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23.友よ、ありがとう グレイトフルデッド

学芸出版社営業部の名物社員・藤原が、書店での何気ないやり取りを手がかりに、自らのロック遍歴にまつわる雑感をつづります。

「今日はぜひぜひ!お願いしたいことがあるんやけど」
「何やねん。言うてみ」
「4月にビジネス書を出すんやけど、お世話して欲しい」
とチラシを見せ、内容を説明すると
「よっしゃ、分かった。あそこに積んだるわ」
あそことはレジ前平台の「新刊、話題書コーナー」大手版元の新刊がズラリと並ぶ場所である。

「ここやったら10冊は要るな。ドカンと積まなあかんし。それとPOPが要るな。作ってや」
「そりゃええわ。ありがとう」

長年付き合った友人ならではの対応に感謝。その後喫茶店に場所を変えて最近の書店事情や取次の話題などが続く。
時計を見ながら
「そろそろ店に帰らなあかんのんちゃう?」
「そやな。」
本日のジャムセッションはこれにて終了。

LIVE DEAD/GRATEFUL DEAD(1969)

ジャムセッションとは「本格的な準備や、予め用意しておいたアレンジを使うことなしに、ミュージシャン達が集まって即興的に演奏すること」だ。
ジャムセッションを行うバンドの代表格がグレイトフルデッド。冒頭の「ダークスター」を聴けば、ここで演奏している連中の方向がひとつであることが分かるだろう。

ジャムセッションのよさはバンド全体が同じ方向を向いていること。方法論は違っても1曲を作り上げる方向性は同じという醍醐味だ。心と心を共振させることで出来上がる予測不可能な結果。

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