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「儲かる!○年越しビジネス」①10年越しの開発!油でギトギトの坂でも滑らない魔法の靴!②苦節10年!水分を一瞬で蒸発させる「バーミキュラフライパン」③25年越しで日本酒業界に激震が!お米を平たく精米した「扁平精米」で作る「真吟酒」とは!?

今回のがっちりマンデー!!は…
儲かる!「〇年越しビジネス」

ニュースを見てると、
何十年越しの開発を経て、ついに完成!
なんて記事がありますよね。

構想から50年以上、
2024年に北陸新幹線が福井県まで開通!や、

スペインの世界遺産「サグラダ・ファミリア」が144年越し、
2026年についに完成予定か!?など…

長く時間をかけたということは、
その分、他の会社が絶対真似できない
とんでもない儲かりアイデアが詰まっているはず!

10年越しに完成!
1200万足売り上げる靴「ハイパーブイ」
人気のヒミツは、油の上でも、全く滑らない!?

25年越しで日本酒業界に大革命!
驚異の精米方法は、「お米を平ら」に削る?

儲かる〇年越しビジネス!
何年も熟成された深みのある儲かりのヒミツが満載です!

※以下、6月25日放送の書き起こしです。

10年越しの開発!油でギトギトの坂でも滑らない!?魔法の靴「ハイパーV」

まず最初にやってきたのは…

岡山県岡山市の「日進ゴム」という会社。

お迎えいただいたのは商品開発部の原田龍二さん。

スタッフ:こちらは何の会社なんですか?
原田さん:弊社は、シューズメーカーになります。
スタッフ:靴を作っている会社?
原田さん:はい!
スタッフ:年間売上げは?
原田さん:ここだけの話ですが、28億円!
スタッフ:儲かってます?
原田さん:がっちり!です!

そんな「日進ゴム」の〇年越しの儲かり商品とは?

原田さん:こちらがめちゃめちゃ滑りにくい靴。製品名が「ハイパーV」といいます。
スタッフ:滑りにくい靴?
原田さん:はい。

一体、何年越しなんですか?

原田さん:10年越しでがっちり!です。

「日進ゴム」が10年越しで開発した、めちゃめちゃ滑りにくいという「ハイパーV」は作業用のワークシューズ。

土木建築用や…

厨房用など、様々な形があるのですが、その特徴は靴の裏に…

原田さん:なんてことないソールに見えると思うんですけども、V字形状が連続しています。
スタッフ:この部位が大事なんですか?
原田さん:はい、そうなんです。

靴の裏面がV字模様!…でも、それだけで本当に滑らないのでしょうか?

こちらの斜面に…

ぬるっぬるの油をぬって実験してみることに。

まずは、普通の靴から。

普通の靴ではもちろん…ツルツル滑って上れません。

スタッフ:全然無理ですよ。これ「ハイパーV」いけますか?
原田さん:いけます!

では、ハイパーVで油に挑戦!

スタッフ:お!滑んない!全然違う!

スタッフ:すごいですね!ランニングもできます。
原田さん:これが10年越しで開発した「ハイパーV」です。

どうしてこんなに滑らないのでしょうか?そのヒミツは、開発にかけた10年に…もともと作業靴を製造販売していた「日進ゴム」。しかしあるとき、ライバル会社が「滑りにくい作業靴」を発売!

原田さん:それで、ライバル会社の作業靴に、うちの市場が全部奪われたって経緯があるんです。

このままではいかんと1994年、「日進ゴム」は「もっと滑りにくい作業靴」を開発することに!

原田さんたち開発チームは、とにかくいろんな模様の靴底を作っては試験をしての繰り返し。

原田さん:600型ぐらいあると思うんですけどね。
スタッフ:600種類の型を作って試したんですか?
原田さん:本当にもう、泣きそうっていう…。

あまりに行き詰まった原田さん。ここで一度、原点に帰ることに。

そもそも「日進ゴム」は、昭和7年に地下足袋メーカーとして創業した会社。職人さんに滑りにくいと評判だった「日進ゴム」の地下足袋の裏は、なぜか…

V字のような溝になっていました。なんでV字が滑りにくいんだろう?と、原田さん、研究を開始。

スタッフ:Vだと何がいいんですか?
原田さん:縦横斜め、どの方向に対しても形状が崩れないということです。滑るという構造は、意匠模様が倒れちゃうということです。意匠模様が倒れてしまうと、もう滑ります。そこが変形して潰れなければ、地面と設置して摩擦が起きるということです。

