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ひっかけクイズというより、机上の空論に陥らないための戒め

「ひっかけクイズ」ってあるじゃないですか。
だいたいは言葉遊びとか屁理屈みたいなものですが、偽の選択肢に誘導したり、勝手に条件を思いこませて誤答させるというのがこの手のクイズにはよくあるように思います。
例えば「リンゴとスイカとバナナをつんだトラックがカーブを曲がるときに何かを落としました。何でしょうか?」というようなやつです。
この問題の答えは「スピード」なので、まあそうだよなという感じですが、屁理屈のひっかけではなく、現実を考えると納得できるような問題は上手だなと思いますね。

次の問題もひっかけクイズでは結構メジャーですが、これめちゃくちゃ良問だと思うんです。

木の上に鳥が8羽います。猟師が銃で1羽の鳥を仕留めました。さて、残りの鳥は何羽でしょうか?

https://www.nazo2.net/ijiwaru/004.html

答えは、0羽。なぜなら銃を撃った時点で鳥たちは音に驚いて逃げてしまうから。

初めてこの問題を知った時は「よくできてるな」と思ったんですが、改めて考えるとこれって「ひっかけ」なのか疑問な気がしてます。
確かに気を付けないと(というか初見ではおそらくほぼ全員が)8-1=7と計算してしまうんですが、それって「8羽いた」という最初の条件と、「1羽仕留めた」という結果だけで判断していて、過程が全然考慮されていないんですよね。こんな計算は机上の空論に他ならないのです。これはひっかけられたというよりは、物事を安易に考えているというか、実施の過程を考慮しなかった帰結と言ったほうがいいんじゃないでしょうか。
しかし、こういう安易な計算って会社生活をしているとうっかり犯してしまう気がします。特に、自分が運用側の実情をよく知らずに企画・計画を立てているとき。

物事を検討する上で、答えらしきものが出た時に「でも実際どうなん?」と冷静になれるかどうかが重要ですが、このクイズはその戒めとしてわかりやすいのでとてもいい問題だと思いました。
現実は理屈(あるいは安易な計算)ほど単純じゃないし、逆に現実を考えれば現象はシンプルだったりしますよね。

余談
書いてて思い出したんですけど、「金田一少年の事件簿」でもそういう現実の環境を考える重要さがわかる例がありました。
金田一フミが誘拐される回で、誘拐先がいくつかの建物に絞られた段階で、フミが電話で「西日が当たっている」というメッセージを送ってきたから「西側に窓がある建物を探せ!」となって、該当する物件が見つかりました。しかし、実はその物件の西側には高層ビルがあるため、西日は当たらなかったのです(ちなみに真相は、東側にある鏡張りのビルに西日が反射していたので東側に窓がある物件が正解だったというもの)。
地図だけで見ていると立体的な情報が見落とされてしまうというお話。

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