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18.BGM ニール・ヤング

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

BGMが流れている書店が少なくなったと思う。僕の耳に入っていないだけか?
僕が若い頃に勤めていた書店はBGMを流していた。今では分からない人が多いと思うが「8トラックのカセット」だった。「音が歪んでいる」と音感の鋭いお客さんに叱られたこともあった。曲はクラシックだった。

書店以外ではBGMが流れている店は少なからずある。多くはジャズだったりする。書店にBGMが必要かどうかは別にして、もっと積極的に流せばいいのに・・と思っている。

先日お邪魔した書店さんではニール・ヤングの曲を流していた。70年代的な内装にとてもよくマッチしておりしばらく立ち止まって聴いていた。これだけでも店のセンスを感じ取ることが出来る。

MASSEY HALL 1971/NEIL YOUNG(2007)

この店で流れていたのはたぶんこれ。2007年に発売された1971年のマッセイホールでのライブだ。ニール・ヤングは「店のBGMなんかにして欲しくないなぁ」というのが熱烈なファンの気持ちだが、静かな店内に流れる彼の歌は格別だった。このシチュエーションで聴くのは初めてだったから新鮮でもあった。

彼は未だに精力的にアルバムを発表し続けているし、1990年代には若いミュージシャンから多くの支持を得た。誰からも影響を受けない独自のスタンスが魅力だ。このアルバムには彼の魅力が満載されている。もし興味があれば白夜書房から出ている『ニール・ヤング自伝』を読んでください。

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