滑りにくくするには、靴底に細かい溝がたくさん入っている方が…

地面との摩擦が大きくなるので、いいんですが…

ただの真っ直ぐな溝だと、出っ張ってる部分が倒れてしまって滑ってしまう。ところが、靴底をV字にしてみたところ…

出っ張ってる部分が倒れず、しっかりと接地してくれるので滑りにくいことがわかったんです。

スタッフ:V字だったら滑らなくなる?
原田さん:単純にV字にしただけではそうならない。そこは企業秘密です。

残念…!

こうして「日進ゴム」では2004年、開発開始から10年越しでついに!滑りにくい靴「ハイパーV」を発売!累計販売数は1200万足以上と大ヒット商品に!ところが、ある人達からさらなるオーダーが!

原田さん:東北、北海道の方から「氷だったら滑るわ」とクレームを言われまして…

そこで、新たに開発したのがこちら!2019年発売「ハイパーVスタッドレスソール」。不思議な形をしていますが…

これを、普通の靴に取り付けるだけでOK。

スタッフ:開発に何年かかったんですか?
原田さん:8年かかってます。

でも、氷の上で本当に滑らないのでしょうか?スケートリンクで実験してみることに。

位置について、よーい、ドン!

おっと、普通の靴は滑りまくっていますが、「スタッドレスソール」は、まるで土の上のように軽快に走っています!

調子にのってジャンプまでしてみせるAD堂本くん。一体どうして氷の上でも滑らないのでしょうか…?スタッドレスソールの裏をみると…

V字ではなく四角の溝が並んでて…

真ん中がへこんでいます。これは一体…?

原田さん:中に階段状のものがありまして逆にピラミッドあるような形をしています。着目したのは吸盤。

スタッドレスソールで氷の上に乗ると、四角い溝が吸盤のように空気を吸い込んで氷にピッタリと張り付き、階段状のギザギザがスパイクのように氷にひっかかることによって、滑るのを防いでくれているんです。

「日進ゴム」は「ハイパーV」と「スタッドレスソール」を開発して、
作業靴部門の年間売上げが、なんと3倍に!

「日進ゴム」は…10年越しで滑りにくい靴を作って…がっちり!

苦節10年!水分を一瞬で蒸発させる「バーミキュラフライパン」誰でも野菜炒めがシャキシャキに作れるヒミツ!

〇年越しの儲かり商品を求めて、やってきたのは…

愛知県名古屋市にある「愛知ドビー」という会社。

お迎えいただいたのは、土方邦裕社長。

実はこちらの「愛知ドビー」、13年前に大ヒット商品、水を使わずに調理ができる鍋「バーミキュラ」を作ってがっちり儲かってる会社なんですが…。社長!それ以外にも、〇年越しの儲かり商品、作っちゃったんですか??

土方社長:すぐ蒸発するフライパンを作って儲かってます。
スタッフ:何年越しですか?
土方社長:10年越しですね。
スタッフ:10年!?
土方社長:はい!

こちらがそのフライパン「バーミキュラフライパン」。発売からわずか3年で累計販売台数は30万台!売上げ60億円の大ヒット!

一体どれぐらいすぐに蒸発するのか、熱したフライパンに水を垂らしてみると…

スゴっ!バーミキュラの方は一瞬で蒸発しちゃった!

でも、すぐ蒸発すると何がいいのでしょうか?社長の弟で副社長の智晴さんが教えてくれました!

智晴副社長:普通、野菜炒めとか作ってると、どんどん水分が出てきて、茹でたみたいになっちゃうんですけど、このフライパンは食材から出た水分を瞬間的に蒸発させてくれるんで、全く水分が出ない。
スタッフ:すごいシャキシャキしてますね。

そう!水がすぐ飛ぶから、強い火力でジャンジャン炒める中華料理店のような野菜炒めが家庭のフライパンでもできちゃう!ということ。でも、何でそんなことができるんですか?

