tvkの「あっぱれKANAGAWA大行進」を観て展望足湯や駅舎カフェいいなと思いながら書いている。
この番組のなにがおもしろいってアキラ100%が服を着てお盆片手にロケしていることが一番おもしろい。

小田原城は駅から10分も歩けば到着し天守閣や門が復元されている。
お堀沿いの桜並木は見事で、城に興味のない健全な人でも花見を理由に誘うこともたやすい。

しかし城マニアは小田原城を満喫するには小田原城に行くだけではダメなのだ。

公園として整備されている小田原城の範囲は本丸・二の丸に過ぎず、
コース料理に例えるならメインディッシュとパンだけなのだ。
お手軽ならそれでもよいが、フルコースを味わいたいなら周囲の遺構もぜひ味わいたい。

小田原城のすごい点は城下町全体を全周約9kmの空堀と土塁で囲っているのだ。
街の外郭を城壁で囲む、進撃の巨人のアレと同じである。

それでは小田原城では総構と呼ぶ外郭をまわってみた記録はじまりはじまり〜👏


八幡山古郭東曲輪

まずは小田原城と線路をを挟んで反対側にある八幡山古郭東曲輪へ。
行き方は小田原城とは逆の西口を出る。

投手(小田原城の内角を攻めなくていいのか・・・?)
捕手(大丈夫、外角で勝負できる)
と脳内バッテリー強気のリードで新幹線をくぐり在来線の北側を進むと台地の端っこのような光景が広がっている。

登ってみるとそれまで見上げていた小田原城と目線が並行になる。
甲府や水戸同様空堀に線路を通したことがよくわかるスポットだ。
小規模なのでだいたい10分ほど見ればよろしい。

 


 小峯御鐘ノ台大堀切

線路に並行して歩き、東海道線箱根登山線がトンネルに入ったあたりで北上し競輪場方面を目指す。
豆知識だが小田原競輪場は1周333mで直線が短く逃げた選手が残りやすい。
予想の参考にしてくれれば幸いである。

豆知識2粒目だが日本の競輪場は333m、400、500mの3種類があり500mの競輪場では捲り、追込が後方から届きやすい。
野球場のようにグラウンドの広さで得意な選手・苦手な選手が出るところもまた予想の醍醐味である(まーた野球の話)

競輪場を過ぎ相洋中・高を過ぎれば目当ての城山公園だ。
(ご丁寧に海と城のビューポイントがあり看板に偽りなしだったぜ!)

ここは堀切の保存状態が素晴らしくどこまでも続いている気がするし、
こんなのを9km張り巡らせた北条さんはハンパない。
現代でも登る気が失せるし雨なんか降った日にゃ絶対に登れない。

嬉しくて自撮りしちゃう

道中は小田原城から遠く離れて不安になるが、
行った身からすると絶対に訪れてほしい場所。
ここはいようと思えば30分以上過ごせる!!

三の丸外郭新堀土塁

そのまま山を下りるように三の丸外郭新堀土塁がある。
得点圏の土塁ランナーは警戒しなければならない。
そもそも城郭は侵入者を監視する場所であったため見晴らしがよい。
ここから石垣山一夜城も見えるそうだが、んまぁそう…よくわかんなかったです。
ここは海をバックに新幹線を撮れる。
滞在というよりはゆっくり下りながら楽しめる。

↗︎が新幹線、左手の緑が土塁

小田原短大の横あたりを通ると総構があったであろうライン上にお寺が多く残る。
防御に寺を置くのもよくあるパターンのため、公園として整備されていない場所でも当時をイマジンすることができる。


早川口遺構

線路をくぐり並行して西へ進み箱根登山鉄道が分岐するあたりの、
住宅街の真ん中にあるなんの変哲も遊具もない公園がある。


空き地か?と思ってしまうぐらいだが、よく見ると土塁の名残がゆるやかに長く残っている!
外側の道から見ると用水路のキワになっておりこれは盛ってんで!とわかりやすい。
規模は小さいので10分で十分楽しめる。


三の丸小学校

最後は外郭ではなく小田原城のインローを攻める。
ここは文政五年(1822年)の小田原藩校にルーツを持ち、
統合前は1992年まで城内小学校として二の丸にあった。
長い歴史過ぎて、みずほ銀行より複雑な系譜をしている。


人生2度目でブラッシュアップできるならここに入学してみたい。
校舎が瓦屋根、白壁で囲む武家屋敷風の母校なんて最高である。

敷地内にも土塁が残るが外からジロジロ校庭をのぞく不審者とならないようコソコソとウロウロするのがよろしい。
職質されても、
「城マニアです✨小田原城が好きなので今日も総構を巡って来たんです!城って天守閣だけじゃないんですよ。あ、カメラロール見ます?」
と言えば大丈夫だ。

これらを回ると地図上では6kmだが大堀切、外郭土塁へは
アップダウンがあるため半日くらいかけてのんびりお散歩してほしい。
とくに桜の時期や梅の時期は道中が楽しくなるので春がおすすめである。

城記事を書くにあたって第一回はどこにしようと悩んだ。
野球でいえば初球の入り方である。
キャッスルトライクゾーンでいえばど真ん中は姫路城であるがホームランを打たれるおそれもある。
まずは慎重にストライクを狙い、桑田真澄が言っていた基本はアウトロー⚾️
2021年の春、外郭にミットを構えた記録でした。


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