英語の習慣を持ちこむことによる誤り

この前取り上げたも取り上げた「片仮名によるフランス語の発音表記について」について、もうちょい中身を詳しくみていきます。この論文の冒頭で、「よくある読み間違い」を取り上げてるのですが、見てて何個か「わかるわかる」と言うのがありました。


例えば、これ(文字化けするので、発音記号取り除いてます)。

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音字を二重母音に読む。フランス語に二重母音は存在しないが、Seineをセイヌ、moiをモイと誤る。

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Seine(セーヌ川のセーヌ)のミスはわからないけど、後半のMoi(モワと読む)をモイはありそうですね。あと、「demandeやregardeの語中のeはイと誤ることが多い」と言うのは、僕もやってただろうなと思います。英語に引っ張られて、ディマンドやリガードのように発音すると言うことですね(フランス語ではデゥモンドやロギャルド?のようになる)。「théoriをセオリーと間違って読む」と言うのもわかりますね(フランス語ではテオリ)。この辺りを踏まえて、著者はこう言ってるんですが、本当によくわかりますね。


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このように、6年あるいはそれ以上に亘って 習って来た英語の言語干渉は強力である。しかしながら、日本人学生である限り調音法は日本語 に干渉されるのも止むを得ないので、フランス語を正しく読めない学生は「発音」を日本語式に、 「読み方」を英語式にやっているということになろう。

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ちなみに、興味深いなと思うのは、英語で発音自慢の人が結構こう言うミスを犯すことです。昔、知り合いで発音教えてた人が、スペイン語のme(ムと読む)をミーとずっと間違って読んでたって話聞いて、発音得意な人でもやっぱりこんなに綴り字に引きずられるんだなと思ってびっくりした経験があります。


ちなみに、この問題の解決策に関しては、実は簡単で、すでに述べた下記の本をやるだけです。でも、みんな「綴り字が問題だ」と言うことに気がつかないんで、やらないままずっと「フランス語の発音難しい」と言ってる人が多いんですが…。


あと、これと絡んでですが、僕はフランス語勉強するときに英語の参考書とか使うのはやめたほうがいいと思います。なんでかって言うと、英語とフランス語ってたいして似てないし、だいたいそれやってる人フランス語の発音英語読みで読んでるんで。と言うか、昔の僕なんですけどね。


まあ、結構長くなる話なんで今日はやりませんが、僕はある程度一つの言語やってから次の言語にやったほうがいいと思いますし、日本語より英語の方ができるとかじゃない限り、日本語で書かれた参考書使った方がいいと思います。特に、英仏辞書。難しくなればなるほど、同じ単語出てくるんで。僕はそうやっていさって英仏辞書とか使ってた頃、英文科の学生でTOEIC 900近くあったし、通訳学校とかも言ってましたが、まあ、本気でフランス語勉強し始めてからは、おとなしく日本語で書かれたフランス語の辞書や参考書か、そうじゃなければ、フランス語で書かれたフランス語の辞書や参考書使うようにしました。


ちなみに、この辺りフランス人の方がもっと辛辣で、「日本人、英語たいして英語できないのに、英語で書かれたフランス語の参考書使って、変な英語訛りのフランス語話すから理解できない」とか言ってたりします。


今日はそんな感じで。


では!


井上大輔


追伸

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高度な外国語力を身につけたい人、テストで結果を出したい人に向けて役立つ情報をつぶやき中。TOEIC980点。早稲田英文→早稲田仏文修士→上智外国語学部修士→上智大学博士課程在学中。英語・仏語・西語・伊語の参考書&翻訳書も出版。著書一覧→http://amzn.to/jzUDtr