ASML 決算発表について

ASML Holdings {ASML}

-露光装置メーカー世界最大手。半導体の先端プロセスで使われるEUV露光装置で世界シェア90%超。

-売上高構成比率ではEUVシステムが26%、ArF液浸露光システムが47%、その他はArF Dry、KrFなど。

-地域別売上高構成比率では、韓国が29%、台湾が22%、中国が34%、米国が6%、日本が7%。

-最終需要別ではロジックが50%、メモリーが50%(1Q22時点、前期はロジック73%、メモリー27%)。

-22/12期1Q決算は、売上€3.53bil(予想€3.48bil ・ 会社計画€3.3bil - €3.5bil)コンセンサスおよび会社計画を上振れ。

-粗利益率 49.0%(予想49.2% ・ 会社計画49%)コンセンサス下振れ。

-純利益 €695mil(予想€649.7mil)上振れ。調整済みEPS €1.73(予想€1.62)上振れ。

-EUV露光装置出荷台数 9台、売上が認識されたのは3台(€591mil)。

-22/12期2Q会社計画は、売上€5.1bil - €5.3bil(予想€5.81bil)下振れ。

-粗利益率 49% - 50%(予想53%)下振れ。

-22/12期通期会社計画は据え置き。売上YoY+20%(予想+19.66%)上振れ。EUV露光装置出荷数 55機を据え置き。粗利益率はYoY▼1ppt悪化する見込みだが、1H22が49%、2H22が54%と下期にかけて改善見込み。

-25/12期中期目標は下半期の上方修正を検討中(4Q22のCapital Markets Dayに行われることを想定しているが、サプライチェーンの状況を踏まえlow-NA EUV、DUVの出荷が想定通り行えるか否かの実現可能性調査を実施中)。現時点における中期目標は売上€24bil - €30bil、粗利益率54% - 56%。

-2Qの会社計画が下振れているが、その背景には出荷サイクル短期化措置(Fast Shipment)に伴う売上計上タイミングのズレが背景として挙げられ、売上€800milが下半期にかけて計上予定。

-会社側は出荷サイクルを短縮化させるために検査前の時点で出荷しており、検査工程は顧客の工場での生産と同時並行で行われている。売上計上は顧客側が機械について承認をした段階で計上されるため、売上計上タイミングが遅延する傾向が前期からみられている。粗利益率についてはDry、Immersionの割合が上昇したことによるミックス悪化が背景。

-1月に発表したHigh NA EUV(TWINSCAN EXE 5200)についても新規受注を獲得しており、現状ロジック顧客1社、メモリー顧客2社から受注を獲得。本格的に売上成長に寄与し始めるのは25/12期からと会社側はコメント。

-部品不足や原材料高の影響を受けているとはいえ、最終需要についてネガティブなコメンタリーがみられなかったことは+veな印象。生産キャパを増強し出荷ペースを速めるためにサプライヤー各社と密接な実現可能性調査を行っており、前述が可能であれば中期会社計画を引き上げることを検討していると伝わったこともポジティブ。各装置の25/12期中期見通しは下記の通り引き上げている。

o DUV露光装置:375機 → 600機(売上に対するアップサイドは€5.5bil)。
o Low-NA EUV露光装置:70機 → 90機(売上に対するアップサイドは€3.5bil)。
o High-NA EUV露光装置:5機 → 20機

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