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「民族・帝国・アゼルバイジャン」をもっと知るための46冊

 先日行われた人社ユニット in GACCOH企画、「当たり前」を疑う歴史学 vol.1「民族・帝国・アゼルバイジャン」で、ナビゲーターの塩野崎信也さんがレジュメにあげてくださった参考文献(※邦文文献に限定)の一覧を公開します。講座に参加できなかった方も気になるものがあれば、ぜひ本屋でネットで図書館でさがしてみてください!

当日の様子が人社ユニットのyoutubeチャンネルで公開されています。そちらもぜひご覧ください。

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【アゼルバイジャンとコーカサス地方に関する概説書・研究書】

■ 北川誠一ほか(編)『コーカサスを知るための60 章』明石書(2006).


■ 廣瀬陽子(編)『アゼルバイジャンを知るための67 章』明石書店(2018).


■ 谷口洋和、アリベイ・マムマドフ『アゼルバイジャンが今、面白い理由』PHP 研究所(2018).


■ 中島偉晴『コーカサスと黒海の資源・民族・紛争』明石書店(2014).


■ 塩野﨑信也「〈アゼルバイジャン人〉の創出―民族意識の形成とその基層」京都大学学術出版会(2017).


■ 前田弘毅(編著)『多様性と可能性のコーカサス―民族紛争を越えて』北海道大学出版会(2009).


■ チャールズ・キング『黒海の歴史―ユーラシア地政学の要諦における文明世界』前田弘毅(監訳)、居阪僚子ほか(訳)、明石書店(2017).


【民族に関する入門書・概説書】

■ 塩川伸明『民族とネイション―ナショナリズムという難問』岩波書店(2008).

ロシア史研究者によるさまざまな民族に関する思想のまとめ。現代における民族研究の様々な点を、非常に分かりやすく整理している。


■ 谷川稔『国民国家とナショナリズム』山川書店(1999).

ヨーロッパ史家による民族理解。特にスミスの学説に詳しい。平易で読みやすい。


■ 植村和秀『ナショナリズム入門』講談社(2014).

ネイションとナショナリズムに関する分かりやすい入門書。


■ 関曠野『民族とは何か』講談社(2001).

民族に関する4 つの代表的な学説を分かりやすくまとめている。


■ 歴史学研究会(編)『講座世界史3 民族と国家―自覚と抵抗』東京大学出版会(1995).

歴史学者による論集。世界各地における19 世紀の民族を巡る情勢に関する事例を紹介。


■ 原尻英樹(編)『世界の民族』放送大学教育振興会(1998).

放送大学のテキスト。民族の基本理論から実際の例まで。日本人に関する分析を含み、身近で分かりやすい。


■ 青木保(他・編)『岩波講座 文化人類学5 民族の生成と論理』岩波書店(1997).

人類学者による論集。自然人類学者が「人種」観念をどのように考え、どのように区分しようとしたかを扱った第1 章は興味深い。他の章は、特定のエトニに関する事例研究。


■ 井上俊(他・編)『岩波講座 現代社会学24 民族・国家・エスニシティ』岩波書店(1996).

社会学者、歴史学者を中心とした論集。


■ 岡正雄(他・編)『民族の世界史1 民族とは何か』山川出版社(1991).

民族の世界史シリーズの第1 巻。やや古いが、対談などもあり、研究者たちの考え方の相違が伺えて面白い。また、人種概念と民族概念について分かりやすく解説している。

■ 国立民族学博物館(編)『世界民族百科事典』丸善出版(2014).

民族に関する様々な話題をトピックごとにまとめた事典形式の書物。

【民族に関する古典・研究書】

■ エルネスト・ルナン、ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ、エチエンヌ・バリバール、ジョエル・ロマン、鵜飼哲『国民とは何か』鵜飼哲ほか(訳)、インスクリプト(1997).


■ J・S・ミル『自由論』塩尻公明、木村健康(訳)、岩波書店(1971).


■ J・S・ミル『代議制統治論』水田洋(訳)、岩波書店(1997).


