見出し画像

12.著者ご来店 スティーブ・ミラーバンド

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

店に行くと売場の担当者が誰かと喋っていた。話の内容から、どうやら著者らしく、大きな声で「よろしくお願いします!」というのが聞こえた。
著者が店を出て行くのを見届けて声を掛けた。

「著者ってこの店によく来ます?」
「結構来ます。」
「で、どうなん?ありがたい?困る?」
「何だかんだと展示に注文を付けられると困りますね。商売でやってるんで、あんたの店ちゃう!と言いたくなります。
でも、面出しとかしてあると喜んでいただいたり、とか。迷惑ではないですけど、来てもらっても、いらっしゃらなくても店の状況に変化はないので・・・。」

まぁそれが本音かな?と思った。書店にとって著者であろうとお客さんであって、手ぶらで帰ってもらっては困る。1冊くらい買って帰ってよ。とでも言いたいのだろう。著者の思いと書店員の思いのすれ違いは永遠の課題である。

FLY LIKE AN EAGLE/THE STEVE MILLER BAND(1976)

スティーブミラーバンドは60年代、ブルース系の渋いロックを聞かせてくれるバンドだった。
時代が進み1976年この「フライ・ライク・アン・イーグル」が大ヒット。以前は個性で売る人だったのだか、このヒットを境に持ち前のPOPなセンスが前面に。そして市場を意識した音作りに。
長年ずっとファンだったのだが、こうした態度に嫌気がさし、アルバムを買わなくなった。なんでもそうだが、媚びてはいけない。

-------------

-------------

▼前回の記事

▼こちらの連載もあわせてどうぞ

書店に風は吹いているか


いただいたサポートは、当社の出版活動のために大切に使わせていただきます。