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ロッキン藤原の書店堂々

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学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。【毎週火曜・木曜更新】
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6.匂い リフューズド

6.匂い リフューズド

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

朝、店に入ると本の匂いが充満している。僕の一日はそこでの深呼吸から始まった。僕は本の匂いが好きだ。
若い頃は、新潮社、文芸春秋、角川書店、岩波書店、講談社の本を匂いだけで当てることが出来た。一番好きだったのは新潮社のクリーム系の紙を使った全集だった。この全集は匂いがいいという理

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5.ゆるーいボケ ドクターフック

5.ゆるーいボケ ドクターフック

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

新刊配本されてくる本を棚に差しているだけという状態の店。
とりあえず担当者に挨拶をした。

「初めてお目にかかります。私、この店に伺ったのは初めてで・・・。」
と言うと
「あっそう、僕も会うのは初めてですねぇ」といわゆる関西系のゆるーいボケ。

愛想はいいが仕事は出来ないと思わ

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4.とりあえず マイケル・フランクス

4.とりあえず マイケル・フランクス

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

当社が得意とするまちづくり、ソーシャルデザインの本の注文が書店さんからたくさんあったので、店に行って見ることにした。

完全なロードサイド店。3市の境界が接するところにある店で電車を乗り継ぎ、駅から歩いて約15分。あいにく店長は不在。
当社の商品は〈旅・冒険〉というプレートの付

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3.ダメなもんはダメなのか レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

3.ダメなもんはダメなのか レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

少し棚に余裕があり、当社の商品がこの店でどれほど通用するものか知りたくて棚に入れてもらえるかかどうか以前から店長と相談していた。

「何とか当社の商品を展示してもられないでしょうか。見るところ建築書の棚は随分と余裕があって10点~20点くらいは入りそうですよ。販売の結果が出ない

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2. 火事だ、火事だ マーズヴォルタ

2. 火事だ、火事だ マーズヴォルタ

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

ある店の担当者に会いに行ったが、「帰りました」と。時間は午後2時半ぐらい。そんなことあんの? 最近の書店さんはイレギュラーな勤務形態を取っている人が多くなった。

で、訪問した時、近くにあるホテルで火災。すでに鎮火していたが消防車が20台ほど集結していた。
そのことを近くにいた

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1.お久しぶりです レーナード・スキナード

1.お久しぶりです レーナード・スキナード

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

20年ぶりにその店を訪問した。当時店で商品をさばいていたお姉さんはおばさんになっていた。店に椅子を出してもらい、麦茶を飲みながら、界隈の変化のことやら、本の売り方が変わったことや、取次店のことやらを話した。
店の香りは20年前のままだし、熱心に1冊、1冊丁寧にお客さんに案内する

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