■ フリードリッヒ・マイネッケ『世界市民主義と国民国家I―ドイツ国民国家発生の研究―』矢田俊隆(訳)、岩波書店(1968).


■ スターリン「マルクス主義と民族問題」『スターリン全集』第2 巻、スターリン全集刊行会(訳)、大月書店(1952)、323-404 頁.


■ E・ケドゥーリー『ナショナリズム』小林正之、栄田卓弘、奥村大作(訳)、学文社.


■ アーネスト・ゲルナー『民族とナショナリズム』加藤節(訳)、岩波書店(2000).


■ ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行』白石隆、白石さや(訳)、書籍工房早山(2007).


■ E・J・ホブズボーム『ナショナリズムの歴史と現在』浜林正夫ほか(訳)、大月書店(2001).


■ アンソニー・D・スミス『ネイションとエスニシティ』巣山靖司ほか(訳)、名古屋大学出版会(1999).


■ ドミニク・シュナペール『市民の共同体―国民という近代的概念について』中嶋洋平(訳)、法政大学出版会(2015).


■ トーマス・ハイランド・エリクセン『エスニシティとナショナリズム―人類学的視点から』鈴木清史(訳)、明石書店(2006).


【帝国に関する入門書・研究書】

■ 山内昌之ほか(編)『帝国とは何か』岩波書店(1997).

日本における帝国論研究としては最初期の論集。


■ 山本有造(編)『帝国の研究―原理・類型・関係』名古屋大学出版会(2003).

帝国に関する論集。編者による第1 章が、帝国研究全体を分かりやすくまとめている。


■ スティーヴン・ハウ『1冊でわかる 帝国』見市雅俊(訳)、岩波書店(2003).

帝国論に関する入門書。非常にわかりやすいが、やや冗長な部分もある。訳者による日本語文献案内も役に立つ。


■ アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート『〈帝国〉―グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性』水島一憲ほか(訳)、以文社(2003).

古典的な帝国に関する検証を土台に、現代の帝国主義たる「グローバル化」を考察する研究書。


■ 鈴木董『ナショナリズムとイスラム的共存』千倉書房(2007).

オスマン帝国の事例を主な土台としながら、帝国的な支配構造を解説する。


■ 浅野豊美『帝国日本の植民地法制―法域統合と帝国秩序』名古屋大学出版会(2008).

多法域空間としての大日本帝国に関する事例を提供する研究。


【ロシア帝国とイスラームとの関係に関する入門書・研究書】


■ 濱本真美『共生のイスラーム―ロシアの正教徒とムスリム』山川出版社(2011).


■ 堀川徹ほか(編)『シャリーアとロシア―帝国近代中央ユーラシアの法と社会』臨川書店(2014).


■ 橋本伸也(編)『ロシア帝国の民族知識人―大学・学知・ネットワーク』昭和堂(2014).


■ デイヴィド・シンメルペンニンク゠ファン゠デル゠オイェ 『ロシアのオリエンタリズム―ロシアのアジア・イメージ、ピョートル大帝から亡命者まで』浜由樹子(訳)、成文社(2013).


■ カルパナ・サーヘニー『ロシアのオリエンタリズム―民族迫害の思想と歴史』袴田茂樹(監修)、松井秀和(訳)、柏書房(2000).


■ 高橋一彦『帝政ロシア司法制度史研究―司法改革とその時代』名古屋大学出版会(2001).


■ 濱本真美『「聖なるロシア」のイスラーム―17-18 世紀タタール人の正教改宗』東京大学出版会(2009).


■ 豊川浩一『ロシア帝国民族統合史の研究―植民政策とバシキール人』北海道大学出版会(2006).


■ 高田和夫『帝政ロシアの国家構想―1877-78 年露土戦争とカフカース統合』山川出版社(2015).


■ 長縄宣博『イスラームのロシア―帝国・宗教・公共圏1905-1917』名古屋大学出版会(2017).


■ テリー・マーチン『アファーマティブ・アクションの帝国―ソ連の民族とナショナリズム、1923 年~1939 年』半谷史郎(監修)、荒井幸康ほか(訳)、明石書店(2011).


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