智晴副社長:1.5ミリの鋳物ができて、すごく熱伝導がいいフライパンなので。

鋳物?製造現場を見てみると…

鋳物とは、金属をどろどろに溶かして、これを型に流し込んで作るもの。この作り方で作ったほうが、鉄板をプレスして作るよりも、熱をよく通すんです。つまり、フライパンがアツアツになるので、水がすぐ飛ぶフライパンができるというわけ!

でも、鋳物は重いので、女性でも持てる重さにするためには、厚さを1.5ミリくらいにしないといけないんです。

しかし、この1.5ミリが難しい…

智晴副社長:鉄が型に行き届かないんで、穴が空いてしまったりとか。

1.5ミリの厚さにすると、型にドロドロの金属を流し込んだときに…

詰まって、ちゃんとカタチにならない!!「これじゃダメだ」ということで、土方社長、画期的な技術を発見!!!ではなくて…

智晴副社長:理屈じゃなくて、トライアンドエラーで試していって…

何と!ただひたすらに、フライパンに使う13種類の金属の「入れるタイミング」や「温度」、「金属の配合の割合」をちょっとずつ変えて、何度も何度も何度も何度も試しまくったのです!その期間、実に…8年!ついに、金属が鋳型にうまく流れ込む、絶妙なやり方をみつけたんです!

スタッフ:無謀な挑戦みたいな感じですか?
智晴副社長:そうですね。明らかに無謀です。それができれば、バーミキュラとしておすすめできるフライパンができると思ったんですね。なので、諦めずに挑戦するしかない。

これでいよいよ「バーミキュラフライパン」完成!…と思いきや、もう一つ問題が。それは、熱した普通のフライパンに水を垂らすと…

あら、水滴のタマになって転がってる。これ、何かというと…

鉄は基本的に水を弾く性質があるため、蒸発した水蒸気が水と鉄の間にはさまり、水が浮いちゃう。すると、鉄の熱が水に伝わらず、なかなか蒸発しなくなっちゃう。これは、いかん…。そこで今度は、弟の智晴副社長が考えた!鉄をホーローで包んじゃおう!

「ホーロー」とは金属をガラスで包む加工で、バーミキュラの鍋やトイレなどに使われているんですが、このホーローが鉄とは真逆の水に馴染む性質を持っているんです。しかし!またまたまた問題が!

ホーローのガラスは、急に熱して急に冷ますと、割れるんです!これだと、フライパンには使えない!!そこで副社長、画期的な新技術を…ではなく、お兄さんと同様、何年にもわたり、何度も何度も何度もトライアンドエラーを繰り返した。すると、ある日…

智晴副社長:本当たまたまのミスで、ヒートショックに強いホーローを発見することができた。

ホーローで加工する時の塗装の順番を

間違えて逆にしてしまったところ、急に冷ましても割れないことを発見!こうして、開発から10年…熱々で調理ができる「鋳物」のフライパンに、水をはじかないホーロー加工の組合せで、ついに「バーミキュラフライパン」は完成したのです!

「愛知ドビー」は…すぐ蒸発するフライパンを作って…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:軽いよね。これを作りたかったってことですね?
土方社長:そうですね。さらに、瞬間蒸発機能というものを付けて、フライパンを振らなくても、水分が蒸発するというところまでが目標でした。
加藤さん:振らないで、パラパラのチャーハン作れますか?
土方社長:めちゃめちゃパラパラになります。誰でも。
加藤さん:IHでもいけます?
土方社長:いけます。
柴田英嗣:天才!

25年越しで日本酒業界に激震が!お米を平たく精米した「扁平精米」で作る「真吟酒」とは!?

続いてやってきたのは、広島県東広島市にある…

「サタケ」という会社。

広報の宗貞穀さん、こちらは何をしている会社なんですか?

宗貞さん:主に精米機を作っている会社です。

しかもこのサタケ、世界中の精米機の7割を作ってるスゴい会社!ということは…

スタッフ:儲かってますよね?
宗貞さん:がっちり!です。
スタッフ:年間売上げはどのくらいですか?
宗貞さん:グループで650億円くらいです!

そんなサタケの〇年越しの儲かり商品は、こちらの試験場に。

宗貞さん:こちらが25年越しに開発した醸造用精米機です。

こちら、なんと25年越しで開発し2018年に発売!日本酒に使うお米、酒米を精米する、醸造用の新型精米機「EDB」!でも、これは何がスゴいんですか?

