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米国生活での英語苦労話

前回記事「外資ベンチャー米国本社勤務のリアル」で予告した通り、米国生活での英語での関する苦労話などの体験を書いてみます。赴任前に受験したTOEICは895点だったのでそれなりの英語力はあった(その英語力になるまでの過程はまたいつか書きます)のですが、生の英語はやはり違いました。


仕事での(ソフトウェアエンジニアとしての)英語

私はソフトウェアエンジニアであったこととともに、「同僚に日本人・日本語を話す人がいなかった」という状況は特殊要因かもしれません。
職場で会話が通じなくて困ったとしても助けを求める「通訳」のような人はいませんので自分でなんとかするしかありません。ただ、ソフトウェアエンジニアという職種のため、勤務中の会話は決して多くないので、通訳が欲しいと思うことはありませんでした。着任前にある程度英語のリスニングの力はあったので相手の言っていることはほぼ解るという自信があったのは良かったと思います。

しかしソフトウェアの挙動を説明したりわからないところを質問したりするときにエンジニアに通じる共通用語のようなもの("engineer lingo"とでも言うべきもの)を知っておく必要がありました。特殊lingoを学ぶには、専門書などを英語で読めばよかったのかもしれませんが、私は同僚がどのような表現を使っているのか観察して参考にしていました。「へぇ、そういう言い方するんだ」「そんな簡単な表現でいいのか」という学びは多かったです。例えば:

The program doesn't end gracefully. (このプログラムはきちんと終了処理をしていない)ー へぇ、ここで graceful 使うのか
The client program connects to the server running on the localhost unless the destination is explicitly specified. (このクライアントプログラムは接続先が明示的に指定されていない限りローカルホストで実行されているサーバーに接続する)ー explicit (明示的) とか implicit (暗黙的)って日本語だとあんまり使わないよな
I haven't been able to reproduce the problem. (まだ問題が再現できていない)ー 「再現」ってこう言うのか

こうした表現はやはり本を読むよりも実地で覚える方がニュアンスも正しく掴めると思います。

あと、日本ではアメリカ人の発音する教材で勉強していたので、訛りの強い外国人の英語は苦手でした。これは今でも苦手です。

日常生活

当初苦労したのはむしろ日常の買い物やファストフードでの注文のときでした。
スーパーのレジで "Paper or plastic?" (紙袋かビニール袋かどちらにしますか?)と訊かれて「え、何?」ー そもそも "Paper or plastic?" と相手が言っていることも聞き取れず(リスニングには自信あったのに)。一度経験してそういうことを訊かれるのね、と予測できると次回以降は問題ないのですが。ファストフードでの "For here or to go?"(イートインですか、持ち帰りですか?)とかレストランでの "Soup or salad?" も同じです。

サブウェイでサンドイッチを注文するのもなかなか敷居が高かったです。日本でサブウェイに行ったことが無かったこともあり、どういうシステムなのか知らないで行ったらパンの種類から中に入れる野菜の指定、ドレッシングなどなど店員さんとたくさんの会話が必要でした。それぞれの野菜の英語での発音がわからなかったり、「レタス多め」「ビネガーは無しで」などと言いたいのに言い方がわからず、しばらくは自分好みにならないことがありました。好みの通りに注文できるようになるまでは少し時間が必要でした。これも他の人がどう注文しているのかを観察して学びました。

また、これも敷居が高かったのがドライブスルー。カウンターで注文するならメニューを指差すことができるので万一通じなくても逃げ道がありますが、ドライブスルーだと声のみ。スピーカーの音質も悪いので、店員さんの言ってることがはっきり聞き取れないことも。ここでもやはり必要だったのは相手が訊いてくることを予測できること。それができると完全に聞き取れなくても「あぁ、飲み物をどうするか訊いてるのね」と推測できるので冷静に対応できるのですが。ドライブスルーを使えるようになるまでにも時間がかかりました。それまでは持ち帰りなのにわざわざ駐車してカウンターで注文していました。

現地での英語学習

アメリカ人がどういう言い方・表現を使っているのかをよく聴いてマネするのが一番の実地学習と思いますが、それだけだと機会やシチュエーションが限られてしまいます。
私はテレビっ子だったので家にいるときはとにかくテレビを見ていました。ドラマ、ニュース、ドキュメンタリー、トークショーなど。繰り返し出てくる単語やフレーズは自然に覚えました。
また、毎週末のように映画館にも通いました。昼間の時間帯は値段も安いので。字幕が無いので理解できない部分はかなりありましたが…。今ならYouTubeなどの動画なら(精度はともかく)自動で字幕付けてくれますが。

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