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1.お久しぶりです レーナード・スキナード

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

20年ぶりにその店を訪問した。当時店で商品をさばいていたお姉さんはおばさんになっていた。店に椅子を出してもらい、麦茶を飲みながら、界隈の変化のことやら、本の売り方が変わったことや、取次店のことやらを話した。
店の香りは20年前のままだし、熱心に1冊、1冊丁寧にお客さんに案内するのも以前のままだった。売り上げは落ちたが何とかご飯を食べるだけの売上はあると・・・。帰り際に「仕事のことは?」と聞かれたので、「仕事?今日は久しぶりに話をしたくなったので来ただけ。」と答えた。実際そうだから。

LYNYRD SKYNYRD/THE LAST REBEL(1993)

レーナードスキナードは1977年の飛行機事故でメンバーを失い活動を停止した。そして1993年にこのアルバムで再スタートを切ったのである。
「お久しぶり」って感じのアルバムになっている。バンドの再結成アルバムって以前の雰囲気を引きずっていたりするのが通常なのだけど、彼らは70年代の彼らのサウンドをさらに分厚くして僕の前に現れた。
ホーンが入りこれまでにない音を楽しませてくれる。セールスのための再結成ではなく新生レーナードスキナードの姿がある。彼らはリスナーを裏切らなかった。

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書店に風は吹いているか

「この20年で変らなかったのは、本への思い入れを読者に伝えようとし続けた書店員たちの存在である。彼ら、彼女たちがこれからも書店を支え続けるのである。・・・」 学芸出版社営業部の名物社員・藤原がお送りする、本と書店をめぐる四方山話。


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