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06 三十三間堂の太閤塀

京都の左官建築家・森田一弥さんが、トウキョウの建築家・塚本由晴さんを案内する『京都土壁案内』(学芸出版社)。
歴史や様式だけじゃない、多様な表情をみせる土壁の魅力が満載です!
2日にわたる、京都での取材の模様をレポートします。

訪れる人

塚本由晴さん
建築家。アトリエ・ワン主宰
東京工業大学大学院准教授(当時)

案内する人

森田一弥さん
建築家+左官職人
森田一弥建築設計事務所主宰

前回のようす

千体もの仏像が並ぶことで有名な三十三間堂の裏(南)側に、巨大な版築の塀があります。
豊臣秀吉が造立した方広寺大仏殿より移築されたそうで、瓦に豊臣家の家紋である「五七ノ桐」が入れてあることから、太閤塀と呼ばれているそうです。
この辺には秀吉ゆかりの場所がたくさんあります。

桃山文化らしい迫力ある塀。上部には「さび」が出ています。

太閤塀は版築なのですが、定規筋と呼ばれる漆喰の5本線が入っています。線の数で格式の高さを表わし、5本は最高位なんだそうです。
庇が深いせいか、ほとんど風化しておらず、どっしりとした力強さがあります。
人通りの少ない緩やかな坂道に、この壁は静かに佇んでいました。

裏通りの風景に馴染む壁

(第7回へ続く)

京都土壁案内

塚本由晴・森田一弥 著

寺社や茶室はもとより、お茶屋や洋館、蔵や土塀まで、時を経て町に滲み出た土壁の魅力を紐解き、巡る、今日の京都の建築・街歩きガイド。京都の若手建築家で左官職人でもある森田一弥の案内は初心者にも優しく、塚本由晴(アトリエ・ワン)の撮り下ろし写真は町の日常に潜む土壁の迫力を見事に切り取った。素人も愛好家も必見。

詳細|https://goo.gl/eK3Z3S
Amazon|https://goo.gl/CdWmmU

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