見出し画像

『森ではたらく!』トーク・大交流会[古川大輔]|【イベントレポート】

盛況のうちに終えた7.15(日)「出版5周年プレ祝い『森ではたらく!』トーク・大交流会。2週間経っても熱気冷めやらぬ(?)なか、編者で当日のモデレーターをつとめてくださった古川ちいきの総合研究所・古川大輔さんが、当日のイベントをまとめてくださいました。

参加いただいた皆さん、この度は、ありがとうございました。4年前に出版した「森ではたらく!」。4年後に著者がどうなっているか、読者・ファンの皆さまと共に、初めての交流会(同窓会)を実施しました。120人以上も集まって、無事にまず終えられたこと、お礼申し上げます。

また、この登壇者メンバーで、深い繋がりが築けられれば、
参加者の皆様で、広い繋がりがつくられればと思った次第です。

登壇者の当初・変化・今後を、下記にまとめました。登壇者のキャラクターの強さ、トークの濃さがまさに予想以上で、私自身も楽しませていただきました。

1.松田昇──森で灯す人/松田林業3代目
・当初:震災後の実体験、いまあるバイオマス林業に夢中
・変化:各種制度の変化に対応しつつ、ヨーロッパ式、地場(手作業)式の融合林業へ
・今後:Dot認定住宅等、エネルギー数値を意識した経営、勉強へ


2.田口房国──森を挽く人/㈱山共代表取締役
・当初:製材は、自然界(山村)と人間界(都市)を繋ぐ、営業展開
・変化:林業はビジネスであり、私はビジネスマンである。納材が東京へ。非住宅への広がりも
・今後:社会に必要とされるところへ動くようにしたい


3.久米歩──森を伐る人/㈱ソマウッド代表取締役
・当初:自分が現場をやるという会社だった
・変化:社員に現場を任せられるように。「林業がというより、ソマウッドが楽しい」人の集まりへ
・今後:営業ができ、エネルギー領域も攻められる林業マンづくりを


4.緒方万貴──森を継ぐ人/マルマタ林業㈱勤務、同社4代目
・当初:日田の林業地を紡ぐ
・変化:子供が4人へ、私は調査、旦那が伐採。間伐も皆伐も
・今後:日田地域での役割と、製材との繋がり、街づくりへの繋がりを


5.山崎正夫──森を鳴らす人/〈SHARE WOODS〉代表
・当初:書籍が出て、色々な地域でカホンの活動が広がった
・変化:プロダクトを届けたい。六甲山でプロジェクトへ
・今後:都市の人に森を届ける。海と森と共に、神戸を拠点として


6.川畑理子──森を届ける人/㈱greenMom代表
・当初:国産材・地域材を、色々なところに使ってほしい!
・変化:多数の納材事例展開、ビジネスパートナーとの出会いを求め営業へ
・今後:まだまだニッチ!自分ももっと展開を!


7.鈴木菜々子──森で染める人/〈ソメヤスズキ〉代表
・当初:楽しいから始めたという趣味だった。自分に正直に、素直に
・変化:楽しいという感覚と仕事へと展開、地域の方との関係性の強化も
・今後:事業として、仕組みとして、ビジネスや営業展開中


8.六車誠二──森で建てる人/六車工務店
・当初:森(国産材)を丁寧に生かし、独自の工法で建築を展開
・変化:インドの建築家、ビジョイ・ジェイン【スタジオムンバイ】との出会い。オーガニックマテリアルで手仕事の建築へ
・今後:広島で彼とプロジェクトを進行中、「これから」を作っていきたい


9.小野なぎさ──森で癒す人/一般社団法人 森と未来 代表理事
・当時:森林セラピーという領域。ホテルの仕事の一部という領域
・変化:独立、起業、法人化へと展開、新たな海外との接点も。企業研修、全国の色々な場所へ
・今後:①都心で働く人たちを森林へ、②子供達に森への感謝を、③日本の森林浴を世界へ


10. 西村早栄子──森で育てる人/智頭町森のようちえんまるたんぼう代表
・当時:「まるたんぼう・森のようちえん」の認知が上がっていった
・変化:移住者数の増加、行政との適切なお付き合いを
・今後:東京への展開。シェアハウス事業へ。拡大に向けて顧客層も変化


