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JR東日本パスで久保田城(秋田市)

3/2〜3/15の間、22,150円で新幹線特急含め全て乗り放題、
指定席も4回取れるつよつよきっぷが再発売される。

普通に「はやぶさ」で東京〜仙台を往復するだけで
22,820円かかるため元がとれるどころのレベルじゃない。

きっとえきねっとにはママタルトもびっくりの肥満がいるのだろう。
昨年10月に鉄道150周年記念で企画してくれた太っ腹をまた出してくれた。
期間中は東北方面の新幹線、宿の空きが一気に埋まる現象すら起きた。

昨年3日間使い倒した思い出をお城とともにつづる。

秋田新幹線はアトラクション

こまち号は盛岡まではやぶさと連結して、
盛岡〜秋田は新幹線を降り田沢湖線、奥羽本線を走る。

東京〜盛岡間は距離にして535キロをだいたい2時間
盛岡〜秋田間は127キロをだいたい1時間半くらいと
新幹線と在来線の違いがくっきりする。
高速道路と一般道のような感覚だ。

乗車時間だけでなく、乗り降りする際にも体感する。

新幹線と在来線では車幅が違うため、新幹線サイズで在来線に入るとトンネルやホームにぶつかってしまう。
そのためこまちの車両は在来線の特急車両サイズで作ってある。
車内の座席も新幹線の2-3ではなく2-2だ。

すると今度は新幹線を走る際に車両とホームとの間に余裕が生まれすぎ、距離が出来てしまう。
解消するために新幹線ホームではステップを出し、在来線では畳む。
鉄道マニアはこんなところも観察しニヤニヤしている。 

東京にて、ステップを出している
秋田にて、ステップを畳んでいる

田沢湖線は奥羽山脈を突っ切るため谷合いを川に沿ってクネクネ走る。
トンネル一直線の新幹線からガラッと変わる。なんなら単線だ。
新幹線の座席に座ったまま絶景ローカル線の車窓が楽しめる。

新幹線との速度差に耳ツーンなるわ

大曲から秋田は奥羽本線に入るが、ここで方向転換する。
大曲〜秋田はこまちの停車駅だとひと駅のため、
みんな座席を転換することなく逆走のような感覚で秋田へ向かう。
まさに180°の大曲がりである。

田沢湖線はこまち号に合わせて線路の幅も新幹線サイズに変えたが、
奥羽本線の普通列車は在来線サイズのため線路が3本ある区間がある。
正式には三線軌条という。
5弦ベースや7弦ギターに萌える人はぜひ訪れてほしい。

これで在来線も新幹線も走れるよ!

秋田行きのこまちに乗っているとちょうど三線軌条の上を走っているので観察はできないが、
秋田発のこまちに乗った際は並走する対向線路が三線軌条のため、
ニヤニヤしながら在来線と新幹線の幅の差を観察してほしい。

ただ秋田まで移動するだけでこんなに盛り上がれる、
鉄道マニアは我ながら本当におめでたい人種である。

久保田城

秋田駅から徒歩7〜8分、ドーミーインの目の前にある久保田城。
千秋公園として地元民のお散歩コースになっている。
きれいな目をしたネコも歩いていた。
千秋もぷぅぷぅしながら歩いているかもしれない。

城猫プロジェクト

城マニア観点からすると、石垣を使わずに土塁と水堀の城は珍しい。
佐倉城などあるにはあるが少ない。
思わず侵入者ごっこして登りたくなる。

良い子は土塁を登ってはいけません

水堀は半分が蓮池どころか蓮根畑状態だった。
よく外堀を埋めると言うが蓮で埋め尽くされているのは初めて見た。

堀…?
ドーミーインの客室から
表門は立派に復元されていて往時をイマジンしやすい
秋は楓が色づいてきれいだろうな

門ひとつ建てるにしてもべらぼうなお金がかかる。
どっかの城で復元する際に太い柱一本一千万円かかると聞いた。

復元に用いた木の根元が展示してあり、
これだけ太い木を見つけて、運んで、組み立てて…と考えると
それぐらいかかりそうな気もする。

お城は防御はもちろんのこと、
オレ様は!我が藩は!これだけ予算持っているんだ!だから逆らうな!
25万石ドォォン!!という威厳見せつけの側面もある。

城内には展望台も兼ねて御隅櫓が復元されているが、
展望台を作るために本来は二重だった櫓を三重櫓に盛ってしまった。
デカくしたので木造ではなく鉄筋コンクリート造りという本末転倒な復元。
こういった建物を模擬櫓という。
デリカシーなく言うとニセモノです。

整備費をまかなうためにはある程度ライト層を取り込まなければいけないし
そもそも公園なので城マニアのものではなく市民のものであるし
観光施設という側面で展望台を設置したい意見は充分にわかる。

ただ、うるせぇマニアの小言として
「昔はこんなに大きな建物はなかったのにな」という気持ちはある。
もしあなたの隣の人が模擬櫓についてブツブツ言っていたら「うるせぇ!」ときりたんぽでビンタしてやってほしい。

地酒の話🍶

展望台に入ってみると(なんだかんだでちゃっかり入っている)
市街地の奥に小高く緑が広がっている高台が見える。

この緑の丘が高清水である

高清水であると言われても「😳?」となる人もたくさんいると思うので
あっさり説明すると「高清水」という銘酒がある。
秋田新幹線で飲んでたワンカップも高清水だ。

ここからはオタク特有の早口になるので下戸の方は流し読みしてほしい。
高清水はスッキリという感じではなく、酸味を感じる味わいで
赤ワイン好きの方におすすめしたい。
秋田には高清水の他にも魅力的な地酒がたくさんある。

「雪の茅舎」はお水かと錯覚するくらいにふわりと後口がさわやかで、
「阿櫻」は白ワインのようにフルーティーな香りが広がり、
「太平山」は米の甘味がしっかりと味わえる三酒三様で味比べも楽しい。

雪の茅舎の純米酒は濾過無し・加水無し・櫂入れ無しで
極力人の手を加えずに酵母に任せる造り方をしている。
こんなにおいしいものを自然はつくりだせるんだと感動して泣き酒になる😭

ちなみに呑ん兵衛は新潟で八海山を見たら
「あれが八海山かぁ〜!いつもおいしいです!ありがとう☺️」となる。

私も御隅櫓の模擬復元にブツブツ言っていたものの、
「んほぉ〜、ここは高清水が見やすいなぁ〜!展望台作った人えらい!」
と前言撤回した。
二重から三重に変えた櫓に比べれば二枚舌ぐらいかわいいもんである。

秋田の地酒の味比べは舌が何枚あっても足りない…

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