宗貞さん:一言で言いますと、お米を「扁平精米」できる精米機。

扁平精米?聞いたことありませんが…

宗貞さん:普通は精米機で削ると、まんまるくなるんですね。この新しい精米機でやりますと、お米の形を残したまま、私で言えば背がヘコむような、薄っぺらい感じなります。

そう、従来の日本酒用の精米機だとお米がまん丸になっていたんですが、サタケの扁平精米は楕円形で平べったい。でも、この形にすると何がいいのでしょうか?

新型精米機の開発リーダー、新山伸昭さんに聞いてみると…

新山さん:扁平精米のメリットは、今までの球形精米に比べて、お米を削る量が少なくて済むんです。
スタッフ:少なくて済むと何がいい?
新山さん:お米を無駄に使わなくていいので、安い原料が手に入るということになります。
スタッフ:お米代が安く済む?
新山さん:はい、そうです。

そもそも、美味しい日本酒を作るためには、お米の外側に多いタンパク質を削って、中心部分のデンプンだけを残した方がいいとされています。

でも、従来の精米機は、筒形の砥石がローリングしてお米とぶつかることでお米の外側を削っているんですが…

新山さん:横に回転するんじゃなく、長手方向の縦に回っていくんです。
スタッフ:縦回転?なんでですか?
宗貞さん:お米は、縦に長いので遠心力の影響です。

楕円形のお米が縦に回転するので、長い部分が削られて、どんどんまん丸になってしまう。

これだと、削らなくていいデンプンまで落としちゃってもったいない…これをなんとか扁平精米して、なるべくデンプンを落とさないようにしようと、精米機の開発を始めたのが今から30年前の1993年。ところが…

新山さん:最終的にはお米が割れてしまうことがあったので、現実的には難しかったんです。

扁平精米は、精米機の中にお米をギュウギュウに詰めて…

お米が動かないように砥石に押し付けて削っていく、という方法だったんですが、

これだと今度は、お米が砥石とこすれているうちに熱くなり、割れてしまう!「うーん、だめか」…扁平精米機づくりは暗礁に乗り上げます。

しかし、それから22年後、2015年にとある転機が…!

きっかけは、扁平精米とは全く別の普通の精米機の開発。なんで扁平精米ができたんですか?

新山さん:開発の途中で偶然でてきたのが扁平精米なんです。

偶然の産物とは…どういうことかというと…?

このとき、新型精米機の開発チームには、精米には素人の若い社員も参加。開発目標は、通常何日もかかる「精米時間の短縮」でした。すると、この素人社員から、「短時間でお米を削るんなら、もっと硬くてトガッた砥石に変えたらどうっすか?」という意見が!

新山さん:今までの砥石は当たり前で、そこを変えるという認識がなかったんです。

そこで、ふだんは金属の加工にしか使われてない鋭くてギザギザが多い砥石…

こちらの「cBN砥石」で実験をしてみると…なんと、扁平精米のお米が出てきちゃった!

新山さん:最初、失敗精米だと思ったんですね。馬鹿野郎、と。こんなの全然ダメだと思ったんですが、待てよ、と。よく考えたら、これって扁平精米じゃんって。
スタッフ:売れると思いました?
宗貞さん:売れると思いました。ビックリしました。助かったと思いました!

切れ味がいい「cBN砥石」だと…

従来の砥石より早く削ることができるので、お米が熱くなって割れることがない!なるほど!

こうして2018年、25年越しで「扁平精米」できる新型精米機が完成!扁平精米したお米で作った日本酒は、大吟醸ほどお米を削ってないのに、大吟醸並みにウマい!その名も…

「真吟酒」として、大手や老舗の酒蔵が販売するように!

サタケは…25年越しの扁平精米で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:スゴい!25年。扁平精米ができたことによって、お酒のランク付けみたいなものも変わってきますね?
森永さん:そうなんです。だから、大吟醸の定義をこれから変えないといけない。
柴田英嗣さん:でも、偶然なんですもんね。
加藤さん:長年やってきて「砥石はこれじゃなければいけない」と思ってたということは、固定観念みたいなものがあったってことですか?
新山さん:そうですね、何十年もそれできてましたからね。

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