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外資ITベンチャー本社への転籍

前回の「外資ITベンチャーってどんなところ?」の続きです。
外資ITベンチャーの日本法人になんとか雇ってもらえたのですが、学生の頃から「いつかは海外で働いてみたい」と漠然とした夢を描いていた私にとっては渡りに船。このキャリアの先には海外勤務という可能性もあるのでは、と考えるようになりました。

仕事にも慣れて自信がついてくると、本社のエンジニアたちとの共同プロジェクトにも参画できるようになり、海外出張にも行かせてもらうようになりました。本社のエンジニアと一緒に仕事をして、彼らのスキルレベルがわかるようになると「この人たちのスキルレベルとそんなに遜色ないのではないか」と考えるようになりました。そして図々しくも「米国本社で働きたい」とマネージャーに訴えると、真剣に考えてくれて、入社3年半後には本社へ転籍させてもらえました。実現させてくれた当時の上司と社長に感謝です。米国で働きたいと思ったら米系企業の日本法人に入社後に本社へ転勤するのがビザ取得の観点で最も可能性が高いのだと思います(私の場合は社内転勤者用のL1-Bというビザ)。

日本企業の社員が海外拠点に駐在として赴任する場合には、引っ越しや住まい探しなどは会社から支援があると思います。しかし、私の場合は形式的には日本支社を辞めて米国本社に入社する、という形なので、そのあたりはすべて自力。本社勤務の日本人は私一人だけ、という状況なので日本語でのサポートは皆無。赴任前に受けたTOEICは一応895点を取っていたものの、実際に生活するとなると不自由を感じることが多々ありました(必要な英語力についてはまた後日別途書きたいと思います)。

仕事ではソフトウェアエンジニアとしての力量を同僚から認めてもらえたので重宝されていたと思います。ほとんどのエンジニアは専門分野があって、その範囲外のことは全くわからない、あるいは無関心の人が多いのです。その中で、私は各コンポーネントがどのように連携してシステム全体が動いているのかを理解できていたことが強みだったと思います。

一方で暗い面としては、チームの解体に直面したこともありました。ある日いつも通り出社したら隣の席(当時はキュービクル)のエンジニアが荷物をまとめているのでどうしたのかと思っていると、マネージャーに呼ばれ「人員カットがあるが、君は対象じゃないから大丈夫だ。これからオフサイトミーティングがあるから○○ホテルの会議室に行きなさい」、とのこと。業績の思わしくない部門で働いていたので、他部門に統合されることになり、一緒に働いていたメンバーが4-5人解雇されたと思います。話には聞いていましたが、そんなに突然その日のうちにさようなら(別れの挨拶をする間もありませんでしたが)となるとは驚きでした。

こうした本社勤務を4年間経験して日本に帰国することになります。「なぜ永住権取ってアメリカで働き続けないのか」と訊かれましたが、私にはその覚悟が無かった。ただ、この経験はその後のキャリアに大きく活きています。

次回もう少し米国での勤務や生活について書いてみます。

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