インテューイティブサージカル(ISRG)決算発表について

Intuitive Surgical {ISRG}

-ロボット支援による低侵襲手術「ダ・ヴィンチ・サージカルシステム」を手掛ける医療機器メーカー。ロボットを活用した軟部組織手術の分野で過去20年間トップの座に君臨し続けている。

-売上高構成比率では消耗品・サービスが54%、サービスが16%、ロボット販売が30%。消耗品・サービスはグローバルで行われる手術の回数によって変動するため、コロナウイルスの影響によって軟化している。

-手術におけるロボットの活用比率はグローバルで未だ低い水準にあり、競合他社であるMedtronic (MDT)の推計では米国において全手術の内、支援ロボットが使われているケースは全体の10%にしか達しておらず、グローバルでは2%前後に留まっている。

-2020年末時点で稼働しているISRGの手術用ロボット台数はグローバルで約5,800台。使われている用途は主に一般外科(腹部・鼠径ヘルニア手術)、尿便器(前立腺、膀胱、腎臓癌手術)、婦人科外科(子宮摘出、腹腔鏡下子宮筋腫核出術)など。前述3種類が使用用途の90%を占めている。

-出荷しているロボットの13%はオペレーティングリース形式で運営しており、年間のメンテナンス費用として徴収している金額は$80,000 - $190,000。

-出荷しているロボットの90%はISRGのクラウドプラットフォームと繋がっており、顧客に対する様々な支援およびトレーニングを実施している。また、顧客側は手術ロボットを使った際の効果をデータとしてより視覚的に確認することができるため、利用効率・稼働率の上昇を促している。

-22/12期1Q決算は、売上YoY+15%、$1.49bil(予想$1.43bil)上振れ、上限予想$1.49bilインライン。

-Non-GAAP粗利益率 69.8%(予想69.8%)インライン、前年同期71.8%から悪化。

-ダヴィンチ出荷基数 311機(予想318機)下振れ。

-ダヴィンチ設置機数 YoY+12.4%、6,730機。

-Procedure Growth(ダヴィンチを使った手術の回数)YoY+19%(予想+10.88%)上振れ。米国+16%、海外+25%。

-22/12期 Procedure Growth見通しを引き上げ。YoY+11% - 15% → 12% - 16%上方修正(予想+13.66%)上振れ。

-オミクロン株の影響によって緊急性を有さない手術(Elective Surgery)の件数が影響を受けており、その影響は1Q以降も継続する見込みだと会社側はコメント。

-病院側がコロナに対応するために人手・予算不足などの影響を受けているが、その悪影響を政府のCARES法による補助金が一部オフセットしている。金利上昇によって顧客側が融資を通じて同社の機器を購入することが難しくなる可能性についても言及。

-業績自体は好調かつProcedure Growthも上方修正しているのでポジティブな印象だが、説明会では保守的なトーンが目立った印象。

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