ジョンソン&ジョンソン(JNJ)決算発表について

Johnson & Johnson {JNJ}


-ヘルスケア企業世界最大手の一角。

-売上高構成比率では医薬品部門が55%、医療機器が30%、コンシューマー(化粧品、OTC医薬品、リステリン、生理用品など)が15%。

-22/12期1Q決算は、売上$23.43bil(予想$23.62bil)下振れ。

-調整済みEPS $2.67(予想$2.58)上振れ、上限予想$11.38未達。

-医薬品売上高YoY+6.3%(予想+11.1%)下振れ。

-医療機器売上YoY+5.9%(予想+1.0%)上振れ。

-コンシューマー・ヘルスケア製品売上YoY▼1.5%(予想▼0.5%)下振れ。

-北米売上YoY+2.7%、欧州+11.3%、APAC・アフリカ+3.1%。

-コンシューマーヘルスケア製品では、OTC医薬品YoY+14.8%。米国における成人・小児の発熱患者数の増加、咳・風邪・インフルエンザおよび消化器系カテゴリーの売上回復、そしてTylenol、Mortrinなどのシェア拡大も大きく寄与(前期から継続)。スキンケア・美容はYoY▼13.0%とサプライチェーンの混乱による商材不足が重しとなっており、APACでのSenoba売却などから低調。オーラルケアはYoY▼12.2%とフロス事業の売却とCOVID-19による巣ごもり需要・特需の剥落がネガティブに寄与。ベビーケアはYoY▼8.6%と商材不足の影響が米国、EMEAでは顕著。Womens Health(生理用品など)YoY+2.6%、EMEAでの備蓄需要とLATAMでの値上げが寄与。

-医薬品部門では、癌治療YoY+10.6%、神経医薬+1.5%、ワクチン・感染症+30.0%、免疫治療+5.2%。

-医療機器部門では、股関節・外傷治療は前期から好調を維持しており、膝関節、脊柱・スポーツも新製品ローンチなどを通じて回復基調。手術製品+2.6%も市況回復、縫合糸ポートフォリオの強化、技術浸透(有刺鉄線縫合糸、局所皮膚接着剤)が成長を牽引。ビジョンケア+9.8%は市況回復、新製品ローンチ(Acuvue OASYS Multifocal、Define Fresh)、値上げ前の駆け込み需要などが牽引。サージカル向けも白内障治療のプロシージャーでシェアを伸ばしていることが寄与。

-22/12期会社計画を下方修正。調整済みEPS $10.40 - $10.60 → $10.15 - $10.35引き下げ(為替要因によって下方修正)。

-COVID-19ワクチンの販売予想は撤廃。1Qのワクチン売上は$457mil(予想$784.7mil)とコンセンサスを大幅に下振れ。

-コロナワクチンの売上・ガイダンス撤廃を除いて概ねポジティブな印象。通期利益を引き下げているとは言え為替要因に起因するため、特段ネガティブに捉える必要なく、医療機器部門の回復は業界全体にとってポジティブなインプリといえる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?