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05 渉成園の築地塀

京都の左官建築家・森田一弥さんが、トウキョウの建築家・塚本由晴さんを案内する『京都土壁案内』(学芸出版社)。
歴史や様式だけじゃない、多様な表情をみせる土壁の魅力が満載です!
2日にわたる、京都での取材の模様をレポートします。

訪れる人

塚本由晴さん
建築家。アトリエ・ワン主宰
東京工業大学大学院准教授(当時)

案内する人

森田一弥さん
建築家+左官職人
森田一弥建築設計事務所主宰

前回のようす

渉成園は別名「枳殻邸」とも言われる、東本願寺の別邸で、静かなお庭があります。内部もおすすめですが、今回はその周辺をぐるっと廻る築地塀をご案内いただきました。
夏は木陰が広がって涼しく、秋は銀杏がとっても綺麗なところです。

土と瓦が交互に重ねられていて、長い壁面に水平ラインを描いています。
北側は比較的新しいんですが、東側は古めで、まばらに修繕されています。
その「パッチワークがおもしろいね」と塚本さん。
壁の上から覗く、鬱蒼と茂る緑とのコントラストも綺麗です。

ほんとに長いんです、この壁。

上のほうは風化が進んでますが、下のほうは修繕されたのかな。

東側の古い塀にナゾの穴を発見!
どうやら中に空洞があるようです。
もしかして、この塀のなかはガランドウなのか!?
いえいえ、斜め上部からクラックが入っているので、森田さんは「雨が染みて部分的に土が流れ出しているのかな」と分析します。

穴に指を突っ込んではいけませんよ!

(第6回に続く)

京都土壁案内

塚本由晴・森田一弥 著

寺社や茶室はもとより、お茶屋や洋館、蔵や土塀まで、時を経て町に滲み出た土壁の魅力を紐解き、巡る、今日の京都の建築・街歩きガイド。京都の若手建築家で左官職人でもある森田一弥の案内は初心者にも優しく、塚本由晴(アトリエ・ワン)の撮り下ろし写真は町の日常に潜む土壁の迫力を見事に切り取った。素人も愛好家も必見。

詳細|https://goo.gl/eK3Z3S
Amazon|https://goo.gl/CdWmmU

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