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【今月のトークテーマ】『サイレントヒル2 最期の詩』は僕にホラーゲームの魅力を教えてくれた。【伊藤ガブリエル】

今月のトークテーマはホラーゲーム。このテーマがあがってきた瞬間、僕が書きたいと思うタイトルは一つしか思い浮かびませんでした。怖がりの僕が普通にホラーゲームをプレイできるきっかけとなった作品についてお話していきたいと思います。

※『サイレントヒル2』のネタバレが含まれます、ご注意ください。
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ホラーゲーム=怖がらせてくること”だけ”に注力しているという自身の認識

僕にとってホラーゲームはとても苦手なジャンルでした。幼少の頃、友人の兄に見せられた『バイオハザード2』。そして近所のスーパーに入っていたゲーム屋さんに設置されていた、大きなブラウン管テレビで流される『バイオハザード3』のOP。それらを見て以来ゾンビというものが苦手なものになっていました。映画やドラマ・漫画でも、ゾンビ・感染者の類が出てくるものは観ることはできても、どうしても苦手意識が消えません。今でも怖い夢を観るときによくゾンビが出てきます。

そうした体験に加え、もともと怖がりなのもあいまってホラーゲームとはほぼほぼ無縁の生活を過ごしていました。「ホラーゲーム=怖がらせてくること”だけ”に注力したもの」という認識がいつしか植え付けられてしまっていたのです。唯一『F.E.A.R. First Encounter Assault Recon』とその拡張パック2本は遊んでいましたが、ホラー部分に差し掛かるたびに枕を抱えながらびくびくと進めていたくらいです。そんな僕がしっかりホラーゲームと向き合いを遊べるきっかけとなった作品が『サイレントヒル』でした。


あの静かで不気味な街での体験が僕を強くしてくれた。

そもそものきっかけはとある友人の一声でした。「サイレントヒルシリーズは話がとてもいいのでぜひやってみてほしい。きっとガブリエルなら気に入ってくれると思う」、そういって友人は勧めてくれて、僕はその言葉を信じプレイしたことがきっかけです。

ゾンビよりもグロテスクなモンスターたちと霧に包まれた現実の世界。その世界すらも裏返り、真っ暗な視界、壁や地面のそこかしこに血のような黒い染みがつき、パイプやフェンスなどが立ち並ぶおどろおどろしい不気味な世界で繰り広げられる体験。恐怖を突きつけられながらも前へと進む主人公とプレイヤー。そして直面する過去と結末。その体験の中に人間の、プレイヤーの心を揺さぶる何かがありました。

そうしたシリーズの中でも『サイレントヒル2 最期の詩』を遊んだ経験は、今でも忘れられません。怖いという感情に包まれながらも進んでいくうちに、主人公であるジェイムスとその妻であるメアリーにまつわる真実が明らかになった時、ホラーゲームでこうしたシナリオを描けるのか…このテーマをゲームとして出してしまうのか…という驚きを隠せませんでした。詳しくは話しませんが、僕自身介護をしていたという境遇にあったこともあり、今作の主人公であるジェイムスに自分を重ねてしまっていました。

今作はマルチエンディングとなっているのですが、初回プレイで到達した結末を見て、僕は号泣してしまいます。僕にとってここまで心を揺り動かされたゲーム作品は今までにない…そう言い切れてしまうくらい、ジェイムスがたどったメアリーを探す旅路は今でも僕の心に刻まれています。きっとスタッフの方々のなかに介護を経験なさっている方がいるんじゃないかと思うくらい、ジェイムスとメアリーの言葉と心情が生々しくて、深く心に刺さるものでした。「ホラーゲーム=怖がらせてくること”だけ”に注力したもの」という自分の認識を覆してくれたこのシリーズとの出会いに、そしておすすめしてくれた友人にとても感謝しています。


この『サイレントヒル2 最期の詩』の体験を経てから、僕は今まで怖そうと見送っていたホラーゲームたちを遊んでみようという気持ちが生まれ、有名な作品はもちろん、なにか心に刺さったものを見つけては買ってみるようにしました。怖いだけではない、怖いからこそ生み出せるものがゲームにもあることがわかったので、そうした作品を見つけていければ嬉しいですね。1ヶ月間くらい、なにも考えずにこれらを遊ぶ時間がほしいものです…!


またサイレントヒルシリーズ自体も未だに3までしかやったことがありませんが、今後とも4 やゼロ、Home Comingなど追いかけていきたいですね。
ホラーゲームに関してはこの記事で書いた通り、まだまだ未開拓なので、もしこの記事を読んでいる皆様でおすすめホラーゲームがあれば、コメントでぜひ教えていただきたいです!

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