11. 足立成亮──森を写す人/〈outwoods〉代表
・当時:常に、センスを意識して、大事にしてきて、広がり、仲間が増えた
・変化:写す人を辞めた。森に来て欲しいから、「手段」と「目的」の変化
・今後:テンションが高まる、「楽しい」がある森づくりを実行していく


12. イシカワ晴子──森を伝える人/静岡県庁職員
・当時:林業女子会の展開、活動の拡大
・変化:異動へ、公民館つくるのに、県産材って何?!という反応に対面
・今後:自分で、より動く、より作る、より伝える。まずお弁当から笑

残念ながら、西日本豪雨で来ることがかなわなかった熱田安武さん、当日ご参加が難しくなった熊谷有記さんも、メッセージやビデオレターをお寄せくださり、15人の今を凝縮して体感いただけるイベントになったかと思います。

さてこの書籍は、

「森で挽く人」「森で癒す人」「森で灯す人」

などのネーミングで、具象化と抽象化の両方を表現しつつ、各人のプレーヤーに光を当てつつ、自分(読者)も、やれるんじゃない!?っていう、啓蒙的な書籍を目的としたのですが、

とはいえ、4年経ってどう?

地方創生とかいって、色々な事例がWEBや雑誌に出てるけど、ほとんどが、持続して成長していない!?なんてことがあったり・・・。で、出版してから4年間経って(サッカーで言うと、ブラジルワールドカップからロシアワールドカップへの4年)、

成長している?
衰退している?
停止している?

ってことが気になって、昨年の年末、27人のうちの3人(灯す人と挽く人と癒す人)が、偶然、別の会合で出会って、同窓会しよう!と。
出版して丸4年経って、出版イベントってのは、この出版社でも前代未聞だったそうです。

裏話をすると、もともとこの本は、27人の人選がいちばん大変だったわけです。この先も、ずっと続いているだろう人、続けている人を選ぼうと、企画段階で、予見しあいました。

「よかったぁ~、会社(事業)が潰れてなくって。」
なんていう27人のうちの1人の登壇者も笑。 そして改めて、著者たちがどう変化したかまとめてみます。

・趣味から事業へと変化しているもの
・独立、起業、法人化したもの
・事業を多角的に広げているもの
・現場を任せ、組織を広げているもの
・異動を数回することで、再認識したアクションを貫いているもの
・サービスを敢えて山村から東京へ展開(計画)しているもの
・デザイン性をより高め、夢とビジョンのシェアを進めているもの
・既存の木材商流と異なる販路を全国・世界へと広げているもの
・4人のママになっていた人
・地域により密着し、地域活動により積極的になっていったもの

詳細は割愛するとして、そんな変化がありましたよね。

今回、「著者」と「読者」の距離が確実に縮まっていて、
「上」と「下」という関係性でなくって、
明らかに、ニッチな世界も、プラスと掛け算で、
凄いエネルギーになるだろうと感じた一日でもありました。

私のモデレーターとしての締めは、
「既にここ(本書)に書いていあります笑」

本書の中にまとめた、27人の共通点を再掲します。

1 自分軸(ローカルな1次情報とグローバルな2情報と両方を熟知している)
2 時間軸(生きている時だけでなく、過去も、そして自分が死ぬ先も森を想う)
3 原体験(自分だけの経験があり、自分の「森」がある)
4 情熱(「好き(多面的な魅力)」と「憤り(社会への問題提起)」がある)
5 尊敬(地域独特の文化や先人の意思を心から尊んでいる)
6 利益と理念の両輪を実践(まずやってみる、動いてみる)
7 自分の言葉を持ち、豊かなキャラクターがある
                           『森ではたらく!27人の27の仕事』より

さぁ次は、FIFA ワールドカップカタールの年。4年後、どうなっているでしょうか。ニッチというテーマはその後、どうなっていたでしょうか。

読者の皆様、参加者の皆様、

会場からのたくさんの質問も、ありがとうございました!

そして自分自身も・・・。

楽しみです。

編者 古川大輔

本当に、盛り沢山のイベントでした。ご参加くださった皆さん、遠方より駆けつけてくださった皆さん、本当にありがとうございました。 残念ながらご参加が叶わなかった方も、4年後をお楽しみに・・・?
⇒古川大輔さんのnoteはこちら!
https://note.mu/chiikino



いただいたサポートは、当社の出版活動のために大切に使わせていただきます。