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坪月商50万円! 原価率を上げても儲かる焼肉店の秘密は「デカすぎる皿」にあった

今回のがっちりマンデー!!は飲食店の裏側を丸裸に。あの男がお届けする禁断の企画。

「月刊食堂」編集長、通山茂之。

これまで4000店以上の飲食店を自ら現地調査。飲食店の儲かる秘密を知り尽くした男が教える、「坪月商30万円超の大繁盛店」。

で、そもそも坪月商って何でしたっけ?

通山編集長:ひと坪あたり、そのお店が「いくら売ったか」という指標なんですよね。坪月商で30万円を超えるとかなりの繁盛店、50万円を超えたら、これは本当に怪物店ですよね。

そう、「坪月商」を見れば真の儲かり飲食店がわかる。そこで、通山編集長だけが知る、全国各地に隠れた「坪月商30万円超え」の大繁盛店に取材を敢行。

今回の大繁盛店は、愛知県名古屋市。「どうしても自ら紹介したい」と、名古屋までやってきた通山編集長。

通山編集長:焼肉店なんですけど、焼肉ビジネスの特性の盲点をすごく良くついてるお店だと思います。

焼肉ビジネスの盲点とは、一体何なのでしょうか?


大皿でお肉を出す焼肉店「老中」

名古屋駅から歩くこと約13分…

通山編集長:こちらのビルの2階です。「老中」さんです。

こちらが2つ目の大繁盛店、焼肉「老中」。

早速、中に失礼します。

内装はかなり高級な感じ。店内にはテーブルがなくカウンターだけ。なんだか、普通の焼肉屋さんとはいろんなところが違う気がしますが…

こちらが「老中」の奥谷知基社長。

こちらの坪月商っておいくらですか?

スタッフ:何坪なんですか?

奥谷社長:14坪です。

スタッフ:月商は?

奥谷社長:月商は700万円です。

スタッフ:そうすると、坪月商は?

奥谷社長:坪月商50万円!

またしても、大繁盛店の坪月商30万円を大きく上回る、坪月商50万円の怪物店。こちらも営業は夜だけです。

一体、なんでこんなに儲かるのでしょうか。店内を観察してみると…

わっ。大きなお皿にのったお肉が。

あっちにもこっちにも。みなさん、大皿のお肉を食べています。

実は、この大皿が「老中」最大の儲かりポイント。

奥谷社長:一枚の古伊万里の江戸時代の大皿で出しまして。お客様としては見栄えがよい。

お客さん:インスタで見て、大皿の焼肉がすごく美味しそう。

お客さん:お皿のビジュアルとお肉が美味しそうすぎて。

そして、その大皿の焼肉を食べるためには…

お客さん:やっぱり魅力は大皿焼肉ですね。コースにしかついてないので、このコースがイチオシですね。

そうなんです。「老中」は、いろんなお肉が大皿にのって一度に出てくるコース焼肉のお店。

奥谷社長:コースの方が9割程度いらっしゃいます。

焼肉屋さんといえば、好きなお肉を一品一品注文するほうが普通ですが、あえてコース焼肉にすることで、お客さんにもお店にもいろいろいいことが。

人気のコース焼肉は原価率がめちゃくちゃ高い

まず何より、お肉が…

お客さん:めっちゃやわらかいです。もう絶対食べた方がいいです。

お客さん:ここで食べると他の焼肉に行けないくらいハマってしまいまして。好きすぎて、下のカフェで働きはじめました。

そう、「老中」最大の魅力はその美味しさ。でも、なんでコースだと美味しい焼肉を出せるのでしょうか。

奥谷社長:焼肉は原価をかければかけるほど美味しくなる商売ですので、自分が考えうる最上級の、一番美味しいものを出しています。

スタッフ:こちらのお店、原価率どのくらいなんですか?

奥谷社長:トータルで55%です。

通山編集長:焼肉店の業界平均としては35〜40%くらい。かなり高いですよね。

シンプルに、「老中」のコース焼肉は原価率がめちゃくちゃ高い。

コースで出てくる、牛肉の味噌漬けは…

超高級部位のシャトーブリアン。

「老中雲丹いくら飯」は、和牛の頬肉の上に新鮮な特上雲丹がどっさり。でも、なんでこんなに原価率を上げることができるのでしょうか。

かわりに人件費を下げる工夫の数々

奥谷社長:手間を省いて人件費を下げることで、原価率にあてています。コースが9割なので、出る料理がもう決まってるわけです。なので事前に盛り付けをしておいて、お客様がいらっしゃったらそれを提供するというだけです。

たしかに、大皿のコースなら…

お肉は営業前に切って、盛り付けをして…

それを冷蔵庫に入れておけば…

あとはお客さんが来た時に、冷蔵庫から出すだけ。

しかも、大皿に6種類のお肉を盛り付けることで、通常なら6皿出す手間が1皿1回で済んじゃう。こうして手間を省くことで、結果たった2人だけのスタッフで営業することができます。
なので、人件費は…

通山編集長:人件費は業界平均が25%くらい。「老中」は8.5%です。

人件費率は業界平均の約3分の1という驚異的な低さ。さらに奥谷社長、テーブル席を作らずカウンターだけにしたのも、人件費を抑えるため。

通山編集長:ホールがあると、そこに人を1〜2人置かなきゃ行けなくなるので。

通山編集長:カウンターだとそのまま出せるので、非常に高効率。

スタッフ:ホールスタッフがいらない?

通山編集長:いらないということです。

「老中」は…手間を省くコース焼肉で…がっちり!

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